両親はショックを受けている。弦子の父親は、この思考の種を枯れさせず、開花させるために、何ができるか、何をしてはいけないか案じている。弦子の母親は、弦子の抱えてきた大問題に比べ、己の卑小な問題を恥じている。そういえば去年のハロウィンに、弦子は「ギリシャ哲人になりたい」と言った、などと思い出している。結局、ギリシャ哲人にはならず、三銃士の一人になったのだが。弦子が黒髪をゆるやかに結い上げ、ギリシャ風のコスチュームをなだらかに着て、囀る庭を思索にふけりながら歩く姿を想像したりしている。
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