犬も二度寝すると起きられない。いつまでもベッドでグズグズしている。そんなに朝眠いなら夜中に起きて吠えなければいいのに。真夜中犬に吠えられると真に怖い。雨戸シャッターの下から雪明かりの庭を覗くと、何かいる。熊か猪ならいいが、ゲーム・オブ・スローンズのホワイト・ウォーカーだったら！
ホワイト・ウォーカーはゾンビではない。身体は氷でできてて、黒曜石のナイフを刺すとばらばらに砕ける。我家には黒曜石の小物入れか、アラスカン・インディアンのナイフしか無い。
昨日は住民税と国民健康保険料をコンビニで払った帰り、富士ゴルフ場の近くの谷間(と私が呼ぶ、山道が上り下りしてる所)で子狸の兄弟に会った。逃げる姿をビデオに撮ってからジリジリ進むと、谷間のホビット(と私が呼ぶ、いつ見ても庭の手入れをしている)老夫婦がスズキジムニーミニで来た。私がバックしてジムニーミニを通してるうちに、パニクった子狸達は兄弟それぞれ反対方向へ駆け出してしまった。兄狸がジムニーミニの後ろへ、弟狸は私のスズキKei の後ろへ。ホビット夫婦は窓を開け、可愛いね子狸、と手を振って去った。私はしばし考えた。ここに車を止め、弟狸を追っかけて捕まえ、トランクに入れ、次に兄狸を車で探して見つけたら、そこに弟狸を放してやる、という計画を素早く練り、可能性を考えてみたが、野生の狸は野生のリス以上に危険な病気を持つと聞くので、毛糸の手袋では無理、スキー手袋を取りに帰ってる間にニ匹とも居なくなる、という結論に達した。スマヌ子狸、と詫びて幸運を祈る。家に帰ってビデオを見たら何も映ってなくて真っ黒であった！ 二匹の走る姿を画面で見ながら録画したのに！狸恐るべし。
