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「本当に一軍にいつ呼ばれてもいいようにというのと、それまでにしっかり一軍で通用する球を投げることを意識してやっていました」。
ロッテの坂本光士郎は開幕をファームで迎えたが、5月22日に今季初昇格を果たすと、ここまで3試合に登板して、1ホールド、防御率0.00に抑えている。
坂本は23年に51試合に登板し16ホールドをマークするなど貴重な左のリリーフとして大車輪の活躍を見せたが、昨季は37試合に登板して防御率5.73と悔しいシーズンに終わった。
シーズン終了後に行われたZOZOマリンスタジアムでの秋季練習では、「硬い筋肉だけではなく、柔らかい筋肉というのを目標に。1シーズン戦える体にしていきたいなと思っています」と話していた。
一冬を越えて、石垣島春季キャンプで“1シーズン戦える体力”について訊くと、「ウエイトは継続しながらずっとやってきていて、その中でやっぱり瞬発系もいると思いました。柔軟性もそうですけど、やっぱりウエイトだけだと重たい筋肉になっちゃうので、そこはそうならないようにと考えながらやっていました」と教えてくれた。
プラスアルファで今季に向けて新たな取り組み始めたことについて、「まずは強い球だったり、変化球もそうですけど、スライダーだけじゃきついですし、その中でやっぱりスプリット、左バッターにも投げないといけないと思いますし、継続してシュートもしっかり左バッターの胸元に投げられるようにと思いながらやっています」と明かした。
「左バッターを抑えることが一番のアピールだと思いますし、その中でストレートもそうですけど、強い球をしっかり投げないと、僕らアピールしていく立場なので、そこはストレートの強さ、左バッターを抑えるっていうのをアピールしていきたいなと思います」と意気込み、練習試合、オープン戦に挑んだが、不安定な投球が目立ち、開幕一軍とはならず。
ファームでは、左打者に力強いストレートを投げ込んだ。特に左打者の外角のストレートは非常に良かった。「いい時と悪い時の差が激しかった日もあったんですけど、基本的には球強くというのが僕の生命線なので、そこは常に追い求めながらやっていました」。
気になったのはスライダー。3月27日の楽天二軍戦、2-1の9回先頭の青野拓海に1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めたスライダーは縦気味に落ちる軌道に見え、5月4日のヤクルト二軍戦、10-3の8回先頭の西村瑠伊斗を2ボール2ストライクから空振り三振に仕留めたスライダーが123キロといつもに比べてスピードが出ていなかった。
縦に落ちるスライダーに見えたスライダーについては「基本的にはスライダーをずっと投げているので、スライダーだと思うんですけど、はい」と話し、「いい時と悪い時の差が変化球にも出ていると思うので、スライダーが遅い日もありましたし、速い日もありましたし、ちょっとでも悪い時と良い時の差を縮めていかないといけないかなと思います」と自己分析した。
3月8日のソフトバンクとのオープン戦、4-2の7回一死走者なしで庄司雄大を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた136キロのスプリットがよく、3月12日の取材で「オフからずっとシーズンに投げたいと思って、試行錯誤しながらやってきたので、いい結果につながっているなと思いますし、シーズン入っても左バッターには緩急を使いたいですし、そこで使っていけたらなと思っています」と好感触を掴んでいた。
シーズンが始まってからのスプリットはどうなのだろうかーー。「ちょこちょこと投げているんですけど、僕は真っ直ぐ、スライダー、カットが主体になると思うので、その精度を突き詰めていたので、それを多めに投げていたんですけど、スプリットも今後しっかり投げていけたらなと思います」。
5月22日に一軍昇格を果たし、今季初登板となった5月23日の西武戦では「毎年初登板はすごく緊張するので、そこでいい球が投げられましたし、これからの投球にも自信がついたかなと思います」と7球全てストレートで1回を無失点に抑えた。
「途中で行く左ピッチャーとなれば、回途中でも投げていかないといけないと思います。今は上がってきたばっかりなので、どの場面でも、というのがあると思うんですけど、結果を出していけば、左バッターの時に“坂本行くぞ!”ということがあると思うので、そこに対してしっかり結果出せるようにやりたいと思います」。スタートは出遅れたが、どうシーズンを終えるかが重要。ここから欠かせない左腕として存在感を示していくつもりだ。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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「球数は減ってきたので、イニングを投げるに連れても、そこは良いことかなと思います」。
ロッテの河村説人は開幕から一軍の登板はないが、ここまでファームで8試合・43回を投げ、3勝3敗、防御率1.67とアピールを続けている。
4月8日の巨人二軍戦で7回を投げ無失点に抑えれば、4月24日のオイシックス戦、5月3日のヤクルト二軍戦、5月11日のDeNA二軍戦と3試合連続クオリティスタート(6回以上3自責点以内)をクリア。5月11日のDeNA二軍戦は6回を投げ69球、3被安打、無失点の省エネピッチングだった。
5月11日のDeNA二軍戦後の防御率は0.82だったが、5月18日のヤクルト二軍戦で5回4失点、5月25日の楽天二軍戦で5回3失点。18日のヤクルト二軍戦が初回に4失点、5月25日の楽天二軍戦も2回に2点を失うなど、直近2試合は序盤の失点が目立つ。
「単純に序盤に緩く入ってしまったりだとか、あまりポジティブなことではないですね。取られてしまっている状況ですね」とポツリ。
ここ最近失点する登板が続いているが、「球が良くても打たれる時もありますし、悪くても抑えられる時もあるので、成績自体は点取られていますけど、ストレートとかも良くなってきているので、右肩上がりではないですけど、球自体は良くなってきているかなと思います」と前を向いた。
◆ ストレートと変化球
今季に向けてこだわってきたストレートに関して、4月20日の取材で「去年よりは確実に良くなっているなと思います。球速も少し上がっていますし、ある程度思ったところに制球できるようになってきているかなと思います」と話していたが、現在は「良い時も悪い時もあるんですけど、質自体はちょっとずつ良くなってきていますね」と明かした。
変化球でいえば、スライダーが横曲がりだけでなく、縦気味に落ちるスライダーを投げる時もある。そこについては「腕の振り方だったり、その時の感覚で結構変化も変わるので、1種類ですけど変化の仕方が変わる時があります」と教えてくれた。
2022年以来3年ぶりの一軍マウンドを目指す河村。一軍の先発ローテーションは、ボス、小島和哉、種市篤暉、西野勇士、石川柊太、田中晴也、サモンズなどがいる。「枚数もいるので、なかなか良いときに上がれなかったりすると思うんですけど、上がったときに良いピッチングできるように準備して、その中でももう1つ、2つ成長して、自信をもって上がれるように準備していきたいと思います」。いつ呼ばれてもいいように、準備を続けていく。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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