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江別市大麻・文京台 人口再び増えるマチ、地域を彩る学生たち

2023-10-30 | 北海道話題

<ディープに歩こう 江別市大麻・文京台>① 人口再び増えるマチ、地域を彩る学生たち

 地域の魅力を掘り下げる連載「ディープに歩こう」第6部は、江別市の大麻・文京台地区です。新住民が増えつつある大麻地区と、大学が3校集まる文京台地区。両地区に広がる特色を紹介します。(江別支局 石井昇)
「ディープに歩こう 江別市大麻・文京台」は11回連載し、人や店など特色あふれる地域の歴史と今を紹介します。初回は無料で全文公開しています。「ディープに歩こう」の一覧はこちら

団地や一戸建てが広がる大麻・文京台地区。斜めに延びる鉄道林に沿うように、右上に酪農学園大、手前左には北翔大、札幌学院大のキャンパスが並ぶ。右下は道立野幌森林公園(本社ヘリから、石川崇子撮影)

団地や一戸建てが広がる大麻・文京台地区。斜めに延びる鉄道林に沿うように、右上に酪農学園大、手前左には北翔大、札幌学院大のキャンパスが並ぶ。右下は道立野幌森林公園(本社ヘリから、石川崇子撮影)


 江別市大麻地区はニュータウンとして誕生して今年60年目を迎える。人口減少など時代の波に洗われてきた。しかし今、子育て世代を中心に新たな移住者が増えている。国道12号を挟んで大麻と隣り合う文京台地区は市内4大学のうち3大学が集まる。両地区で地域活動に加わる学生たちは、住民にとって頼もしい存在であり続けている。

■「夢のマチに見えた」

 道立の盲学校などで教員を長く務めた横山真(ただし)さん(90)は1966年、初めて大麻を訪れた。その時のことを今でも鮮明に思い出す。現在、JR大麻駅がある付近に将来のマチを予想した鳥瞰(ちょうかん)図があった。「美しい住宅街、病院、幼稚園、商店が整然と並び、夢のマチに見えた」という。抽選で当てた分譲地に翌年、念願のマイホームを構えた。
団地を中心に造成が進む1964年の大麻地区。農地が宅地化され、道路も作られている(本社機から撮影)

団地を中心に造成が進む1964年の大麻地区。農地が宅地化され、道路も作られている(本社機から撮影)

 大麻地区には現在、道営住宅68棟(計1354戸)、都市再生機構(UR)住宅46棟(計976戸)が立ち並ぶ。無秩序な開発を防ぐため道が主導し、64年に造成が始まった。農地が広がる敷地200ヘクタール超に団地と一戸建てが並ぶ。合わせて人口2万7000人のマチをつくる計画だった。同年中には第1陣が道営住宅に入居し大麻銀座、大麻扇町などの商店街も次第に形づくられた。
 しかし、人口は1970年代半ばの約2万6000人で頭打ちに。開発から四半世紀を過ぎた90年ごろには減少に拍車がかかった。最大の原因は住民の高齢化だった。世代の近い人たちが同時期に入居したため、地域が一斉に高齢化した。子ども世代が市外に流出した。老人施設などに移るため大麻を離れる住民も多かった。
写真手前に広がる大麻地区。写真中央に延びる林はJR函館線の鉄道林で、上方向が岩見沢方面

写真手前に広がる大麻地区。写真中央に延びる林はJR函館線の鉄道林で、上方向が岩見沢方面

■転入が全国12位

 近年、この傾向に変化が現れている。2018年の住民基本台帳を基にした江別市への0~14歳の転入超過数が全国12位を記録した。その後も毎年、20位以内に入っている。20年の国勢調査では、市全体でも大麻と文京台も人口は上昇に転じた。札幌の地価高騰で子育て世代が比較的手に入れやすい江別の住宅地を選んだとみられる。
写真中央に延びる鉄道林の左側が文京台地区。林に沿って上方向が札幌方面

写真中央に延びる鉄道林の左側が文京台地区。林に沿って上方向が札幌方面

■人口当たりの学生最多

 一方、文京台は大麻よりやや遅れて市街化した。1960年の酪農学園を皮切りに、現在の北翔、札幌学院の3大学が次々と根を下ろした。江別市によると、野幌地区の北海道情報大を含めた4大学の学生は約1万人。道内の市町村で人口当たりの学生数が最も多いという。
 学生たちは清掃や雪かきなど奉仕活動を行う。さまざまな形で地元に溶け込んでいる。最近では地域の祭りや子ども食堂の運営、マチおこしの活動に加わる例も多い。ただ、卒業後、江別から離れる学生がほとんど。どう定着を促すかが長年の課題だ。
右手前の茶色い建物は酪農学園大

右手前の茶色い建物は酪農学園大

■卒業後も江別に

 オホーツク管内遠軽町出身の深井咲良(さくら)さん(24)は2021年、酪農学園大を卒業後も江別に残ることを決めた。大麻地区の商店街で食に関するイベントの運営などに関わり、そのまま活動を続けるためだった。
 現在、大麻銀座商店街に拠点を置くNPO法人のスタッフを務める。学生の地域活動を応援する市のプロジェクト「EBETSUto(エベツト)」のコーディネーターを担う。「市内の人たちは若者のやりたいことを応援してくれる。江別に何か返せるよう頑張りたい」と話した。

 連載「ディープに歩こう 江別市大麻・文京台地区」2回目は10月31日に掲載します。マチを彩る3大学を歩き、酪農とスポーツ、経済というそれぞれの特色を紹介します。
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