ちょこっとGUM

今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム記事【9/5~9/6】

2024年09月06日 14時06分36秒 | マリーンズ2024
≪9/5≫


 サイ・ヤング賞投手がマリーンズに加わった。同賞を受賞した選手が日本のプロ野球チームでプレーをするのは史上3人目。その合流が発表されるとチームはざわつき、沸いた。

最初は戸惑いの空気も…

 ダラス・カイケル。最初こそ36歳のスーパースターに対してどのように接したらいいのか戸惑いに似た空気があったが、左腕が見せた気さくな姿に、選手のみならずスタッフの誰もが、いつの間にか気軽に話しかけられるようになった。

「ダラスと呼んでくれ! オレはチームが勝つためにここに来た」 

 ロッカールームでの最初の挨拶は、そんな言葉から始まった。続けてニヤリと笑いながら「お寿司と勝つことが大好きです」とユーモアたっぷりのトークを展開すると、場は笑いに包まれた。こうしてカイケルはすぐにチームに溶け込んでいった。ちなみにカイケルはウニが大好きだ。

小島は積極的にアタック

 誰もが伝説の投手と野球談議を交わしたがった。そんな中、同じ左腕としてずっと憧れだったと言っていた小島和哉投手は積極的にコミュニケーションをとった。8月23日からの京セラドーム大阪でのバファローズ3連戦の選手食堂では同じテーブルで食事をしながら会話をしている光景が見られた。

 そして小島がブルペンで投球練習を始めると、マウンドの後ろにはカイケルの姿があった。その後、8月27日のライオンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)で7回無失点の好投で9勝目を掴んだ小島は「カイケルさんにチェンジアップを教えてもらって、それをさっそく使いました。今までもチェンジアップはあったけど、今までより奥行きを感じる。腕の振りもボクのチェンジアップよりも振れる感じがした」と手ごたえを口にした。

「教えたという感じではない」

 小島が先生のように慕っているという話について尋ねると、カイケルは首を横に振った。

「教えたという感じではないよ。会話をした中で、少しはアドバイスをしたのかもしれないけど、最終的には彼が自分で気が付いたのだ。それにボクの方も会話の中から色々と吸収をしようとしている。いつだって、人と会話をするということはお互いが成長をするキッカケになるのだよ」

 教えたのではない。会話をすることでお互いが成長をする。いつも高みを目指している男の考え方だった。

青木宣親との写真は“宝物”

 元々、日本に興味があったのだという。MLBでこれまでチームメートになった日本人選手も数多い。レンジャーズでは有原航平投手(現ホークス)、ツインズでは前田健太投手(現・タイガース)。そしてアストロズでは青木宣親外野手(現スワローズ)とチームメートになり、日本の文化に触れた。
 特に印象的だったのは2017年、青木の日米通算2000本安打に立ち会えたことだった。

「彼の努力する姿、日々、打つために準備をして研究をする姿がとても印象に残っている。そして彼の日米通算2000本安打という偉業に立ち会うことが出来た」と自分の事のように嬉しそうに話をした。当時、チームからお祝いとして青木にシャンパンがプレゼントされた。そのシャンパンのラベルにチームメートたちが次々とサインを書いた。カイケルもその一人。今も自身のスマートフォンには、そのシャンパンを手にした青木との2ショット写真を大事に保存している。 

お箸も器用に使って

 自ずと日本の文化にも興味を持った。アメリカにいる頃からお箸を使って日本料理を食べることにトライしていたといい、今では器用に使いこなす。夫人と「オフにいつか日本に行きたいね」と話をしていたなかで24年のシーズン半ばにマリーンズからオファーがあり、迷うことなく来日を決意した。

「最初に想ったのは日本でチャンピオンになりたいということ。ボクはアストロズでワールドチャンピオンになっている。日本でもチャンピオンになって、自宅に2つの優勝リングを並べることが出来たら最高だろうなあと思った。その夢を実現するために日本野球にトライしたいと思った」

ゴルフのベストスコアは「73」

 来日後も日本文化に積極的に触れあおうとしている。大阪遠征では大阪城に興味を持った。ゴルフが趣味でベストスコアは「73」だというカイケルは、オフの日には日本の打ちっぱなしに挑戦した。

