こんばんは!
春が待ち遠しい季節になりましたね。
今日はオペラ研修所マスターコース入試の二次試験でした。
オペラアリアと歌曲に演技付きオペラアリアと計3曲一人あたりおよそ12分の審査時間でした。
ちなみに一次試験はオペラアリアと歌曲一曲づつを聴きました。
で、一次試験を通過した人達が本日の二次試験に進みました。
二次試験まであるのはやはり意味がありますね。
特に演技付きオペラアリアの演唱はその人の実力がはっきりと出ます。
一次では分からなかった力を皆さん発揮していてなかなかのものでしたよ

でも合否ははっきりしていますね。
合格できる人とできない人の実力差は歴然としていました。
ですので、不合格だった人は落ち込むでしょうけれど、謙虚に自分に不足しているテクニックや表現力を省みて更なる勉強をして欲しいなと思います。
また合格した人も「マスターコースには合格した」だけですから、さらに謙虚に勉強を重ねてくれることをお願いします。
ところで今日はこんなニュースが飛び込んできました。
「ドイツを代表する指揮者の一人で、NHK交響楽団の名誉指揮者を務めるなど、日本ともゆかりの深い、ウォルフガング・サヴァリッシュ氏が亡くなりました。
89歳でした。
ウォルフガング・サヴァリッシュ氏は、ドイツ南部ミュンヘンの出身で、ウィーン交響楽団の首席指揮者を務めるなどドイツを代表する指揮者の一人で、ピアニストとしても知られています。
ドイツのバイエルン国立歌劇場やアメリカのフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督を歴任するなど、欧米の主要なオーケストラやオペラの公演を手がけてきました。
また、NHK交響楽団で、1964年に初めて客演で指揮をして以来、ほぼ毎年タクトを振るなど日本とのゆかりが深く、NHK交響楽団では、名誉指揮者を経て1994年から「桂冠名誉指揮者」を務めてきました。
1999年には、国際交流基金が日本と海外との国際交流に顕著な貢献をした人に贈る、「国際交流基金賞」を受賞しました。
サヴァリッシュ氏が設立した基金などによりますと、サヴァリッシュ氏は22日、ドイツ南部のグラッサウにある自宅で亡くなりました。」
(NHKwebニュースより転載)
・・私は30代前半に、1990年NHKモーツァルトイヤーオペラ公演<魔笛>でサバーリッシュ氏と共演させていただいた思い出があります。
まだ駆け出しの新人歌手だった私がその頃所属していたF歌劇団から「オーディションを受けるように」と言われ、高輪のNHK交響楽団の練習場までサバーリッシュ氏に歌を聴いてもらいに行きました。
練習場には活躍中の歌手や私のような新人歌手(指名オーディションだったと思う)が何人も来ていて、どういうわけか私は最後まで残され、しっかり歌を聴いてもらうことが出来ました。
それから1.2ヶ月が経ちオーディションを受けたことすら忘れていた頃、ある偉い先生から「あなた来年のNHKオペラに出るんですってね」と言われ、「えっ?私そんなの知りません!」と返事したのが忘れられません。
キャストのほとんどはドイツ人やアメリカ人(他の国の歌手もいたかも)日本人キャストは弁者と3人のダーメのみで、私以外の歌手は二期会所属でした。
ドイツオペラということで、イタリア作品を主に上演していたF歌劇団からは大して認められず「あのー!私この間のNHKオペラのオーディション受かったんですか?」と問い合わせたら、「そうだよ」とマネジャーが返答する始末でした。こういうの多かった

でも世間的に見れば話題の公演でしたし、テレビ放映されレーザーディスク(古いね!)も発売されるような大きい公演でした。
(演出:江守徹・衣装:コシノジュンコ・オーケストラ:NHK交響楽団・NHKホールで3回、神奈川県民ホールで1回の計4回公演)
ドイツ語のディクションと連日の稽古が大変で、ことの重大さを認識することもなく任務を果たしたという感じでした。
もしかすると親にも知らせてなかったかも・・です。どうだったんだろう?忘れてしもうた
音楽稽古で初めてサバーリッシュ氏にお目にかかった時はオーラの輝きと大きさに圧倒されました。
上品で物静かな紳士という印象。
このような素晴らしい指揮者とご一緒出来ることで胸がいっぱいでした。
・・その頃はあまりに自分が未熟で世間知らずだったので、これ以上の感想は書けません・・とにかくありがたい経験でした。
サバーリッシュ氏の訃報を知り、過去の宝石箱にしまってあった思い出がよみがえりました。
ご冥福をお祈りします。ありがとうございました。