鍼灸庵の独り言

西宮市で小さな鍼灸院を営むおじさんのつぶやきです。

またおもしろいこと

2011-05-31 21:47:15 | 日記
 学校の帰りに、以前の職場で部下だった女の人にばったり出会った。一生懸命仕事をする人で、大変な仕事を一緒に乗り切ってきた仲間なのだが、時々開いた口がふさがらないような大ボケをかましてくれた。ほんとに久しぶりだったのでお茶を飲みに行き、当時の懐かしい大ボケ話で盛り上がった。

 彼女は阪急で帰るということなので喫茶店の前で別れた。それから文房具店によって阪神の駅に着くと、ちょうど特急がホームに入っていたので走って乗り込んだのだが、ラッキーなことに席がひとつだけ空いている。隣の女性にちょっと会釈して座ろうとした時に気がついたのだが、どう見てもさっき阪急で帰ると言って別れた彼女なのだ。しばらく様子を見たのだが、やはり間違いない。

 思わず「何してんの」と声をかけたのが、彼女全く動じずに「あら、課長も阪急ですか。」とにっこり笑いながらのたまう。おいおいこれは阪神電車、阪急電車とは違うでしょ・・
どうやら本人は阪神電車のつもりで阪急電車と言っていたらしいが、相変わらずのボケぶりに二人で大笑い。それにしても、たまたま特急に間にあって、しかもたまたま彼女の隣の席が空いていたという偶然もすごい。

 このところ何となく悲しくなるようなことが幾つかあって気分も沈みがちだったが、まさに神が与えてくれたオアシスのようなおもしろいできごとだった。
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心に届く言葉

2011-05-22 19:29:05 | 日記
 夕方テレビをつけると、たまたま女子プロゴルフのブリジストンレディスオープンの中継をしていた。ちょうど、優勝した野村敏京選手が笑顔でウイニングパットを打つところだった。ウイニングパットを打つ時はかなり緊張するものだと思っていたので、ちょっと驚いた。

 この選手は何と18歳、しかも日本でのツアー初参戦で初優勝ということだが、アメリカで育ったのだろうか、日本語がたどたどしい。優勝選手インタビューでも、考えながら一生懸命喋っているのだが、少しとんちんかんな部分もあって微笑ましい。ところが、インタビューの最後にギャラリーに向けて「私は日本語が上手ではないですが、心は感謝です。」とゆっくり話した言葉を聞いて心を打たれた。
 
 なぜだろう。彼女は日本語が得意ではない。おそらく、本当に伝えたい気持ちを、心の中で一生懸命日本語に訳したのだろう。そして、自分が話せる日本語の範囲で気持を伝えようと懸命に考えたのだろう。その結果として、たくさんの言葉を費やすることなく、聞く者の心に届いたのではないだろうか。

 美辞麗句を並べ、計算して喋ったとしても聞く者の心に響かないことも多い。むしろ、白々しく聞こえることさえある。大切なことは、言葉の使い方や喋り方ではないのだ。短くても、たどたどしくても、心からの気持ちを懸命に伝えることが何よりも大切なのだと考えさせられた。

 
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捨ててきたもの

2011-05-12 18:31:02 | 日記
 鍼灸師になとうと思ったきっかけ・・ひとつは、家族や身の回りの人が腰痛や肩こりや膝痛で困っているのを見ながら、何もできない自分がもどかしかったと。もうひとつは、自分自身の判断や才覚・技術で直接的に誰かに喜んでもらえる仕事がしたいと思ったから。簡単にまとめてしまうとこのふたつが大きい。
 でも、定年までまだ6年を残し、結構な年収とそこそこの地位を捨てることに抵抗もあった。このまま勤めていれば、少なくとも経済的には恵まれた生活が保障されている。それを捨てて転身するだけの価値があるのか? 50歳半ば過ぎの人間が勉強や技術の習得についていけるのか? 必ず3年間は専門の教育機関に通わなければならないが、その間の生活費はどうするのか?など、悩む問題は幾つもあった。何よりも、家族が理解してくれるかどうか、大きな不安もあった。
 おそらく、転身のきっかけが前の仕事が嫌になったとか、何となく別の仕事がしたいというような、現状から逃げるためのものであれば決断していなかったと思う。鍼灸師になろうという積極的な意志がなければ、家族を説得することも初めからあきらめていたと思う。自分の残りの人生を、鍼灸師という仕事に賭けようという強い気持ちがなければ、踏み出すことはできなかったと思う。泣くような気持ちで家族に話をし、幸いなことに家族も私の気持ちを理解してくれたので、思い切って一歩を踏み出せた。
 それでも、3年間の学生生活を送る間の生活費は気になる。仕事を続けながら、夜間に学校に通うこともぐずぐず考えていたが、女房の「それだけ大きなものを捨てて鍼灸師になろうとしてるのに、中途半端な事するんやったら何にもならへん。どうせやるんやったら仕事やらアルバイトやら考えんと、3年間打ちこんだら。」という一言で踏ん切りがついた。
 そして、学校に通うようになってからは後顧の憂いなく、生活の殆ど全てを鍼灸師になるための勉強と、技術の習得に注ぎ込む勢いで毎日を過ごしている。まだまだ半人前にも到達しないようなレベルであるし、気持ちさえあれば患者さんを治療できるなどという甘いものではないことも理解している。しかし、それであればこそ、言い訳など何の足しにもならないのだ。現実に生活している以上、やはり様々な事情は生じる。期末試験の前に、家族が長く入院したこともあった。自分自身の体の問題もあった。しかし、そのことを言い訳にしても自分自身は全く成長しない。自分自身が決断してこの世界に踏み込んだのだ。そこに夢と希望を持つからこそ、捨ててきたものに大きな意味があるのだ。
 学校に通う仲間は、みんな鍼灸師になりたくて学校に入ったはず。そして、そのために貴重な時間と費用を注ぎ込んでいるはず。あとわずか10ヶ月、中途半端ではなくひたむきに打ち込んでいこう。自分の思いを、ただの夢や希望で終らせないためにも
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嬉しいなあ・・・

2011-05-06 21:06:58 | 日記
 今日は放課後居残り勉強。いつもクラスで一番若い女の子がつきあってくれる。ほんとに気持ちの優しい子で、自分の両親より年上の口うるさいおじさんを嫌がりもせず、1年生の時からずっと一緒に勉強してくれている。高校を卒業してそのままうちの学校に来ている子なので、私のような年代の人間と接触した経験など殆どないと思うのだが、何の異和感もなく素直に接してくれる優しさにはいつも感謝している。おかげで勉強にも張り合いがあって、結構がんばれたりする。嬉しいなあ
 そう言えば、学校に入る時には話も全然合わないような若い連中とつきあうのはしんどい・・とか思っていたけれど、うちのクラスの若い連中は心が優しくて、何の異和感もなく普通につきあってくれる。自分でも口うるさい、煙たがられても仕方がないタイプのおやじやと思うのに、それでも仲間に入れてくれるのは若い連中の優しさのおかげやと思う。本当に嬉しい。
 お世辞でも何でもなく、こういう連中に支えられて毎日がんばれている。もう一度・・・ほんとに嬉しい 
 
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