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会社四季報 ー 株式投資の基本情報

会社四季報または日経会社情報

 ファンダメンタルズは一切見ないという人を除いて、株式投資をする人は四季報ぐらいは基本情報として見ているだろう。私も昔はよく買っていた。日経会社情報でもいいが、発行元が新聞社であるゆえ、四季報より独自見通しが少なく、会社発表に忠実だと言われている。読者数では四季報の方が多いだろう。これらの違いも考慮して、最初の頃は会社情報を買っていたが、途中から四季報に変更した。

 最近では、四季報の情報は、証券会社に口座をもっていれば、各社のサイトで見ることができる。製本版だと一冊にまとまっていて調べやすいし、パラパラ見たりしやすいため、今でも買っている人はいるだろう。私は普通のは買うのを止めたが、『別冊 会社四季報 プロ500銘柄』というのをたまに買う。一番最近買ったのは以下だ(表紙の一部を切抜)。




 3月決算の会社が多く、その決算情報が反映されている夏号は買う。望テーマと関連株が書いてあるし、銘柄は限定されるが四季報より詳しく情報が載っているので銘柄選びの参考にしやすい。また、全上場銘柄の理論株価もあって、割安/割高の参考にもなる。掲載されている500銘柄株主優待の情報もある。これだけの情報で1,300円は価値があると思っている。


保有銘柄の四季報情報は必ずチェック

 四季報発売日には、証券会社のサイトでも四季報最新号の情報が見られるようになる。保有している全銘柄と買おうかと考えている銘柄の計100銘柄ほどの情報はチェックする。そして、一部の情報はエクセルで作った独自の銘柄管理用の表に転記していく。結構手間がかかるが、その際に業績予想値の変化とかも分かる。

 例えば、四季報の昨年秋号が出た際、チェックした範囲の中で業績見込みの悪化が一番大きかったのは日本製鉄だった。1株益でみると20.3期、21.3期予想とも夏号の半分以下だった。経常利益でみると少しはましだったが、株価が2018年初から半値(当時)になるのも当然だと思ったし、株価の先見性も再認識した。

 昨年冬号になると、鉄鋼株の見通しがさらに落ち込んでいた。台風被害もあったようだが、日本製鉄の1株益は20.3期は秋号の半分以下、21.3期は2/3JFEに至っては20.3期は秋号の1/3近く、21.3期は半分以下まで落ちた。配当見込みも両社とも秋号の半分程度になった。株価には織り込み済みのようで、その情報の影響はほとんどなかったが。

 また、冬号では、石油株が在庫評価損で1株利益がだいぶ落ち込んでいた。JXTGは20.3期は秋号の半分近く、21.3期も半分近く、出光興産は20.3期は6割程度、21.3期は半分以下まで落ちていた。元々配当性向もそれほど高くないし、評価損なので配当には影響なしのようだった。株価には織り込み済みで既に低迷していた。

 四季報の業績予想そのものは、あまり当てにならないこともある。上記のように、3か月毎に半分になっていくような時もある。特に、市況産業は景気が悪化し始めると予想以上に業績が悪化していくので、このようなことが起きる。そういうことも踏まえた上で業績予想等を見る必要があるので、ちゃんと分かって見ることができるようになるには多少の経験は必要だと思う。


四季報情報をさらに加工・分析

 1株益、BPS、ROEといった指標は四季報に載っているが、株価によって変わるPBRPERは載っていない(Yahooファイナンスのサイトとかでは見られる)。また、一歩踏み込んだ指標で、成長株の評価に使うPEGレシオ(PER/増益率)や、儲ける力を測る営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー/収入)も載っていないので、自分で計算する必要がある。

 さらに、1株当たりのフリーキャッシュフロー(減価償却費-設備投資+営業キャッシュフロー)や1株当たりのネットキャッシュ(現金同等物-有利子負債)も見たいが計算しないと分からない。そのため、前述のように四季報情報の一部を銘柄管理用の表に転記することによって、これらのほしい指標を自動で計算させている。

 こうして多面的な指標を一覧できるように可視化した上で、業種の特性も考慮して割安か等を判断している。
 ここまでやっても割安かの判断は難しいし、割安だと思った銘柄が上がるとも限らないが、長期では割とうまくいっているとは思う(2019年末の資産運用状況)。


株主もチェック

 系列とかであれば親会社が大株主にいるし、オーナー企業であればオーナーの同族や資産管理会社が株主にいる。そうでない場合は、信託銀行が多く実際の株主が分からないものも多い。どこかの投資会社に狙われたりすると、その関係会社がいたりする。株価の動きに影響することもあるので、知っておくべき情報の一つである。

 最近では親子上場廃止もテーマの一つで、子会社が高めの株価でTOBされることもある。しかし、今は該当しそうな銘柄は既に買われて高くなっているものが多い。

 世界最大の政府系ファンドとして、ノルウェー政府年金基金は有名だ。大株主にノルウェー政府があると、優良な銘柄と認定されたような気になってちょっと安心する。案外にマイナな銘柄もある。ノルウェー政府の保有銘柄を調べて投資する手もあるが、購入時期は不明だし、売却される可能性もあるので、そこまでやる気にはなれない。


 株式投資をするなら、経済関係のニュースのチェックとともに、基本情報の収集は必須だと思うので、手間もかかるが3か月ごとの四季報情報のチェックは続けるつもりだ。


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