箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

元旦は箕面・滝道へ

2020-08-26 | *編集・冬/1月

元旦は箕面・滝道へ・・・! 

 今年も 箕面の森の散策始め に 滝道を歩きました。

家から歩いて箕面駅へ向かいます。

来る途中には寒桜が満開でした・・・でも、冬の桜は少し寂しいですね。

 

駅前から滝道に入ります・・・

明治の趣のある橋本亭を過ぎると、横を箕面川の渓流が気持ち良く

ながれ、樹齢の長い樹木の森の中を歩くのは実に気持ちのいいものです。

途中、西江寺瀧安寺があり初詣の人で賑わっています。

 

以外に人が多いからビックリやわ! ・・・ と、後ろのおばさん達が話して

います。

山岳マラソンスタイルの若者が走っていきました。

マウンテンサイクルに乗った父子が通り過ぎます。

目の前には二人とも綺麗に和装した若いカップルが手をつないで歩いて

います。

 

前から白いお揃いの帽子をがぶった双子の赤ちゃんが、二人用のベビー

カーに乗って若いご両親に押されてやってきました・・・

なんと可愛いんでしょうか! 

ワンちゃんを連れた方も多いです。

一人歩きの外人さんも多く見受けました。

年配のご夫婦が手を組みながら、ゆっくりとお互いを支えあいながら歩か

れている姿は温かいものです。

私のように一人歩きの年配の男女も多くおられます・・・

 

 

昆虫館の手前の川をみんなが覗いています・・・ 何かな? 

やっぱり!  川の中でアオサギが狩りをしていました。

見るとカワムツの魚がいっぱい泳いでいますが、サギはじ~としておれない

のか長い足を動かしています。

そんな動いたらサカナ逃げるがな・・・ と、お父さんの声。

うろうろしていて確かにまだ新米のトリのようです (笑)。

やがてギャラリーにいろいろ言われるのでうるさくなったのか・・・?

アオサギはその大きな優雅な羽根を広げて、川面の上流へと飛んでいき

ました。

 

 

瀧安寺にお参りしました。

箕面の森に畏敬の念を持って感謝し、今年も心豊かに散策できることを

願いました。

境内では山伏の方々が護摩を焚いて祈祷されていました。

 

このお寺は日本の富くじ(宝くじ)発祥の地とか・・・

今日も沢山の善男善女がお参りした帰りに、この昔ながらの気札を突いて

する富くじを楽しんでおられましたよ。

先年、大阪商業大学の商業史博物館で日本の富くじの催しがあり、

見に行った事がありました。

それによると、日本最古の富くじは天正年(1575年)箕面寺(今の瀧安寺)

から始まったと言う資料がありました。

( ちなみにその4年後の天正年には織田信長箕面の滝を見物した・・・

と、信長記にあるそですね・・・ 余談です! )

昔の人々の知恵の歴史には感嘆します。

 

森の喫茶店、山本コーヒー店の今日は賑やかです。

そしてここからの上への道へ入ると、急に人並みが途絶えてきました。

上るにつれて箕面川の渓流が下のほうになり、その景観もまた素晴らしい

ものです。

山茶花の花?  サザンカの赤い花・白い花がきれいに咲いています。

ヤブツバキの赤い花も山裾に所々に咲き始めています。

寒い冬空にホッとする暖かさを感じます。

 

箕面川渓流の淀みの中に何かいます・・・?

よく見ると大きな見事な 錦鯉 ではありませんか・・・

それも赤白の紅白柄で二尾が並んでじ~としています。

何とも お正月らしくおめでたいこと・・・  きれいだ・・・!

遠くからでもその色のコントラストがよく目立ちます。

寒々とした冬木立の川面に、が咲いたようでした。

 

私はしかし、歩きながら違和感を覚えていました。

箕面川に・・・ 鯉?

コイが元々いるはずはありません・・・ どなたかが放流されたのでしょうか?

瀧安寺の赤い橋の下あたりにも、見事な黄金色した錦鯉などを見かけます。

金魚類を見たこともあります。

 

しかし、いま問題になっている琵琶湖のブラックバスやブルーギルなどの

放流による被害のように、生態系の乱れから固有種の絶滅のように

ならねばいいが・・・ 

と、心配してしまいました。

先程のアオサギがコイをくわえるなんて考えられませんからね・・・ (苦笑)

 

今年初めて見る箕面大滝は、その流れ落ちる上方に丁度明るい太陽

あたっていて、何とも言えない神々しさを感じました。

前から滝の側面をみると、回りの小枝に沢山のツララが下がっていました。

しばらくすると、やがて小雪がちらついてきました・・・滝風が冷たい・・・!

 

私は初めての事ですが急に思い立ち、滝前の屋台風の店に入り、温かい

おでんと熱燗を頼みました。

店内は私一人で、店主はストーブを付けながら・・・

    *  暇ですわ! 寒いもんね・・・まあゆっくりしていって下さい・・・と。

 

私は一人でノンビリ,ゆっくり、ボンヤリと滝の流れを見ながら堪能しました。

日頃、お酒を嗜まない私は、ワンカップ酒ですっかりといい気分です (笑)

フワフワとした足ドリで帰路は山裾の土の道を歩きます。

 

昨年の大雨の時、落石の為に通行止めになっていた風呂ケ谷~落合谷の

間が開通したようなのでここを歩きます。

やはり土の山道は足に優しいですね。

するとしばらくして前から年配のご夫婦が・・・こんにちわ・・・こんにちわ! 

そして今度はお孫さんを連れたおじいさん・・・

子供の方が先に こんにちわ! ・・・と元気な声、おじいさんも 

寒いでんな・・・ と、挨拶される・・・!

