≪7/18≫
42勝32敗4分の2位でオールスター前の戦いを終えたロッテ。2年連続Aクラスとなった20年、21年は投手力を中心に守り勝ってきたが、今年も前半戦でいえば打線がリードを守り切れるくらいの得点を奪い、そのリードを投手陣が守り切った試合が多かった。数字を見ても、ロッテは前半戦、救援防御率はリーグ5位の「3.56」だが、6回終了時点でリードした試合は31勝2敗。勝利をする上で鍵を握るのがリリーフ陣だということがわかる。
前半戦は5月18日のオリックス戦、5月21日の楽天戦でブルペンデーを行ったが、3連投した投手は誰もおらず、1週間に4登板以上した投手も益田直也(6月5日〜の週)、坂本光士郎(6月5日〜の週)の2人のみで、それも6月3日から9連戦中だった。場面や状況に応じてリリーフ投手をうまく起用し、決まった形の“勝利の方程式”というよりは、先を見据えて、いろいろな投手を起用しているように見えた。
間近で選手たちの状態を見てきたブルペンを担当する小野晋吾投手コーチは、前半戦のリリーフ陣をどう見ていたのだろうかーー。
「ここまでみんなよく頑張ってくれていると思います。振り返ってみると色々しんどい時も当然あった中で、ベテラン2人、澤村と益田がいい声がけ、若い選手たちも多いのでいい声がけをしてくれていい雰囲気を作ってくれている。なんとかここまで乗り切れていると思います」。
小野コーチは、リーグトップタイの23セーブをマークする守護神・益田直也、今季3年ぶりに復帰した澤村拓一の存在の大きさをあげ、「色々声がけだったり雰囲気を良いように作ってくれている。僕からもすることもないですし、いい雰囲気の中で準備をしてくれていると思いますね」と感謝する。
小野コーチを開幕から取材していると、“準備”という言葉を口にすることが多い。小野コーチから見て、どの辺りが良い準備と感じているのだろうかーー。
「色々登板するポジションが変わったりとか、難しい場面での登板もシーズン中だったらある中で、そういうのを自分で予想しながらであったり、あとはベテラン組が声がけしてくれて、早め早めに準備してくれているところがうまくいっているのかなと思います」。
開幕前の3月にトレードで日本ハムから加入した西村天裕はビハインドゲームで存在感を示し、5月以降は勝ち試合の6回や7回、同点の場面などで登板し、坂本光士郎もビハインド、勝ち試合、東妻勇輔もイニング途中からマウンドに上がったり、横山陸人は7月9日の日本ハム戦で3-2の9回に登板しプロ初セーブをマークした。
7月9日の日本ハム戦に関しては勝ち試合の8回、9回に任されることが多かったペルドモ、益田が連投中ではなかったが、1-2の8回表に逆転した直後の8回裏に澤村、そして9回は横山にマウンドを託した。
小野コーチは、勝ち試合の9回に横山を任せた7月9日の日本ハム戦について、「当然初めてああいうところで任されてすごく緊張した場面だったと思うんですけど、ただ今までやってきたことをそのまま出してくれたというか、ファームでもああいうポジションで投げたりしていた。送り出す方もそのまんまの気持ちでいってほしいということを伝えたました。そのまま結果に繋がってくれたので、あれは本当に嬉しかったですね」と振り返る。横山は昨年からファームでも抑えを任される機会が増え、今季も5月26日の日本ハム二軍戦でセーブを挙げている。ファームと一軍での違いはあるが、経験を積んできた。それが結果という形になって現れた。
7月9日の日本ハム戦に関わらず、前半戦はさまざまな形で逃げ切ってきた。複数のパターンを持つことで、“勝ちパターン”のリリーフに依存しすぎず、勝負の夏場以降に向けての布石にも感じる。
小野コーチは「まあ、まだまだこれからだと思うので」としながらも、「これからどんどんしんどくなってくると思うので、しんどい中でも、成長していけるところだと思う。まだまだ成長していかないといけないチームなので、そこで結果につながるようないい準備をできるような声がけをしていきたいなと思います」と意気込んだ。