「アメリカにも打つ練習をするところはあるけど、そこはフィールド。あんな感じでネットがあったり、様々なサービスがあったりということはない。でもそれも凄く面白かった。クールだよ」と笑った。いつか日本のゴルフ場でラウンドをしたいとも思っている。

 イチローと大谷翔平。日本を代表するメジャーリーガーの2人と対戦した経験もある。イチローに対しては2打数無安打、大谷は13打数2安打ときっちり抑えている。それはカイケルにとって誇りでもある。

思い出深い大谷翔平との対戦

「イチローさんとは何回か対戦したことがあるかな。ちょうどヤンキースに所属していた時。その時はジーターもいて、本当にタフな並びだった。大谷選手も今、ドジャースでは、とてもタフな打順だ。ベッツ、フリーマン、そして大谷さん。きっと殿堂入りするであろう3人と同じイニングで対戦をすることになることもあるピッチャーは本当に大変だよ。彼らとの対戦は本当に思い出深い。いい経験になっている。大谷さんを三振にとれたのは最高の経験だ」と胸を張る。

 15年にサイ・ヤング賞を獲得。ゴールドグラブ賞は5回受賞し、ワールドチャンピオンにもなり、MLBオールスターには2度出場(15年と17年)。そしてイチロー、大谷という日本の誇るレジェンドと対戦した男が今、ZOZOマリンスタジアムのマウンドにいる。その事実がもたらすものはあまりにも大きい。

「戦力」だけではない指揮官の期待

 吉井理人監督も期待を寄せる。

「戦力としてもちろん期待をしている。しかし、それ以上に彼がチームにいることで周りが色々な事を学び、成長し化学反応を起こす。それを期待している。彼が与える影響力は計り知れない」

 マリーンズが若いチームであるがゆえ、伸び盛りの選手たちに与える刺激を待ち望んでいる。

 来日後は3試合に先発。まだ勝ち星こそないものの、低めにボールを集め、ゴロの山を築くピッチングスタイルで好投を続けている。日本語も少しずつ覚えているカイケルが楽しみにしているのはお立ち台でのヒーローインタビュー。日本独特のスタイルの試合後演出だ。

「日本語を披露できたら」

「とても楽しみにしている。ファンがどんな風に迎えてくれるか。そして自分も覚えた日本語を披露出来たらと思っているよ。30分くらい話させてもらうよ!」

 マリーンズのレギュラーシーズンは残り22試合。「中5日が一番、自分の中ではフィットする」というカイケルがここから何試合に投げて、いくつ勝利を稼げるか。そしてZOZOマリンスタジアムのお立ち台でユーモア溢れるトークをどのように披露してくれるのか。そしてマリーンズの投手陣がカイケルの姿にどのような化学反応を起こすのか。期待は膨らむばかりだ。

梶原紀章(千葉ロッテ広報)

(Number)

**************************************
≪9/5≫


先発投手

 残り試合は『22』の現在3位のロッテは、5日から4位・楽天と本拠地・ZOZOマリンスタジアムで4連戦を迎える。

 1日のソフトバンク戦に先発した種市篤暉が3回の投球時に右足内転筋を痛め、2日に浦安市内の病院で『右足内転筋の筋損傷』の診断を受けた。チームトップの142回1/3を投げる種市の離脱は痛い。

 ただ13日(金)の西武戦から変則的な6連戦はあるが、比較的緩やかな日程となっているのは救い。小島和哉、西野勇士、佐々木朗希、カイケル、C.C.メルセデス、唐川侑己らで先発ローテーションを回すことが可能になる。 

 小野コーチは先発投手の運用について「いるメンバーでなんとか目指すところがあるので、先発でというよりも、ピッチャー全員で戦っていく感じになっていくと思います」と話した。

種市の復帰プラン

 気になるのは故障で離脱した種市がシーズン中に復帰ができると仮定して、ファームで調整登板を経ての復帰なのか、調整登板なく一軍に復帰し先発で短いイニングを投げる形になるのかなどを含めて、現時点ではどのような復帰イメージを描いているのだろうかーー。

 小野コーチは「現時点ではまずは治すことが最優先」とキッパリ。「私も現役時代にそこ(内転筋)を痛めた経験があるので、まずはしっかり患部が治ってからではないとプランは立てられない。まずはしっかり治してほしいなと思います」。