 

滝道ではあれだけ沢山の人と出会いながら一人として挨拶などしないのに・・・

山道に入ると誰もが自然と素直に挨拶をする・・・

この人と人との温かい心遣いができるのは、森の精の仲立ちがある事を

私は感じています。

 

希薄な ぎすぎすとした現代社会の人間関係が滝道のサマであると

仮定すれば・・・

の中の狭い、でこぼこの歩きにくい山道は、人の心が通いあう、

労わりの温かい関係を想起させてくれます・・・

が好きになった私の実感ですが・・・。

 

帰路、西江寺で参拝後、おみくじを引きました・・・ でした。

「 おいおいよきことが重なる・・・ ゆるゆると励むべし 」・・・ 云々

 

スローライフが課題の私には、このゆるゆると・・・ が、とても良さそうです 

(笑)

 

 

*  「箕面の森」 では・・・

    今年、どんな 「小さなできごと・・・」 があるのでしょうか・・・?

 

    今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 *  満開の 少し寂しき 寒桜

*  山茶花(さざんか)は 赤白乱れ 箕面川

*  寒椿(かんつばき) 木漏れ日浴びて 森の華

*  元旦に 森に泳ぐは 鯉すがた

*  おみくじは ゆるゆることが よさそうと       (花詩)

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森は作業中!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

森は作業中!

 今日は朝から穏やかなお天気です。

時折り冷たい風が吹くものの、どこか そ~ とという感じで

寒暖・風のせめぎあいなのか? 遠慮がちの感がします。

 

箕面川畔に白梅の花が咲いています。

近づくと、鶯色したメジロがさかんに花弁をクチバシで

つついています。

まさに絵になる光景です。

 

川辺の土手や中洲には、水仙花が美しい舞いを披露するかの

ように、優雅に風になびいています。

 

滝道から「一の橋」を渡り、山裾の桜道を上がっていくと、

間もなくして通行止めの業者看板が・・・

見ると、野口英雄像までの山道が浮石防止工事中との事。

更にその請負金額が4000万円何がしと看板に明記してあり、

最近はそんな情報公開もしているのかと少し驚きました。

 

瀧安寺墓地横から再び滝道にで、山本珈琲館を過ぎて

しばらくすると、上方の尾根筋から大きな工事音が聞えて

きました・・・ここが現場のようです。

桜道までで落石を止めないと、すぐ下の人の多い滝道に落下でも

してきたら大変です。

 

この川向いの天狗道も、よく崖崩れや倒木で通行止めにして

工事をしていますが、多額の税金を費やすとはいえ、

山道の防災、補修工事などは有難いことです。

 

落合谷トンネルをくぐると工事資材が置かれていて、

一本のレールが尾根づたいに森の上へ延びています。

トロッコのようなものでこの資材を運び上げているようです。

森にこだまする機械音に、今日は不思議とそれが気にならない

のはゲンキンなものです。(笑)

 

落合谷から前鬼谷を登って行くと、すぐに何本もの獣道が谷川に

向かってはっきりと見て取れます。

その獣道を下りてみようと思い下っていくと、すぐに急坂で

片足程度の道となり諦めて上がってきました・・・

やはり獣たち専用の道でした。(笑)

 

スギ、ヒノキ林の下を通る時はそろそろ警戒が必要ですが、

私の目、鼻、ノドはまだ大丈夫のようです。

それでも一度だけ大クシャミをし、野鳥が慌てて飛び立っていった

ものの・・・

あれは登りで汗をかき、一休み中に少し寒かったからだと思う

のだが・・・?(笑)

 

尾根筋にでて六箇山方面へ向かう道にでると、左右あちこちで

握りこぶしぐらいの丸い石が沢山目に付きます。

何万年前ここは海底だったかも? と想像します。

早速小さな丸石を探し、目にとまった小石をポケットに

入れました。

これも私なりの一期一会で、書斎の棚の駄コレクションが

また一つ増えてしまいました。(笑)

 

箕面ゴルフ倶楽部コースの横道を経て「ささゆりコース」に入り

ゆっくりと東へ進み、「桜谷コース」を下り、更に「松騒コース」に

入って再び西へと向かい、望海の丘から霞みのかかった

大阪を遠望・・・

陽だまりに座り込みしばし一休みです。

このハイキングコースは、いつ歩いても本当に気持ちのいい所

です。

 

しばらく西下すると、急に森にこだまする電気バリカン? の

ような機械音~?

音の方に近づいて双眼鏡で見回すと、上方の「こもれびコース」

作業されている一人のオジサンがいました。

ハイキングコースの道沿いの枝葉、下草刈りなどの整備作業を

されているようです。

 

森の中にある孟宗竹林がイノシシに荒らされ、山道が崩れ落ちて

いた所が、スギや松の木や竹などで防土され、歩けるように整備

されていて助かりました。

 

やがてハート広場に下ってくると軽自動車が一台とまっていて、

「大阪府森林組合」と書いてありました。

先ほどのオジサンの車のようです。

ご苦労さまです。

 

今、「Expo90・みのお記念の森」周辺でも、大規模な防災工事が

なされているようですが、それ以外にもこの寒い森の中では

防災工事や作業されている人々が多くいます。

毎年、冬のこの時期は森の作業最盛期の様相ですが、

森の散策を楽しむ私などは本当に感謝です。

 

少し前までは森の中で仕事のできる人たちを羨ましく思った

こともあり、森林ボランティアなどに参加する事も考えましたが、

年々 気と体力が釣り合わずいつしか断念!

