無教会全国集会準備委員会
議長 坂 内 宗 男
皆さんこんにちは。この会場は2003年に一度開催しておりますので今回は2回目に当ります。また、あの3月11日の東北・太平洋側を中心とする未曾有の大震災・津波、そして福島原発事故による放射能被害が日本列島を襲い、今も大変な事態の中で開催すら心配の種であった訳ですから、変わらずに170名近い皆様がご参集くださいましたことについては、特別な感謝の思いに満たされています。
この全国集会は今年で25回目を数えますが、1987年11月「信仰による一致」の主題で開催されたのが初回でして、開催の発端は、同年1月15日第2回キリスト教シンポジウムで、堤道雄氏が「全国無教会大会」を提唱されたことに基づくものです。その背景には、無教会2代目伝道者が次第に天に召されていく中で、無教会というエクレシアがもっと横断的に交わり、祈りと研鑽を共にするという意味合いを持っており、即ち「聖書の学びと分かち合い」と「地の塩的生き方-現実をしっかり見据える学び」という二側面を持ち、それ等がかみ合う一体性が特徴であって、一方に偏した全国的聖書集会やキリスト信仰に基づく社会的活動団体いずれでもないということをあえて申上げたく思います。即ち無教会の存在意義を確かめ、地の塩的役割を検証する場の一つといってもよいでありましょう。また参加はあくまでも個人の自主性(集会単位でなく)に基づくもので、無教会にふさわしく、セクトや教派、またその人の信仰など一切問うことはなく、開催主旨に賛同し、キリストに在って一つにてご参集くださればそれでよいのであります。
さて、私共準備委員会は昨年11月から準備を重ね、ほぼ固まった段階であの3・11の事態が生じたため、1945年の敗戦時に匹敵するわが国最大の危機及び再生の重大事と受け止め、「希望の根拠」という主題はより重みを持つと認識するともに、急遽練り直しを行い、原発事故に伴う放射科学ご専門の方による特別講演と質疑の場を設け、明日の午後の証しでは、災害地に献身したボランティアと被災地の方々にもお話いただくことにした次第であります。
プログラムは、主題「希望の根拠」の下に今日の主題講演と明日の聖日礼拝という二つの聖書の学びを核として、6人の発題者(そこには内村鑑三生誕150周年記念シンポジウム発題者も含まれる)を囲んでの六分科会での交わりと研鑽の場として組まれております。更にその場を深めるため、インタ-ネットによる話し合い「分科会継続ブログ」も立ち上げておりますので、引続き大いにご活用願いればと思います。
最後に緊急のお詫びとお知らせをしなければなりません。今日の夜の「音楽の集い」ですが、大島富士子さんが10月31日緊急入院されましたので中止せざるを得なくなりました。それで、応急の対応として、坂内義子氏に『「チェルノブイリ原発事故災害地を訪ねて」~その現状と課題~ 現地の映像と共に』の題でお話していただくことにしたことをお詫びとともにご了承願います。氏はNCC(日本キリスト教協議会)の元チェルノブイリ災害問題プロジェクト委員会のメンバ-として支援活動に係り、三度現地も訪ねておりますので、それ等をも含めた報告となりましょう。
今年もまた新しい方がお出でになっておりますので、特にお声をかけてくださり、またお体のお弱い方へのいたわりなどにもご配慮くだされ、実のある二日間でありますよう願ってやみません。