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アインシュタインの誤りを、10万人のゲームプレイヤーたちが証明

2018-05-22 01:18:38 | 日記

Image: shuriken_son/Shutterstock© ギズモード・ジャパン 提供 Image: shuriken_son/Shutterstock

10万人のゲーマー VS アルバート・アインシュタイン

数学というツールを使いながら、宇宙の謎について解明してきた物理学。多かれ少なかれ未解明な分野もあるなかで、かのアインシュタインをも混乱させた現象として知られるのが「量子もつれ」です。彼は当時、量子もつれのことを「気味の悪い遠隔作用」と表現していました。

この現象がどんなものなのか、身近なモノを使ってたとえてみるとこんな感じなります。

たとえば、ここにリンゴ1個とオレンジ1個があるとします。これらをまったくのランダムで別々のカバンに入れて、別々の場所にある学校に向かう2人の子どもに持たせたとしましょう。そのあと学校についたどちらかの子どもが鞄を開けてどちらのフルーツが入っていたか分かれば、即座にもうひとりの子どもが持っているフルーツが何か分かりますよね。

この時もちろん、鞄を開けてオレンジを見た瞬間にもう一方の鞄に入っているフルーツが突如としてリンゴになるわけじゃありません。ところがです。 もしオレンジとリンゴが量子的なフルーツで、このオレンジとリンゴが量子的にもつれていたら、鞄を開けるまではどちらの鞄の中にも同時に両方のフルーツが入っている状態になり……鞄のひとつを開けた瞬間、その鞄の中身はリンゴかオレンジのどちらかに。そしてもう一方の鞄にはもう一方のフルーツが必ず入っているのです。もう…謎です。

アインシュタインはこの現象について「光よりも速く情報が伝達されるはずはない」という考えのもと、超光速運動なしに量子もつれを説明するために、「おそらく隠れた変数が存在している」のではないかと予想していました。

つまりアインシュタインは、鞄に入る前のリンゴとオレンジを事前によ〜く調べておけば、どちらの鞄にどちらのフルーツが現れるか予測できるはずだと考えていたわけです。ところが、実際はそのような隠れた変数は存在しませんでした。リンゴとオレンジをいくら事前に調べておいてもどちらの鞄にどちらのフルーツが現れるかは全く予測できず、開けた時そこにあるフルーツはまったくのランダムだったのです。

量子もつれが科学者のあいだで知られていたのは1935年に量子物理学が発見された頃からで、以来、ジョン・スチュワート・ベルによって多くの実験が行なわれてきました。その度に隠れた変数がないことは確認されてきたのですが、その実験に使われている「ランダムな測定」がいかにランダムであるか証明するのはほぼ不可能で、証明しきれないというジレンマがありました。

それを解決すべく新たな実験で注目されたのが、人間の自由意志。

そして、スペインにあるInstitut de Ciències FotòniquesのMorgan Mitchell氏らが、最新の実験「BIG Bell Test」によってとうとうアインシュタインの誤りを証明することに成功しました。

2016年11月30日に行なわれたこの実験の被験者は、大規模なPRによって世界中から参加した約10万人のゲームプレイヤーたちです。これほどの人数がプレイしたゲームとはいったい何だったのかというと、なんとボタン連打ゲーム

「 BIG Bell Test」では、時間内に「0」「1」をボタン連打してポイントを獲得しながら前進するというゲームがあります。ミッションをクリアすると、連打によって稼いだポイントに加えて、どれだけランダムにボタン連打できたかというスコアが表示されます。さらに「Oracle」という敵との戦いでは「0」か「1」の数字を適当に選び、その結果がボスの予測と外れていれば勝ち...といったゲームも。いわばジャンケンやあっち向いてホイと同じような要素(つまり勝つも負けるも運次第)ですね。

ゲームプレイヤーの行動結果は、5大陸12の研究所にある測定装置に乱数として送信され、測定装置をランダムに設定するために使われました。この実験によって、測定結果を支配するような隠れた変数はないことがさらなる確度をもって証明されたのです。

量子もつれは量子通信において重要で、 暗号化メッセージの送信や量子計算の利用に注目されています。なので、科学者らはこれからも量子もつれの限界を試し続けると思われます。

ちなみに 「BIG Bell Test」のビデオゲームがどんなものか試してみたいという人は、こちら(英語)からできますよ。

Image: Shutterstock

Source: Nature

Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文]

(Rina Fukazu)

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