 

今はもっぱら受益専門年齢を楽しませてもらっています。(笑)

ありがとうございます。

 10-1-30  (完)


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早春の息吹!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

早春の息吹!

 今日も雲ひとつない澄み切った青空です。

 時折り吹く北風も、降り注ぐ太陽の輝きの中で暖められ、

陽だまりに腰かけていると、もう早春の香りがしてきます。

 

新稲の山里を巡り田畑を歩いていると、冬枯れの畦道に

黄色いタンポポ、薄紫色したオオイヌフグリ、ツユクサ、

ホトケノザも少し、それに白い小花のナズナ、土手にはスイセンが

花を咲かせています。

 

畑の水路からサラサラと心地よい水の流れが聞えてきます。

 

近くのロウバイの木には、黄色く光沢のある花が沢山咲いて

います。

唐梅ともいう古名があるそうですが、色彩に乏しい冬の里には

目を引くきれいな花です。

 

田畑の真中に連なるモクレンの木々には冬芽がいっぱいつき、

手にして見ると雨露、霜、寒さや乾燥、虫害などから身を守る為、

堅い鱗片葉で覆われ、水をはじいて新芽を守っている様が

よく分かります。

梅、桃、桜、コブシなどでも見られますね。

 

枯れ芙蓉がぽつんと立っていて、秋にピンクの美しい大花を

咲かせていたのを思い出し、庭に植えて見ようかと思い、

枯ガクに包まれたタネを数粒採りました。

それにしてもあの華麗な芙蓉花の枯れ姿は哀れすぎます。(笑)

 

霜枯れの草葉の中でよくよく見れば若菜、春の七草のセリ、

ハコベ、ホトケノザ、スズナ、オギョウやヨメナ、ヨモギなども

しっかりと根をつけて生えています。

これから益々寒さが厳しくなるとはいえ、後半月もすれば「立春」

ですから早春の訪れを感じます。

 

寺池前では消防団による消防訓練が行われていました。

 

その横には「大型墓地計画反対・・・」と横断幕が張られています。

よく見ればスカイアリーナの裏山一帯を開発してとのことですが、

反対運動のために「保留」になっているのを市民公園にとの

要望が添えられています。

私も大賛成です。

 

私は大阪青山大学横の「新稲古墳」を訪ねた後・・・

その前の栄松寺(禅寺)を訪ねました。

正面の掲示板には・・・

  「洗えば戻る清らかさ 心の生地を大切に」

 とありました。

1688年創建といいますから322年前のお寺で、きれいに清掃

された境内のサルスベリや椿の木の上を、沢山のスズメが

飛び交っていました。

 

南側の畑にはセグロセキレイが長い尾をピョコピョコさせながら

なにやらついばんでいます。

その横のビニールハウスを覗くと、アネモネの花がいっぱい

咲いています。

 

少し先の半町池に出ると、カモが二羽、それに渡り鳥の

キンクリハジロが三羽、潜水して採食しながらノンビリと池面を

漂っています。

池畔の小枝にはカワセミが獲物を狙って一点を見つめています。

 

よく見れば、ここは自然豊かな山里の風景でいっぱいです。

 

今日、教学の森を歩いていると、市立野外活動センターの

キャンプ場に来ている何組かの幼稚園児たちに、森の中で

出会いました。

引率の先生方と共に大声をあげながら、好奇心いっぱいに元気に

遊んでいました。

 

中尾根道ではお孫さんをつれたお爺さんと出会いましたが、

松かさをいっぱい拾いながら子供さんの目は笑顔で生き生きと

していたのが印象的でした。

 

私は箕面に「森の幼稚園」を提案していますが、

本当に森の中で遊ぶ子供たちは共通してみんな好奇心

いっぱいで生き生きと元気です。

 

森遊びで育った子供たちが、その後の人生でどれだけ

情緒豊かな人間として人格形成に役立ち成育していったか?

そのデータがドイツにはしっかりと蓄積されています。

詳細は別として、そのドイツの森の中で園児たちが目を輝かせ

一日中泥んこになりながらも、生き生きとして遊びまわっている

姿は感動を覚えますよ。

 

ドイツの幼稚園は園舎を持たず、森林空間そのものを園児が

過ごす場として利用するもので、世界で初めて幼稚園なるものが

開設されたのはこのドイツのハート・フランケンブルグで、

その立役者がフレーベルでした。

 

森の中での遊びやもの作り、体操、ピクニックなどで幼児自ら

森にあるものを利用して遊びます。

それにより自立能力を高め、自然の中でコミュニケーション能力を

自ずと身につけていくようです。

 

実はその昔に箕面にも「森の幼稚園」があった事を

郷土資料館で知り、このブログでも紹介してきました。

まさに箕面は先進的ではありませんか?

 

市長さん!

  「あの墓地反対地に、この森の幼稚園はいかがでしょうか?

   この豊かな自然溢れる箕面の山里の地に、幼児保育、

   教育分野の可能性を探るのも一考かと存じますが・・・」

 

「憩いの丘」を経て山を下ってくると・・・

山裾では寒桜が沢山咲いています。

ヤブのなかではウグイスが地鳴きをしています。

梅の蕾も膨らんできました。

 

今日は山里で自然の営みを肌で感じたり、

森の中で遊ぶ園児たちを見て考えたり、

早春の息吹を感じる穏やかな散策日和で、

隠居生活のありがたさをしみじみと味わいました。(笑)

 10-1-24 (完)


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森の精へ参拝!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

森の精へ参拝!