ロッテがリーグ優勝するためにも、得点力ももちろん必要になってくるが、投手陣、中でもリリーフ陣の出来が勝敗を左右する。ファームで調整するベテラン陣の調子が上がっていないところは気になるが、一軍はシーズン最終盤を見据えた登板管理、運用はしっかりできている。今年こそ秋に歓喜の瞬間を迎えたい。
▼ 主な救援陣の投球成績
益田直也 36試 2勝2敗9H23S 防3.48
ペルドモ 34試 1勝1敗28H1S 防1.67
西村天裕 30試 1勝0敗8H0S 防0.90
坂本光士郎 27試 0勝0敗7H0S 防3.33
澤村拓一 26試 4勝2敗13H2S 防4.97
東妻勇輔 21試 0勝1敗8H0S 防2.14
横山陸人 17試 0勝0敗1H1S 防4.58
岩下大輝 16試 1勝0敗2H0S 防1.65
▼ 3連投した投手(移動日挟む3連投は含まない)
なし
▼ 1週間に4登板以上した投手
益田直也(6月5日〜の週)
坂本光士郎(6月5日〜の週)
取材・文=岩下雄太
小野コーチを開幕から取材していると、“準備”という言葉を口にすることが多い。小野コーチから見て、どの辺りが良い準備と感じているのだろうかーー。
「色々登板するポジションが変わったりとか、難しい場面での登板もシーズン中だったらある中で、そういうのを自分で予想しながらであったり、あとはベテラン組が声がけしてくれて、早め早めに準備してくれているところがうまくいっているのかなと思います」。
開幕前の3月にトレードで日本ハムから加入した西村天裕はビハインドゲームで存在感を示し、5月以降は勝ち試合の6回や7回、同点の場面などで登板し、坂本光士郎もビハインド、勝ち試合、東妻勇輔もイニング途中からマウンドに上がったり、横山陸人は7月9日の日本ハム戦で3-2の9回に登板しプロ初セーブをマークした。
7月9日の日本ハム戦に関しては勝ち試合の8回、9回に任されることが多かったペルドモ、益田が連投中ではなかったが、1-2の8回表に逆転した直後の8回裏に澤村、そして9回は横山にマウンドを託した。
小野コーチは、勝ち試合の9回に横山を任せた7月9日の日本ハム戦について、「当然初めてああいうところで任されてすごく緊張した場面だったと思うんですけど、ただ今までやってきたことをそのまま出してくれたというか、ファームでもああいうポジションで投げたりしていた。送り出す方もそのまんまの気持ちでいってほしいということを伝えたました。そのまま結果に繋がってくれたので、あれは本当に嬉しかったですね」と振り返る。横山は昨年からファームでも抑えを任される機会が増え、今季も5月26日の日本ハム二軍戦でセーブを挙げている。ファームと一軍での違いはあるが、経験を積んできた。それが結果という形になって現れた。
7月9日の日本ハム戦に関わらず、前半戦はさまざまな形で逃げ切ってきた。複数のパターンを持つことで、“勝ちパターン”のリリーフに依存しすぎず、勝負の夏場以降に向けての布石にも感じる。
小野コーチは「まあ、まだまだこれからだと思うので」としながらも、「これからどんどんしんどくなってくると思うので、しんどい中でも、成長していけるところだと思う。まだまだ成長していかないといけないチームなので、そこで結果につながるようないい準備をできるような声がけをしていきたいなと思います」と意気込んだ。
ロッテがリーグ優勝するためにも、得点力ももちろん必要になってくるが、投手陣、中でもリリーフ陣の出来が勝敗を左右する。ファームで調整するベテラン陣の調子が上がっていないところは気になるが、一軍はシーズン最終盤を見据えた登板管理、運用はしっかりできている。今年こそ秋に歓喜の瞬間を迎えたい。
▼ 主な救援陣の投球成績
益田直也 36試 2勝2敗9H23S 防3.48
ペルドモ 34試 1勝1敗28H1S 防1.67
西村天裕 30試 1勝0敗8H0S 防0.90
