日和山めぐり ~郷土「室積」を見つめる~

第63番 吉祥寺

密教山 胎蔵院 吉祥寺

身の中の悪しきひほうを打ちすてて 
みな吉祥をのぞみいのれよ

四国霊場の中で、本尊を毘沙聞天とする札所は吉祥寺だけで、その縁起をたどる。
弘法大師がこの地方を巡教したのは弘仁年間とされ、その折に大師は1本の光を放つ檜を見つけ、一帯に霊気が満ちているのを感得した。大師は、この霊木で本尊とする毘沙聞天像を彫造、さらに脇侍として吉祥天像と善膩師童子像を彫って安置し、貧苦からの救済を祈願して堂宇を建立したのが開創と伝えられている。

吉祥寺の見どころ

・毘沙門天(四天王のうちの北方を司る「多聞天」で現世利益の仏様として信仰されている。)


・成就石

手水鉢の右横にある高さ1mほどの石で、中央下に径30〜40cmの穴があり、金剛杖を通せば願いが叶えられるという。


・くぐり吉祥天女(くぐると貧苦を取り除き富貴財宝を授かるという。)

お迎え大師の右横にあるのは本尊毘沙門天の妃であり脇侍である吉祥天女の像。当寺の名前の由来である。あらゆる貧困を取り除き大富貴をもたらす天部の仏様として篤い信仰を集めている。この像の下をくぐるとご利益があると伝えられており「くぐり天女」(きちじょうてんにょ)の名で多くの人に親しまれている。優雅な立ち姿が印象的。

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