 新年明けましておめでとうございます。

 天気予報では元旦は嵐かも? と伝えられていただけに、

抜けるような快晴のお天気で、私も初日の出をしっかりと体で

浴びることができました。

 

家族揃っておせち料理を頂いた後、私は元旦恒例となった

「森の精」に、今年一年の森の散策の無事を願うため一人で

箕面大滝参りと、箕面の森の中にある神社仏閣への参拝に

出かけました。

 

家の近くの神社へ行くと、境内には大きな焚き火がたかれていて、

寒い中でしばし立ち去りがたく暖まっていました。

鎮守の森のこもれ陽にも、この焚き火にはかないません。(笑)

 

箕面山麓にでて山里を巡り、スカイアリーナから元旦の大阪を一望

しました。

いつも見慣れている風景ですが・・・

初陽を浴び、澄み切った空の下の街並みを見ていると、

その屋根一つ一つの下でお正月を迎えている人々がいる事を思い、

いつにない特別な新鮮味を感じました。

 

箕面駅前に下り、滝道に入ると・・・

昨年の絵馬を持った人々が瀧安寺の方へ急ぎ足で向っています。

その時突然に後から声を掛けられました・・・

 

   *  アンタ! 滝行きまんのんか?

・  そうですが・・・?

   *  おめでとうさん!  ええ正月でんな!

      気いつけてな!

      ワシは今から温泉でんねん!

 

そう言いながら箕面スパーガーデンの方を嬉しそうに指さしています。

見ると腰を曲げ、杖をついた、もう80過ぎのおじいさんながら

元気な足取りです。

・ 元旦から温泉なんていいですね。

お一人で住いなのかどうか分かりませんが、その大きく嬉しそうな

声に、何か励まされたような感じです。(笑)

 

瀧安寺で参拝後、弁天堂境内に入ると・・・

 

   *  すいませんが、写真撮ってもらえませんか?

 

見ると和服を着た若い男女のカップルで、どちらもきれいに着飾って

初詣のようです。

私はお似合いの二人を撮りながら、画面からもれてくる幸せの

おすそ分けを頂きました。

 

森の中にある山本珈琲館はいつになく賑わっているものの、

この瀧安寺界隈からUターンする人が多く、ここから大滝への人出は

極端に少なくなります。

 

はく息が白くなる寒い日ですが、杉木立から差し込む太陽を浴びて

いるとほんのりと暖かくなり、思わず帽子をとって頭皮にも養分を

与えたりして(笑)・・・

思わず深呼吸し、その太陽の暖かさを森の凛とした冷たい空気と

ともに体に入れ込みました。

体内の空気が入れ替わると気持ちのいいものです。

 

元旦の大滝は静かに流れ落ちでいます・・・

昼前に着いたものの人出は10数人程で、横の店の人も

手もちぶさたのようです。

数年前の元旦は雪で大滝前は人影ゼロ、私一人だけでしたが、

快晴の今年ですから、これから増えてくるのかも知れませんね。

 

帰路は山裾道を歩きながら森の精気に触れつつ、西江寺にでました。

聖天の森から才が原林道へ向う時は、いつもこの境内を

通り抜けさせて貰いながら、森での安全をお願いしています。

 

今年のおみくじはそれぞれ全て(吉)でした。

昨年は(小吉)だったので、今年は更に良い年になるのでしょうか?

その中で 「足る事を知るは、幸せの基なり」 が一番印象的でした。

 

 

今年から、私もいよいよ公的にも否応無く「高齢者」となりました。

まだ若い若いと思っていても、いつしか余り無理ができなくなりました。

山歩きは何より安全第一ですからね!

私のドンカメスタイルの浸り歩きそのもののように、これからも

ゆっくりと心癒される森の散策を楽しめればと願っています。

 どうぞこの一年もよろしくお願い申し上げます。

 森野 花詩 (もりの はなし)

 10-1-1 元旦 (完)


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重いリュックは安心袋!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

重いリュックは安心袋!

 今朝、起床して外を見るとうっすらと一面の雪化粧です。箕面の山もきれい

だろうな・・・! と、期待しワクワクしながら家をでました。

ところが瀧道から西の山沿い道を登っていっても、雪の気配がありません・・・?

どうやら局地的な雪だったようです。  残念!

 

瀧安寺の北裏山の「山ノ神コース」から登る事にしました。

しかし、久しぶりなので登り口が分からず、しばし探し回ってやっと小さな崩れた

赤い鳥居を見つけました・・・  その前の石碑には「・・・山ノ神・・・」と、掘り込ま

れています・・・  何の神様なのかな?  まさか頭に角のはえた女の人では

ないだろうな・・・? と、苦笑しつつ横の細い山道を上ります・・・

 

キ~ン とした真冬の冷たさです。

登っていくたびに常緑樹の欝蒼とした森が開けてゆき、明るくなっていきます・・・

休み休みながらも一歩一歩と登っていくと、次第に体が温まり、リュックの重み

が背中のぬくもりとなり、気持ちも楽になってきます。

それにしても私の冬場のリュックは重いです・・・

穏やかなひだまりを見つけて一休みにした時に、改めてリュックの中身を調べ

て見ることにしました・・・

温かいコーヒーを入れたポット、お昼のおにぎりやおやつ類、ミネラル

ウオーター、雨具と折り傘、タオル、ビニールシート(雨や湿りがちな時は

小さな折り小イス)、簡易救急箱、カメラ、双眼鏡、予備メガネ、手帳や地図、

小型防災ラジオ、懐中電灯、笛、小鏡、スイスの小型アーミーナイフ(10種

ぐらいの機能か付いている)・・・ 等などです。

我ながら、アルプスを登るわけでもなし・・・ と、再び苦笑です。

 