 種市は規定投球回到達まで残り2/3。小野コーチは「あと2/3で規定投球回というのも十分にわかっています。ただ勝ち負けが関わってくるゲームが続くので、その辺はやっぱり彼の状態をしっかり把握しながらプラン立てていくと思います」と、あくまでチームの勝敗を優先する考えを示した。 

リリーフ陣

 リリーフ陣に関しては今季もここまで3連投、1週間に4登板以上した投手はおらず、登板管理をしっかりと行っている。残り22試合というところで、3連投、1週間に4登板以上を解禁する考えはあるのだろうかーー。

 小野コーチは「そこも頭に入れながら運用しているというか、選手たちも残り1ヶ月勝負になってくるというのをわかってくれている。選手たちから声を出してくれているので、すごい頼もしいなと思って聞いています。その気持ちでいてくれているのは嬉しいですね」と、リリーフ陣の心意気に感謝する。

 リリーフ陣に関しては、菊地吏玖、横山陸人といった若手も勝ち試合での登板を経験し、澤村拓一、国吉佑樹、鈴木昭汰、益田直也と勝ち試合で投げられる投手が多いのも強み。

 「そうですね、充分勝ちパターンでもいける判断ができてきているというか、とにかく全員で戦う。勝ちパターンも何もないと思うので、とにかく勝ち取るために、いろんな手段があると思います」。

 ロングリリーフ要員の中村稔弥が8月30日に一軍登録抹消されたが、その役割についても小野コーチは「そこも今もまだ色々作戦を練っているところもあります」とし、「種市が離脱したところもあるので、その辺を含めて再検討しなければいけないところがありますね」と続けた。

 シーズンも最終盤を迎え、負けられない戦いが続いていく。「いい準備をして自分のピッチングをマウンド上で出してくれれば、いい結果につながると思う。いい準備をしてほしい」と準備の重要性を説いた。取材が終わり、小野コーチは去り際に、「明日(5日)からいい戦いができると思うので、期待しといてください」と話し、ベンチ裏に戻っていった。投手を中心にした守り勝つ野球で白星を重ねていくロッテにおいて、投手陣の出来、不出来は大きな鍵を握る。投手陣の活躍に期待したい。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

**************************************
≪9/6≫

 「前回感覚が良かったので、その感覚をなくさないようにというか、本当にそこだけかなと思います」。

 ロッテの西野勇士が18時からの楽天戦に先発する。

 前回登板の8月24日のオリックス戦は、勝ち負けはつかなかったが、6回・100球、3安打、4奪三振、無失点の好投。0-0の初回二死一、三塁で杉本裕太郎の初球インコースシュートで三飛、0-0の3回無死走者なしで紅林弘太郎に2ボール2ストライクから147キロインコースシュート見逃し三振、0-0の3回一死一、二塁で太田椋の初球インコースシュートで一邪飛に打ち取るなど、右打者のインコースのシュートが冴え渡った。

 西野はシュートについて「良かったです。投げきれている部分には良いのかなと。カウントもかなり稼げるし自分を助ける球になっているのかなと思います」と振り返った。

 また、森友哉を2ボール2ストライクから5球目のインコース139キロフォークで空振り三振に仕留めるなど、フォークも良かった。「フォークも調子が良かったです。最近、フォークは調子が良いので、はい。それはいいのかなと思います」。

 交流戦前の取材から何度もストレートを課題にしていると話していたが、現在は「ちょっと良くなってきましたね。前回は結構いいのかなと思いましたね」と好感触。

 ストレートが良くなってきた理由について「真っ直ぐでバッターが刺さっているというところですかね。とにかくバッターの対応、反応を見て良くなってきているのかなと。自分の投げている感覚もいいですけど、それよりも相手があることなのでバッターの反応が良くなってきている。真っ直ぐが良くなってきているのかなと思います」と明かした。

 8月は3試合ともオリックス戦での登板だったが、1試合目より2試合目、2試合目より3試合目と対戦を重ねる中でストレートが差し込めていると感じたのだろうかーー。

 「そうですね、その間にたまたま良くなっただけかもしれないですけど、3試合目は真っ直ぐが良かったのかなと思います」。 

粘りの投球

 走者を出しながらも、コントロールに不安がなく、四球で崩れることが少ない。「(前回のオリックス戦は)四球でピンチを作っていますけどね(苦笑い)。でもすごくそこは大事だなと思っているので、はい」。

