明日だけを見る・・・

少し前の話になりますが、ＮＨＫの「プロフェッショナル（仕事の流儀）」と言う番組を見ました。
出演者（ゲスト）は板東玉三郎さんで、日々の舞台への取り組み方などを取材し、またスタジオでお話をされていたものでした。

歌舞伎は興味がありますが、チケットが私にとっては高額で、実際に観たのは２回だけです。
その数少ない観劇の１回に玉三郎さんが出てらっしゃいました。
とにかく「美しい」それが私の玉三郎さんに対するその時の感想でした。
ですが私が観劇したのはもうだいぶ前のこと、５０代の玉三郎さんはどうなっているのでしょうそんな興味もあり思わず番組を見たのです。

う～ん、やっぱり美しい
ご本人もおっしゃってましたが、造形的には美しさは衰えていても、日々向上したいと言う思いで舞台を勤めれば、それはそれで伝わるものがあるのではないかと・・・
本当にその通りで、年を重ねた、若いだけとは違う人間としての美しさがあったように思います。

トークの中で「遠くを見ない、明日だけを見る」と言う言葉があり、心に残りました。
遠くを見てずっと頑張って失敗するとがっかりするけど、明日のために今できることをし明日を無事に過ごす、その積み重ねで５０年が過ぎた、と言うようなことをおっしゃってました。
玉三郎さんは舞台の後はどこにも寄らず打ち上げ等にも参加せず、まっすぐ自宅に戻り、トレーナーの方に身体をほぐしてもらって明日に備えてらっしゃいます。
声のために友人への電話も控えるとか・・・
まさにプロフェッショナルです。

私が明日のために今日を目一杯頑張っているかといわれれば「ＮＯ」で恥ずかしい限りですが、今日無事に過ごせれば・・・そしてその積み重ねで癌と共存し少しでも長く生き、気が付くと１年が過ぎ、２年が過ぎ・・・と、そんな風に時が過ぎればいいなあと、そんなことを思ったひとときでした。