しかし、箕面の森はいずれも低山とはいえ、その山の変化には何度も恐い思い

をしてきたので、その都度リュックに加えていったものなのです。

年とともに更に慎重さも加わり、更に冬の服装も重装備になり、帽子も尾根や

山頂で冷たい風が吹きすさんでいても、耳あてを下げると温かく、格好はダサく

て最悪でも、万全のスタイルなのです・・・

それだけに山から街に下りてきて、時折何気なくウインドウに写った我が身を

みて・・・ どこのボンレスハムが歩いているのか・・・? と、笑ってしまうぐらい

です。

 

山ノ神の森を登りきると「ささゆりコース」の尾根道にでます・・・

ここから「こもれびコース」 「松騒コース」を前後してゆっくりと歩きながら

凛とした真冬の森の散策を楽しみました。

ゆっくりと浸りながら歩くこの森は、いつも本当にすばらしい癒しの森だな・・・

と、心から感じ入るのです。

森の中の望海の丘からは、文字通り大阪湾が見えます・・・  

波がキラキラキラと太陽に反射して輝き、丁度大型のタンカーがゆっくりと

進んでいるのが裸眼でも見て取れます・・・  なんと素敵な眺めでしょうか・・・

 

私はハート広場から上の、箕面ゴルフ倶楽部ゴルフ場脇の細い山道を北へ

進み、大ケヤキのある所で一休みにしました。

この何十万枚と言われる大ケヤキの葉は今は一枚もなく、全て秋に落葉し

ひっそりと立っていて、今は鳥たちの遊び場になっています。

毎年春が近づくと、この巨木がその何十万枚もの葉一つ一つに水分を供給

するために、その毛細樹管が活動を開始します・・・

もう始めているかもしれませんね・・・ そう思うと、そっと幹に耳を当ててみた

けれど、まだ何も聞えませんでした・・・ (笑)

今日はまだ一人としてハイカーの方には出会っていません・・・

 

大ケヤキを背にして腰を下ろし、温かいコーヒーを飲みながら目を閉じている

と、ひとり至福感に満たされます・・・

そんな時、ふっと 金子みすず の詩が浮かんできました・・・

大正末期、彗星のごとくあらわれて悲運の果てに若くして命を絶った

天才童謡詩人・・・ その詩に・・・ 

(木)  「 お花が散って     実が熟れて     その実が落ちて 

      それから芽が出て   花が咲く 

      そうして何べん まわったら    この木は御用が すむかしら 」 

 

私は目を開き、背後の大ケヤキを見上げながらつぶやきました・・・

「 いつも幸せをありがとう・・・!」

 

やがて後鬼谷への下り道に入りました・・・

それまでと違い、欝蒼とした暗い杉木立の森です。

その時でした・・・

いつしか空は厚い雲に覆われ、ポツリ ポツリと雨が降り出しました・・・

よりによってこれから足元の悪い岩場の急坂です・・・  戻るにしても、ここを

下って行くにしても、判断の難しい状況です。

そうこうしているうちに箕面山(395.9m)の西側を下っている時です・・・

 

突然・・・  ピカ-!   ドカン!  ド ド ド ド ド・・・

 

山ごと響く大音響に、もうビックリです・・・

 こんな時期に前触れもなく突然に稲妻と雷とは・・・!

やがて どしゃ降りの雨・・・ 

あわてて大きな杉の木の下に移動してリュックを下ろし、折りたたみ傘を

広げる・・・ 容赦ない雨が降りかかるのになかなか傘が開かない・・・ 

それでもようやく開いてその下に入りホッとしたのもつかの間、今度は樹木を

なぎ倒すような、ものすごい強風です・・・

傘などなんの役にも立たなく、あわてて雨具を取りだして簡易カッパを頭から

かぶります・・・ 吹き荒れる暴風雨は10分位続いたでしょうか・・・

余りの激しさに言葉もありませんでした。

 

少し収まると傘をさしながら、タオルで頭から体からよく雨を拭き取りました・・・

たった10分の出来事でも、もし傘やカッパがなかったらズブ濡れになっていた

でしょう・・・  この0度近い真冬に、それでは風邪引きもいいとこですから

助かりました。

やがて静かな森に戻ると、鳥たちが飛び交い始めました・・・  

しかし足元が雨水で濡れ、V字型の細い山道は谷川状態です・・・

しばらくは動けません。

何年か前に、東海自然歩道の降三世道の登り口で同じような突然の雷雨に

合い、その時は20分以上続いたように思いますが、更に霧が出始めて5M 

先が見えなくなり、あわてて雨具を身に付け、足元を確認しつつ急坂を

下っていると、後からザー ザー ザーと言う音が・・・ 

ふっと振り向くと、いま下ってきた上の山道から水が流れてきてビックリです

・・・ しばし、谷川の渓流状態でした・・・

山裾を駆け上がりやり過ごしましたが、こんな経験は初めてでした。

 

そんな経験があるだけに、すぐには行動できません・・・

約15分、コーヒーを飲みながら待機です・・・ こんな時のコーヒーも有り難い

ですね・・・ すっかりなくなってしまいましたが・・・ (笑)

やがて南の空の雲間から太陽が顔を出したのか・・・ 杉木立の間から

木漏れ日が山道に届いたので出発にしました。 

しかしすぐにまた薄暗い森に逆戻りです・・・

 

人間恐くなるといろんな想像をするもので、ぬかるんだ山道を掘り返してミミズ

を探しているイノシシと出会ったらどうしよう・・・ と思うと、リュックから笛を

出して胸ポケットに入れました・・・

これは一度、梅ケ谷の森で実験して、誰もいないと思ったのにどこからか

ハイカーの方が何事? と、探しに来てくれて、恥かしい思いをした事があり

ますが、それだけにイノシシにも逆に音の効果があるかな? と・・・ (笑)

懐中電灯をつけ、ラジオを鳴らし・・・ ガー ガー ガーで電波状況悪くとも

音がすればよし、そして笛があれば安心です・・・ 恐がりです! (笑)

それに、こんな岩場の急坂でもしすべって谷間に落ちたりしたら・・・?