坂本光士郎 27試 0勝0敗7H0S 防3.33
澤村拓一 26試 4勝2敗13H2S 防4.97
東妻勇輔 21試 0勝1敗8H0S 防2.14
横山陸人 17試 0勝0敗1H1S 防4.58
岩下大輝 16試 1勝0敗2H0S 防1.65
▼ 3連投した投手(移動日挟む3連投は含まない)
なし
▼ 1週間に4登板以上した投手
益田直也(6月5日〜の週)
坂本光士郎(6月5日〜の週)
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪7/18≫
「力強さが増した」
巨人からトレード移籍でロッテに加入した石川慎吾は、移籍後7試合に出場し18打数10安打、打率.556と大活躍で前半戦の戦いを終えた。
17日の楽天との試合(ZOZOマリン)では「3番・左翼」でスタメン出場。初回の第1打席でいきなり中前打を放つと、3回の第2打席でも右前に打球を運び2打席連続安打。5回の第3打席は遊ゴロも、8回の第4打席は再び中前打で猛打賞を記録。
左翼の守備で、楽天・小郷の左飛の打球を見失い決勝の2点二塁打を献上してしまったものの、移籍後初の3安打で好調をキープ。ロッテが必要としていた待望の左キラーとして、力強い打撃を披露している。
石川慎吾の活躍について、17日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の斎藤雅樹氏は「巨人はもったいないことをしちゃったなと思いますね」と冗談を交えながらコメント。続けて「石川のためには、非常に良いトレードだったと思いますし、これだけの成績を残せる力があるわけですから、試合に出で結果を出すことが本人にとって一番良いことですね」と話した。
また「日本ハムから巨人に行ったということもあり、パ・リーグには慣れていると思います。巨人にいた頃よりも打撃の力強さが増したような感じがしますね」と手放しで絶賛した。
すっかりとチームに溶け込み、ムードメーカーとして盛り上げ役を率先している背番号50。後半戦からも“ダイナマイト慎吾”の活躍から目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』
また「日本ハムから巨人に行ったということもあり、パ・リーグには慣れていると思います。巨人にいた頃よりも打撃の力強さが増したような感じがしますね」と手放しで絶賛した。
すっかりとチームに溶け込み、ムードメーカーとして盛り上げ役を率先している背番号50。後半戦からも“ダイナマイト慎吾”の活躍から目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』
(ベースボールキング)
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≪7/19≫
ロッテは前半戦を42勝32敗4分の2位で終えた。リリーフ陣は救援防御率リーグ5位の「3.56」だが、6回終了時点でリードした試合は31勝2敗ということを考えると、勝ち切る試合をしっかりと勝ち切っていたことがわかる。益田直也、澤村拓一、ペルドモ、西村天裕、坂本光士郎、東妻勇輔、横山陸人などが前半戦のブルペンを支えたが、8月以降は6連戦が6週連続で続く。この戦いを乗り切るためにも、一軍で今投げている選手たちが好成績を残してくれればいいが、ファームからの突き上げも必要だ。チームに勢いをもたらしてくれるであろうフレッシュな若手、経験のあるベテランなどが一軍での登板を目指しファームで牙を研ぐ。
今年プロ16年目の唐川侑己もその一人だ。今季は開幕を二軍で迎え、4月14日に初昇格し、初登板から2試合連続で無失点に抑えていたが、1回2失点だった5月2日の楽天戦の登板翌日の3日に一軍登録抹消。現在は 「今はピッチングの精度と強さを意識してやっています。そこが上がってきてバッターの反応、僕にとって良い反応になればもっといいものが出せていけるのかなと思ってやっています」と、再び一軍のマウンドで投げるため、試行錯誤しながら日々ファームで練習、試合に臨んでいる。