 西野は走者を背負った時に「一気に(ランナーを)返さない。繋げられても1つずつ(ランナーを)動かすくらいのイメージで。とにかく目の前の打者をどう抑えていくかだと思いますね」ということを考え投げている。

 場面にもよるがシュートでゴロを打たせたり、三振を取らなければいけない場面ではフォークで三振を奪うことができる。女房役・田村龍弘のサインが出たらこういう意図だなと汲み取りながら投げているのだろうかーー。

 「それもありますけど、これだけ野球を見ているのでわかっているし、流れの中でここで三振が欲しい、ゲッツーが欲しいとか、ある程度そういうのは把握していますし、それをタム(田村龍弘)が出してくれる。そこはただ相手のキャッチャーの意図だけを見て投げているわけではないかなと思いますけど、はい」。

 クライマックスシリーズ出場へ負けられない戦いが続く。西野自身も初の二桁勝利達成にも期待がかかる。「勝ち負けは打つ、打たない、自分が抑える、抑えないというのもあるし、なかなかそんな簡単にできるものじゃない。とにかくチームが勝つ。僕自身も勝ちたいですけど、チームが勝つというところに貢献できるようにして、シーズンの流れ的には必ずCSに行かないといけないと思う。そこに向かって貢献できたらいいなと思います」。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

**************************************
≪9/6≫


 8月30日のソフトバンク戦で7回無失点と好投し、7勝目(4敗)を挙げたロッテの佐々木朗希。しかし、今季は好不調の波が大きい印象があり、コンディション不良で戦線から離脱していた期間は約2カ月に及んだ。長らくロッテのエースとして活躍した清水直行氏に、佐々木の状態やピッチングに対しての見解を聞いた。

【佐々木の評価の基準をどこに置くべきか】

――8月30日のソフトバンク戦では7回無失点と好投しましたが、それまでの試合では打ち込まれるシーンも見られました。ここ最近のピッチングをどう見ていますか?

清水直行(以下、清水) 離脱する前と復帰後を比べても、投球フォームなどメカニックの部分は特に変わっていないと思います。ただ、ストライクが入らなくなり、フォアボールが多くなる時がありますよね。ボールをコントロールする技術をもっと磨いていかないといけないかなと。

 160km以上の真っすぐと140km台後半のフォークがあっても、それをピッチングとしてまとめていく技術はまだまだだなと思いますが、(8月30日の)ソフトバンク戦では縦に曲げたり、横に曲げるスライダーをうまく織り交ぜていたので真っすぐとフォークが生きました。小さくまとまってもらいたくはないのですが、バッターの裏をかくピッチングを意識することも必要です。
 
――8月8日のソフトバンク戦では5回9安打3失点ながら9奪三振、8月22日の日本ハム戦では6回6安打4失点で8奪三振。打ち込まれる試合でも三振は多いです。

清水 佐々木を評価する時、何を基準にすればいいのかわからなくなっている部分があると思うんです。たとえば球速が出ている・出ていない。ローテーションを守っている・離脱した。毎試合100球を投げられている・100球に達しなかった、とか......。最近では、「無事に投げられていればいい」とハードルが下がってきている感じもあります。

 ただ球団としては、ずっと大切に育ててきて、そろそろローテーションで平均7イニング、年間24試合は投げてくれないと、という段階。どれぐらい球速が出たかとか、三振を多くとれたといったことも評価の基準のひとつかもしれませんが、先発ピッチャーであればローテーションを守ることが最重要の課題だと思うんです。

【体が"黄信号"の状態での判断に迷い?】

――昨季終了後に話を伺った際には、先発としての働きは「50点」とおっしゃっていました。今季はいかがですか?

清水 やはり先発投手の柱のひとりとして年間24試合に投げられないのであれば、期待を裏切ってしまっているわけで、ここまでは45点ぐらいかな......厳しい採点になりますけどね。ただ、まだシーズンは終わっていませんし、ここからの挽回に期待しています。

――期待された今季、右上肢のコンディション不良で6月8日広島戦での登板を最後に登録抹消され、復帰まで2カ月近くかかりました。

清水 要は、コンディションの回復が追いつかないのではないでしょうか。160kmの球を投げるための出力は本人でないとわからないところですが、肩や肘の張りがなかなか取れないんじゃないかと思うんです。

 ただ、プロである以上はみんなどこかしらに痛みを抱えていますし、張りも残っていますが、多少の怖さを抱えながらも任された試合に出ています。これは先発ピッチャーに限らず、ブルペンのピッチャーも野手も同じ。シーズンが進んでいく過程で「どこも痛くない。バリバリ元気です」という選手はいません。決して精神論を語るつもりではないのですが......。

――佐々木投手の場合は、出力がほかのピッチャーよりも高いから、コンディションの調整が難しい?