冬場で一日に一人歩くか歩かないかの寂れた山道・・・

事故で動けなければ遭難だ? (恐い!)

それだけにゆっくりと慎重に 一歩 一歩 確かめながら下りました。

 

やがて尾根道と合流し、倒木の多い細い道を滑らないようにゆっくりと下ると

前鬼谷と合流する落合谷に到着です・・・ 

ホッ! と、安堵のため息が出ます。

振り返って、今下ってきた森を見上げると青空がのぞいています・・・

それに足元は乾いていて、雨が降った様子は全くありません・・・

あれは局地的だったのか・・・? キツネにだまされたような感覚です (笑)

 

落合トンネルを抜けて瀧道にでると、いつもと変らない穏やかな光景です。

高下駄のような靴をを履いた今風の若者が、私の格好を見て何やら 

ニヤ ニヤ コソ コソ 笑い・・・

 

いいんです! 

この格好で・・・!  (笑)

 09-1-25 (完)


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頑張れ・・・倒れた樫の木! 

2020-08-26 | *編集・冬/1月

頑張れ! 倒れた樫(かし)の木!

 四年前の秋・・・

近畿地方を大型台風が襲い、箕面の森も大きな被害を受けました。

 

外からは余り分かりませんが、森の中に入ると至る所で大木が根こそぎ

倒れていて、見るも無残な光景をさらけ出していてショックでした。

特にあの10数メートルの大きな杉やヒノキがその根っこを上にあげて

ひっくり返っている姿は強烈でした。

意外と根っこが浅いのにもビックリでした。

 

他にもアラカシ、アベマキ、ソヨゴ、・・・

それに松やリンボク、コナラやヤマザクラなどいろんな樹木が途中から

折れている姿も沢山ありました。

谷山谷、清水谷、梅ヶ谷、うつぎ谷、地獄谷、風呂ケ谷、前・後鬼谷、

天上が岳周辺、教学の森、才が原周辺など、至る所で被害を受けました。

 

主な山道をふさぎ覆っていた大きな倒木は真っ先に国や府や市・・・また

ボランテイアの皆さんがカットしてくれて通れるようになりました。

しかし、カットされた倒木の大半がそのまま山道脇に置かれたままですし、

ひっくり返った大きな木の根っこもそのままです。

やがて数十年を経て朽ち果て、いずれは森の栄養素となり、再び再生

する為の礎となる・・・

それが大自然の営みであり摂理なのでしょうが、日頃親しんでいる森の

姿の変容に悲しくもあり一抹の寂しさを覚えたものです。

 

 

そんな中で私がこの数年気にしながら見守っている谷山の二本の樫の

木をご紹介します。

 

谷山の被害は尾根から谷へかけて相当なもので、未だに大半が手付か

ずの状態です。

谷間の山道の頭上にはまだ何本もの杉の倒木が覆い被さっていて、

歩く時はその下をくぐり抜ける状態です。

谷川の水は枯れてなくなり、山の斜面には倒れた沢山の木々がそのまま

状態で静かに朽ちる時を待っています。

森の手入れには相当な人手、費用、年月がかかりますから、利用されなく

なった森の行く末を案じています。

 

 

前置きが長くなりましたが・・・

その樫(カシ)の木はそんな谷山の尾根筋にあります。

 

根こそぎ倒れた大きな樫の木が二本・・・

根が浅いのか?  ゴロリと横倒しになったままで、僅かに下部の一部の

根が土につながっている程度です。

可哀想にな・・・

やがて枯れて朽ちる姿を想像しながら、私はいつもここを通る度に気に

してみていました。

 

或る春の日・・・

横倒しになっている幹の上から、なんと数十本もの新芽が幹に直角に

上に向かって伸びている姿を見てショックを受けました。

あの僅かに土とつながった根から幹を通して、更に尾根の風と太陽の

恵みを受けて・・・ 

その親樫の木のものすごい生命力に、震えるぐらいの感動を覚えたこと

があります。

 

そして、今日も楽しみに通りましたら・・・

あの新芽はもう150cm位に成長していました。

横倒しの樫の幹から90度・・・ 小枝がまっすぐに天に向かっている・・・

勿論葉っぱをいっぱいつけて・・・ 

(本来は枝なのに立派な幹なのですよ)

その恰好はありえない姿ですが生きているのです・・・

 

これからこの親樫はどうやってこの子供たちを育てていくのかな・・・?

私の想像では・・・

今、親樫は自分の幹を根として子に提供していますが・・・

元々、自分の根が土に浅く限度があるので、いづれ枯れて朽ちていく・・・

それがまた子の根の栄養素、生命源となるだろう・・・

然し、子が成長し、自立できるまでもう少しだけ生きねば・・・と、親樫は

頑張っている・・・

そんな親樫の必死な姿を感じます。

 

 

だから今日も私は長い間そこに座って親樫を励まし、子樫を元気付けて

きました・・・

いつも人がいない尾根道なのでいいようなものの、きっと他の人が

見たら何を話しているのか・・・変人?   

