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リリーフ投手に今シーズンの目標について聞くと、“50試合”登板と答えることが多い。
「個人的には今年50試合以上登板を掲げていたので、それができればチームの結果もいい方向になっているんじゃないかと思うので、優勝目指して、そこをやっていくという感じですね」。(西村天裕)
「毎年中継ぎで50試合投げたいというのを掲げているので、今年はそれを達成できるようにしたい」(坂本光士郎)
「任された役割を投げて、最終的に50試合くらい投げられていればいいかなと思います」(東妻勇輔)
「最低でも一軍で40試合、50試合投げられるようなピッチャーになりたい」(横山陸人)
ロッテの西村天裕、坂本光士郎、東妻勇輔、横山陸人も、今季の目標に“50試合登板”を掲げた。
坂本は50試合登板を達成するために「体力が必要だと思うので、1年間戦える体力、回復するためにどうしなければいけないかというのを考えていかないといけないのでやっています」と話せば、横山も「変化球の精度だったり、1年間投げ抜く体力が必要になってくると思うので、自分でしっかりコンディショニングチェックとかしながら、怪我なくやれればと思います」と、1年間投げ抜く“体力”の重要性について語った。
1年間一軍で投げ続けるためにはもちろん、結果も重要になってくる。長年ブルペンを支えている益田直也は別格として、ロッテのリリーフ陣で近年、50試合以上登板した投手を見ても、21年に54試合に登板した佐々木千隼は26ホールド、防御率1.26、昨季59試合に登板した東條大樹も30ホールド、防御率2.08と、“20ホールド以上”、“防御率2点台前半まで”というのが目安となりそうだ。
吉井理人監督が投手コーチ時代の20年、21年は大事なシーズン終盤を見据えて、3連投、1週間に4試合以上登板が非常に少なく、1週間の登板数をしっかり管理板間隔の管理されていた。20年と21年のような投手運用となれば、50試合以上登板した投手は、信頼されていると言ってもいいだろう。
ロッテのリリーフ陣は益田、澤村拓一、ルイス・ペルドモ、東條、国吉佑樹、小野郁、さらには若手の中森俊介、小沼健太、ベテランの唐川侑己など“勝利の方程式”、“一軍の枠”の競争が熾烈だ。その中で、50試合登板を目標に掲げた4人は、まずは開幕一軍を掴み、与えられた役割で結果を残して、勝ちパターンを任されるところまでいきたい。積み重ねた先に50試合登板達成が見えてくるはずだ。
▼ 直近5年間で50試合以上登板したロッテのリリーフ陣
【2018年】
益田直也 70試 2勝6敗17H3S 防3.08
松永昂大 60試 2勝5敗28H0S 防3.15
内 竜也 58試 3勝5敗7H26S 防3.84
【2019年】
益田直也 60試 4勝5敗12H27S 防2.15
東條大樹 58試 1勝0敗16H0S 防3.78
酒居知史 54試 5勝4敗20H0S 防4.37
【2020年】
益田直也 54試 3勝5敗5H31S 防2.25
【2021年】
益田 直也 67試 3勝6敗0H38S 防2.24
佐々木千隼 54試 8勝1敗26H1S 防1.26
【2022年】
東條大樹 59試 4勝4敗30H0S 防2.08
益田直也 52試 1勝2敗8H25S 防3.29
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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プロ3年目の今季こそ
「常に活躍している1年にしたいです」。
ロッテの鈴木昭汰はプロ3年目の今季、シーズン通しての活躍を誓う。
20年ドラフト1位で入団し、1年目の21年は開幕先発ローテーション入りを果たすも、好投しながらなかなか援護に恵まれず、23試合・79回1/3を投げて1勝4敗1ホールド、防御率4.08。2年目の昨季は先発3試合、リリーフ3試合、合計6試合・12回1/3を投げて1勝3敗、防御率7.30と悔しい1年に終わった。ここまでの2年間は力を発揮しきれていない。
「まっすぐの角度と強さを確率よく上げるためにというのを意識してやってきました」。シーズンオフの自主トレではストレートを磨いた。
プロ入りから2年間、鈴木の投球を見ていると、ストレートが良い時はかなり抑えている印象。昨季でいえば、唯一の白星となった9月12日の日本ハム戦がそうだった。初回8球オールストレートで“0”で切り抜けると、2回以降も力強いストレートを武器に、日本ハム打線を封じ、6回0/3・82球を投げ無失点に抑えた。
鈴木本人も「そうだと思います。ストレートがあっての変化球だと思います。しっかりやっていきたいと思います」と話す。
ストレートが良いからこそ変化球も活きる。「真っ直ぐ、スライダーが軸なので、そこから少しずつ真っ直ぐの良さを出せるための配球をしていけたらなと思います」。
オープン戦で存在感
2月の練習試合では18日の楽天戦が3回7失点、25日の西武戦は4回4失点と、精彩を欠いた投球だったが、オープン戦が始まってからは3試合・4イニングを投げ、2被安打、5奪三振、0与四球、0失点。3月に入ってから状態を上げてきている。
特に14日のヤクルト戦では、2-3の4回に岩下大輝の後を受けてマウンドに上がると、1イニング目は12球中11球がストレート。2-3の4回二死走者なしで武岡龍世を見逃し三振に仕留めたアウトコースのストレートは素晴らしかった。
2イニング目となった5回は青木宣親にレフト前に弾き返されたが、オスナをインコース高めのストレートでバットをへし折る三塁ゴロで打ち取り、力でねじ伏せる投球だった。
鈴木が話しているように、ストレートの角度、強さの確率を高めていければ、十分戦力になるだけの力を持っている。2月の練習試合では悔しい投球となったが、3月に入ってからは結果、投球内容ともに格段に良くなり、これを継続できれば開幕一軍も見えてくるはずだ。熾烈な競争を勝ち抜くためにも、結果にこだわっていきたい。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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