清水 「コンディションは悪くはないけど、万全とは言えない」といった"黄信号"の状態をどう判断しているのか、というところですね。その判断を佐々木が下しているのか、トレーナーがしているのか、話し合って決めているのかはわかりません。どちらにせよ、「黄信号でも大丈夫」なのか、無理をして赤信号になるリスクを避けるために「黄信号で止めておいて、青信号になるまで調整しよう」なのか......そういった黄信号の幅というか、投球させる許容範囲がわからず探っている状態だと思うんです。

 でも、それは経験を重ねていかないとわからないことですし、佐々木だけではなくほかの先発ピッチャーも同じです。プロ野球選手になって、日々の練習や試合で朝から晩まで野球をしていれば体のあちこちに痛みが出てきますが、「どれぐらいの状態ならいけるのか」というのが把握しきれていないんじゃないかと。それがすべてだと思います。

【CS出場のために佐々木に期待すること】

――9月4日時点(以下同)で3位のロッテは、2位の日本ハムと4ゲーム差。一方、4位の楽天とのゲーム差は2.5。CS出場をかけた争いが激しくなっています。そんななかで佐々木投手に期待することは?

清水 残りのシーズンを完走することですね。先発ローテーションのピッチャーはみんな頑張っていますし、佐々木もその一員として投げ切ってほしい。特に、ローテーションの一角である種市篤暉が右足内転筋の故障で離脱してしまいましたし、ここからチームを引っ張っていってもらいたいです。

――8月1日の西武戦で復帰登板を果たした以降は、アクシデント(8月15日の日本ハム戦で打球が当たって1回1/3で降板)がありながらもローテーションを守っています。

清水 アクシデントや打ち込まれる場面があるにせよ、しっかり投げることはできています。直近のソフトバンク戦では初球をスライダーから入ったりと、スライダーを多めにして的を絞らせませんでしたが、そういったピッチングでも結果を出しました。本人も手ごたえをつかんだんじゃないでしょうか。

 160kmの真っすぐと140km後半のフォークで三振をとるのもひとつのスタイルですが、変化球を織り交ぜてかわしていくのもピッチングです。周囲は160kmの真っすぐを連発したり、完全試合を期待したりしますけど、彼には理想のピッチングスタイルがあると思うので、周りに振り回されずにそれを突き詰めていってもらいたいですね。

――その上で、シーズンを通してローテーションを守ってもらいたい?

清水 そうですね。どうすればシーズンを通して離脱せずに投げられるのか。コンディションの調整しかり、ピッチングスタイルしかり、そこに向かってじっくり取り組んでいってもらいたいですね。繰り返しになりますが、先発ピッチャーとして一番果たさなければいけない役割はそこだと思っているので。

文=浜田哲男

【プロフィール】
清水直行(しみず・なおゆき)

1975年11月24日に京都府京都市に生まれ、兵庫県西宮市で育つ。社会人・東芝府中から、1999年のドラフトで逆指名によりロッテに入団。長く先発ローテーションの核として活躍した。日本代表としては2004年のアテネ五輪で銅メダルを獲得し、2006年の第1回WBC(ワールド・ベースボールクラシック)の優勝に貢献。2009年にトレードでDeNAに移籍し、2014年に現役を引退。通算成績は294試合登板105勝100敗。引退後はニュージーランドで野球連盟のGM補佐、ジュニア代表チームの監督を務めたほか、2019年には沖縄初のプロ球団「琉球ブルーオーシャンズ」の初代監督に就任した。

【プロフィール】
浜田哲男 (はまだ・てつお)

千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

(Sportiva)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 備忘録【9/5】 VS 楽天 ≪61... | トップ | 備忘録【9/6】 VS 楽天 ≪61... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

マリーンズ2024」カテゴリの最新記事