おかしな事をつぶやいている私が面白かったでしょうね・・・ (笑)

 

 

いつの日にか・・・と 言ってもあと10年はかかるでしょうが・・・

この樫の子の成長振りをなんとか見てみたいものだと願っています。

 

それまでなんとか元気で、足腰を鍛えておかねばこの山道は登れそうに

ありませんがね・・・ (笑)

 08-1 (完)


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中学生のサバイバル訓練?

2020-08-26 | *編集・冬/1月

中学生のサバイバル訓練?

 今年の冬、箕面の森にはじめて雪が降り積もった日、私は六箇山から

ようらく台を経てこの道を下ってきた時の事でした。

箕面の森に雪が降り積もるのも冬の季節で数回しかなく、まして好んで雪の

中を散策する人も無く、この日初めての出会いがこの若者達でした。

しかもまだあどけない顔をした子供たちです。

 

10余人が完全装備のいでたちで下から上ってきました。

付き添いの大人が見当たらず・・・思わず・・・

・  君達どこへ行くの・・・? 

と 聞いてみました。

そこが冒頭の分岐している所だったのですが・・・ 

何と!  この道なき道の所へ入っていくとの事。

・  エ~  この道って?  この先へ行けるの?

  

     *  はい! 僕らは10日前に先生らと一緒に下見に来ましたから・・・ 

・  それで今日 先生は ?

     *  いません・・・僕らだけで今日ここでキャンプして過ごすんです・・・

・  ちょっと待って!  この雪の中で君達だけで? 

 

     *  僕ら、クラスの30人と一緒です・・・  テント張って、飯盒でご飯

         作ってカレーにするんです・・・寝袋で寝るし・・・

・  それでそんなに荷物が多いんだな・・・ ところで大人は ?

     *   誰も来ないんです・・・

 

・  エ~! 

     *  僕らだけでみんなやるんです・・・

・  何年生?

     *  私立○○中学一年です、毎年僕らの学校の行事ですから・・・

 

それにしても、この雪の中でビックリするやら・・・

山の中で携帯電話も通じないし・・・

もしもの時はどうするんだろう・・・・  先生も保護者も心配だろうに・・・

でも、あえて実行するその勇気には恐れ入りました。

事前の訓練もしっかりやってきたようだし、それにみんな礼儀正しい。

しっかりした受け応えをしている・・・  しっかりした学校のようだ。

 

・  この先に何か施設があるの?

     *  いいえ、何にもありません・・・ すこし台地になっている所が

         あるんで、そこでみんなでキャンプするんです・・・

 

恐がらせてはいけないけれど、この落合谷から前鬼谷の谷川へは山から

獣道がいっぱい付いているので、イノシシや鹿、キツネやたぬきや森の

動物達がいっぱい夜になると出てくるのに大丈夫かな? と、一瞬思った・・・

     *  明日お昼に先生らが来てくれるんで・・・

少し不安な様子も伺えるが、半分はこれからはじまる自分達だけのキャンプ

に、心弾ませている様子だった。

 

・  それにしてもすごいな・・・  気をつけてね・・・

私はカルチャーショックを受けていた。

彼らを見送って我に返りながら下に下りていった時、今度は同じ格好の

女子生徒達が8人・・・ 同じようないでたちで ふ~ふ~ と 言いながら

上ってきた。

ほんとにまだ幼い顔をしている・・・

・  こんにちは!  君達もキャンプするの・・・

     *  ハイ!そうです・・・! 

と、この寒い雪の中でも汗を流していた。

・  気をつけてね・・・  頑張ってね ・・・ 楽しんでね・・・

     *  ハ~イ !

 

みんな元気だな すごいな!

この若者達も元気ですごいけど、学校も保護者も本当に勇気のある行事だな

・・・と、改めて感心したものです。

まさに 「森は無言の教材・・・」を地でいく 実地訓練と教育体験なんだな

・・・と、 しみじみ感じ入ったのでした。

 

先日、あの時の事が忘れられず、季節は変ったものの、再びこの道を通った

時に、あの分岐からあの日の中学生がキャンプをした場所へ行って見たの

です。

道は急斜面に這うようにあったけど、私は何度か滑り、危ないので谷川の

岩伝いに入っていったら、急に開けて少し台地になっている所がありました。

ここだな!  と すぐに分かったのですが・・・

 

浅い谷川の流れ、かたや杉木立、かたや雑木林でうっそうとしているが、

冬には葉が落ちていただろうからもう少し明るかったに違いない。

木で組んだ丸木橋があった、木の枝で作った小さな囲い小屋もあった、

飯盒やキャンプフャイアーをしたのか?  岩で炉が組んであった・・・

彼らの手作り作品がすこし残っていたが、それ以外は全く何も無い。

あの雪の日、30人というクラスの仲間だけでテントと寝袋で過ごした一晩は、

どんな思い出が残ったのだろうか?

恐かったのか? 楽しかったのか? 想像するとワクワクしてくる。

シ~ンとした森の中で自然をいっぱい感じながら、いいサバイバル体験を

したに違いない。

 

文豪ドストエフスキーは 「葉っぱ一枚の中にも宇宙がある・・・」 と書いて

いるが、葉っぱ一枚でも人間の力では創り出すことが出来ないが、

その葉っぱ一枚から自分という人間を見つめる事は出来る。

アレルギー体質の子供が増えていると言う・・・

その原因の一つに 「子供を自然から遠ざけた事による、過度の清潔感に

よる免疫システムの偏り・・・」 があると言われていますね。

 

地球規模での環境問題もありますが、私は目の前にあるこの箕面の森が

いつまでも子供たちが学びえる自然学校であって欲しいと、強く感じたの

でした。

 

それにしてもこの箕面の森の中で、あの子供たちだけの雪中キャンプに

森の動物達もさぞビックリした事でしょう・・・ (笑)

うるさくて?  おもしろくて?  それとも・・・?

