<望郷> 2
3
いつの日か 光はくるらん 暗き世
星霜を重ね重ねて
血みどろに戦ひて来し日々
白雲は 湧きつ 消えつ
高まりつ くづれつ
うれたしや
光る夏空
むなしや
夜もすがら灯らぬ街
星霜(せいそう)=としつき・年月・歳月
うれたし(慨し)=憎らしい・いまいましい・嘆かわしい
夜もすがら=終夜(よもすがら)一晩中・夜どおし・よすがら
4
まこと ふるさとは いかがなりしや
風の声 星のささやき
土くれのほのかな匂ひ
まどろみて
うつろなる夢
小鳥なく藪蔭 水音のして
たまゆらの
虹の浮橋
いかがなりしや=どうなるのだろう
たまゆら(玉響)=少しの間・ほんのしばらく
-明日へ続く-
※戦争の傷跡か 明かりは乏しく
空の星が 光っている
故郷の行く末を考えているのであろうか
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