プチ早期退職者の資産運用+αブログ

個別銘柄:セイコーエプソン

 本日、資金回収のため、保有する300株の内の100株を1,980円で売却した。私のこれまでの売買、注目したきっかけ、直近の決算についてまとめておく。


セイコーエプソンの値動きと売買

 まず、2017年1月から本日までの週足チヤートに売買記録を吹き出しで追記したものを載せておく。




 セイコーエプソン(以下、エプソンと略)は、インクジェットプリンターでよく知られた企業だと思う。SPEEDを起用した昔のCMが印象に残っている。私も使っていたことがあるが、今はインクが詰まってしまい、スキャナーとしてだけ使っている。

 パソコンもまずまずで、私は超小型のネットトップと呼ばれたタイプを2つの世代( Endeavor NP11NP25S)、サブPCとして自宅で使っていたこともある。NP11は2009年に発売された初代機(WindowsXP)で、出張帰りに秋葉原のショールームに寄って実機確認し、その小ささとコストパフォーマンスに感動してその場で買ったほどだ。NP25Sは2011年に発売されたWindows7機だが、メモリを4GBに交換してSSDに換装した上で、Windows10にしても動作した。

 ちょっと余談が長くなったが、ペーパーレスで市場が縮小傾向のプリンターや競合が激しくて儲かりそうにないパソコンに期待したわけではなく、ロボティクス事業の成長に期待して買った。


ロボティクス事業の成長期待

 エプソンのロボティクス事業に期待したきっかけは、もう捨てしまったがZAiの2017年6月号の記事(4月発売)だったと思う。ネットで検索してみるとZAiのページにあった。「アーム部分を6つの関節で構成して省スペース・軽量化を実現した6軸ロボットを軸に、ロボット事業を2020年までに売上高1000億円の規模に拡大する計画」というところが注目ポイントだった。




 記事が出た当時は割と高値圏だったので、すぐには買う気もなく、ウォッチリストに入れただけだった。その後は一段高となって3,000円近くに到達したが、2018年に入って急落し、2,000円割れの水準で底値固めをしているように見えた。それで2018年7月に1,960円で最初の買を入れた。

 しかし、その後は相場全般の下げにつられて年末にかけて下離れしていった。それで、いつものごとく手元資金や他銘柄の下げも勘案しながらの難平買いとなり、2018年12月に1,630円で買い増した。


コロナショックとその影響

 2019年はあまり動かなかったが、2020年3月のコロナショックには抗しようもなく、1,000円割れまで急落した。資金があれば買い増しするところだったが、他の銘柄の購入に忙しく、エプソンにまでは手が回らなかった。

 コロナ禍に伴う在宅勤務の増加によってプリンターに対する需要が増え始めた。在宅勤務の増加、定常化は追い風となって吹き続けた。私も会社員時代、リモートでの仕事をよくしたが、資料の見やすさ、複数の資料の扱いやすさは、やはりディスプレイよりもプリントアウトした方が勝っている。

 9月末、TOB対象になったNTTドコモの一部を市場で売却して資金ができた。それで、2020年10月に1,200円で買い増した。その結果、累計300株、平均買いコスト1,599円/株となった。


2020年度の決算と分析

 エプソンは4月30日に2020年度の通期決算を発表した。プリンター需要が想像以上に拡大して業績が上振れした。

 2020年度通期決算説明会資料からセグメント別実績のページを抜粋すると下記の通りで、縮小傾向のプリンティングが持ち直している。また、プリンティングは売上の7割を占め、利益の大半を稼ぎ出していことも分かる。一方、ロボティクス事業を含むウエアラブル・産業プロダクトはまだまだだ。


 出所:2020年度(2021年3月期)通期 決算説明会資料 https://www.epson.jp/IR/financial_results/2020/2020_1y_presentation_jpn.pdf?202104281516


 さらに、ウエアラブル・産業プロダクトの内訳をチェックしてみると、ロボティクスは2020年度売上実績で284億円、2019年度から+34%ほど伸びている。先のZAiの記事の1,000億円の規模というのが同じ部分を指しているのかは定かではないが、当時の計画には全然届いてないように見える。ロボティクス事業の成長という観点では期待外れだったとも言える。


 出所:2020年度(2021年3月期)通期 決算説明会資料 (URLは同上)


 エプソンは、2021年度の業績予想も同時に発表していて増収増益が見込まれている。売上で+7.4%、税引前利益で+22.4%の会社予想だが、アナリスト等のコンセンサスではさらにいいようだ。技術は色々もっているし、配当利回りも3%超で悪くない。ただ、当初購入時に期待していたロボティクス事業はそれほどでもないようなので、今回一部売却して資金回収することを優先した


 本日1,980円で売却したので、手数料を引くと平均買いコストからは3.8万円弱の利益だが、個別管理上は2018年7月に1,960円で買った分なので、ほぼ利益なしだ。特定口座として引かれる税金を考えればマイナスになったような感じもするが、それは仕方ない。残り200株は長期保有のつもりだ。2017年の高値2,976円に近付くようなことがあれば、また売りたくなると思うけど。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「株式投資」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事