定点観測2006

本日は、兄上の命日。
例年通り、埼玉までお墓参りに行ってきましたですよ。

お盆でもお彼岸でもない平日のお寺っちゅうのは、えらく閑散としているもんでして。毎年、貸切状態で一人のんびり過ごすですよ。かといって満員御礼のお寺ってのもイヤなもんですが。人がうじゃうじゃ。足のないのもうじゃうじゃ。イヤァァァ。
ZIPPOでお線香に火を点け、ついでに煙草にも火を点け、ゆっくり兄上と語ってきました。
お寺のしだれ桜が満開でしたよ。

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最寄駅からお寺まで結構距離があるので、いつも行きはタクシー、帰りは散歩がてらのんびり歩いて駅に戻ることにしておるのですが、その帰り道でのことです。
道程の半分ほど歩いた頃でしょうか。駅まではまだまだあるぞ、といった地点で突如、
厚底ブーツの靴底が崩壊しました(泣)
歩いてる真っ最中でしたので当然、コントこけしました(泣)
泣きながら足元を見てみると、べろれん、と見事なまでに底が剥がれたうえ、あっちゃこっちゃ変な亀裂まで入り、どうみても修復の見込みは絶望的なマイ・ブーツさん。
とりあえず駅まで辿り着けば靴屋のひとつもあるだろうと、片足をずーこずーこ引き摺りながら歩き始めたのですが。・・・人間って、靴が片方壊れただけで、さっぱり歩けなくなるものなのですね。必死に歩いてるつもりなのに、時速3mmほどしか進まないじゃありませんか(泣)
お店も民家も、人通りさえも全く無い寂しい道で、時速3mm。歩けど歩けど、時速3mm。ずーこ、ずーこ、ずーこ、3mm。
ぬぉぉぉ、これじゃ駅に辿り着く前に日が暮れるっちゅうですよ。どうするですかどうするですよ、わし。困ったぞ。激しく困ったぞ。潔く脱いで歩いてみるですか、服を。いや靴を。ぬむむぅ、しかしそれだと外反母趾がアスファルトを直撃することになるから、激痛で三歩も歩けないだろうなぁ、きっと。ぬぅぅん、困ったぞ。激しく困っ

・・・JAF?

JAFというのは果たして車だけでなく人間が動けなくなった時にも出動してくれるものなのかしら、ねえねえどうなのかしら、イチかバチか呼んじゃおうかしら、ねえねえ呼んじゃおうかし
などと、ずーこずーこ足を引き摺って3mm歩行しつつ脳内逃避行していたその時。

隊長ォォォッ!スポーツ用品店を発見しましたァァァッ!

藁にもすがる思いで店内に足を踏み入れてみればそこは、昭和の香り漂う昔ながらのスポーツ用品店。無人です。店員も客も人っ子ひとり居ません。棚にはグローブやらラケットやらが申し訳程度に飾られているものの、商品に積もった埃のその厚みから、主人のヤル気のなさと客の入り具合が伺えるというものです。がしかしこの緊急事態、贅沢を言ってる場合ではありません。とりあえず歩行可能な靴を、バスケットシューズでもテニスシューズでも何でもいいからとにかく靴をぅぅ。
すみませーんと奥の間に声をかけ、出てきた御主人に事情を説明し、靴は今これしか置いてないんだけどねぇと言いつつゴソゴソ出してきてくれた靴を、買いましたよ。

ベージュの運動靴を。
なぜに、ベージュ。
唯一置いてる品がよりによって、ベージュ。
白や黒などの定番カラーでなく、ベージュ。

定価8千円以上するんだけど4200円でいいよ、と出血大サービスしてくれた御主人に何度も御礼を言い、ベージュの運動靴を履いて駅に向かったわしだったのでした。
そして電車に乗って、幸手リアへ。
明日に続くです。
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