リリーフに配置転換となった18年の後半からカットボール主体の投球が続いていたが、21年からはストレートを投げる機会が増え、昨年行った取材では「新しく今年キャッチャーが松川と組むこともあるので、そのなかで彼が選択して投げているという感じですね。常に良いまっすぐを投げたいと思っているので、それの継続です」と説明した。
今季の唐川は右打者の“インコース”に力強いストレートで打ち取るケースが多い。6月7日の楽天二軍戦では4-6の8回二死走者なしで横尾俊建を1ボール2ストライクから146キロのストレートで空振り三振に仕留めれば、6月27日の日本ハム二軍戦では0-1の7回先頭の郡司裕也に2ボール2ストライクからの7球目145キロインコースストレートを詰まらせて遊ゴロに打ち取った。
「僕の印象で外、外のカットで来るというところでインコースのストレートは効果的だと思うので幅を広げるためにやっています」。
一軍で抑えることを想定して、右打者のインコースにストレートを投げている。右打者でいえば、今季から左打者だけでなく、「右にもチェンジアップを投げられたらいいなというところで、ファームで何回か投げていますね」(4月15日取材)と右打者にもチェンジアップを投げる。7月12日のヤクルト二軍戦では、2-6の8回無死走者なしで塩見泰隆を2ボール2ストライクから10球目に132キロのチェンジアップで遊ゴロに抑えた。右打者のチェンジアップについて唐川は「目線を変えるという意味でも、いろんな引き出しが大事だと思います」とのことだ。
投球フォームでも、「自分の投げる中でのタイミングであったり色々試行錯誤してやっています」と投げる時に左足を上げた時にピタッと止まる時と、止めずに投げる時がある。7月4日の巨人二軍戦では走者がいない時に左足を上げた時に、ピタッと止めずに投げていた。
現在ファームで3試合連続失点中と悔しい登板が続くが、チームがリーグ優勝するために唐川の復調は必要不可欠。「後半、一軍で優勝争い、Aクラス争いが厳しい戦いが続いていく。そこで力になれたらなと思います」。ブルペンには益田、澤村と経験豊富なベテラン2人がいるが、唐川の持つ経験、そしてテンポ良く淡々と抑えていく姿を一軍で見たいと思うファンも多いはずだ。
取材・文=岩下雄太
一軍で抑えることを想定して、右打者のインコースにストレートを投げている。右打者でいえば、今季から左打者だけでなく、「右にもチェンジアップを投げられたらいいなというところで、ファームで何回か投げていますね」(4月15日取材)と右打者にもチェンジアップを投げる。7月12日のヤクルト二軍戦では、2-6の8回無死走者なしで塩見泰隆を2ボール2ストライクから10球目に132キロのチェンジアップで遊ゴロに抑えた。右打者のチェンジアップについて唐川は「目線を変えるという意味でも、いろんな引き出しが大事だと思います」とのことだ。
投球フォームでも、「自分の投げる中でのタイミングであったり色々試行錯誤してやっています」と投げる時に左足を上げた時にピタッと止まる時と、止めずに投げる時がある。7月4日の巨人二軍戦では走者がいない時に左足を上げた時に、ピタッと止めずに投げていた。
現在ファームで3試合連続失点中と悔しい登板が続くが、チームがリーグ優勝するために唐川の復調は必要不可欠。「後半、一軍で優勝争い、Aクラス争いが厳しい戦いが続いていく。そこで力になれたらなと思います」。ブルペンには益田、澤村と経験豊富なベテラン2人がいるが、唐川の持つ経験、そしてテンポ良く淡々と抑えていく姿を一軍で見たいと思うファンも多いはずだ。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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