 07-1 (完)   2007 5・10


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雲隣展望台へ駆り立てた少年のパワーは? 

2020-08-26 | *編集・冬/1月

雲隣展望台へ駆り立てた少年のパワーは?

 今日は快晴の冬空・・・

暖冬とはいえ、森の中は深々と冷え込んでいるし、木の芽はまだまだ硬く、

しっかりとしている感じがする。

                                                      私は今日、滝上の「大日駐車場」に車を停めて「杉の茶屋」前の上り口から

「雲隣展望台」を経て、こもれびの森から才が原林道を少し下り、才が原池

から谷山谷,自然5号路、4号、3号、2号路を経て戻るコースです。

 

まもなく「雲隣展望台」に到着、誰もいなく一人リュックを下ろしてしばし

ここから大阪が一望できる景観を見て愉しんでいました。

それは、空気がよく澄んでいて、かつて大阪の悪名高きスモッグを知っている

私にはまるで別の都市を見ているようでした。

南東方面から生駒山、金剛山はじめ金剛生駒国定公園の山並み、

和泉山脈の山々から関西国際空港のある泉南の方までよく見渡せ、まさに

大阪が一望できる所です。

                                                                    

大阪湾の海の波が太陽に反射してキラキラと輝いています。大型のタンカー

や、貨物船もはるかかなたですがよく見えます。

南港にある赤色に塗られた巨大な南港大橋でしょうか、頭上に点滅ライトを

輝かせここからよく見えるんです。

堺臨海工業地帯からは、大きな背の高い煙突から白い煙が黙々とまっすぐ

上に立ち上っています。 

かつての黒煙と違い環境上、処理された煙のようです。

煙の立ち方から今日は本当に風もなく寒さはきついけど穏やかな日よりです

手前の伊丹空港からはまた大型の飛行機が北の空へ向かって飛び立ち

ました。

南の方へ目をやるともう着陸態勢に入った別の飛行機が滑走路へ向かって

います。

ぎっしりと埋まった大阪の街の上をゆっくりと飛んでいます。 

 

少しベンチに座って逆向きに北東の方を向くと、森と森の間に挟まるようにして

眼下に「瀧安寺」の本堂や建物群が見えます。

冬の間は木々葉が落ちてよく見渡せますが、 夏場になるとうっそうとした

木々に囲まれて見下すことはできませんから冬場の特権です。

私はそんな光景をしばし眺め,見とれながら少し早いお昼にしようとリュックの

中からコーヒーポットを出しました。 

温かいコーヒーを飲みながら目を閉じて、一人静かに耳を清ませば森の中

から聞こえてくる沢山の小鳥達のさえずり・・・ かすかな森の木々の葉音・・・

これらの音を聴き心で感じて味わっているとき、私にとっては本当に至福の

一時になるのです。

 

そんな浸りの世界を愉しんでいるときでした。

下のほうから若者達何人かの騒がしい話し声と共に、こちらへ登ってくる音が

聞こえてきました。

たまに少年達? が、変なエロ本を見たりするのにわざわざ何人かで山の

中の他人の目がない所で、それを楽しんで見ていたりするとことに出くわす

ときが有る。

若者達もびっくりだが、私もびっくり! 

時には不良少年? らしき若者達がタバコだか?  麻薬だか?  私と出く

わすとなんとなくそわそわしてたり・・・ と。    

私には今までそんなな経験もあるので・・・嫌だな・・・! せっかく良い気分を

愉しんでいるの・・・ と。

そろそろ出かけようとしてリュックを担ごうとしたとき、先の一人がふー ふー

言いながら駆け上がってきました。

 

「おーい! ここや, ここや~ 着いたで・・・ はよこんかいな~」  と

大声で下に向かって叫んでいる。

すると私を見つけ・・・ 「こんちわ!」 と  元気の良い挨拶・・・

やがて3人の若者が ふ~ ふ~ と、言いながらも上がってきて、展望台に

上がってきた。

「こんちわ!」 

私を見て、これもみんなが大きな声で挨拶したので、変な若者では無さそう

なので一安心!   

最初に登ってきた若者が一人でみんなに説明している・・・

「ほ~らな、すごい景色やろな、な、な、・・・」 と、皆に同意を求めている。    

「ほんまやな~、よう見えるな!」 「あっ!俺の家見えるわ・・」        

「あほか? 見えるわけないやろが・・」 と、わいわい賑やかだ。

すると先の若者が私に話し掛けてきた・・・

 

    *  僕な・・・ 正月に初めて親と箕面に来てな、そんでこの下に車

        置いてみんなでここへきたんや・・・ この寒いのにな・・・

        嫌やってんけどほんま死ぬかと思ったわ・・・ しんどかったわ・・・

        やっとこさ、ここまでのぼってきてな・・・ そのときな、初めてここ

        から大阪みてな、ものすご感激してん・・・  そんでな、今日は

        友達に見せたろおもてな・・・ 自転車できてんやん!・・・ と。

・  そうか、ボクらどこからきたの・・・?  と、私。

    *  十三中学や・・・   

・  十三(じゅうそう) 言うたらあの阪急十三駅の近くか・・・ 

    *  そうやで・・・

・  それならここまで自転車やと相当時間かかったやろ・・・      

    *  朝8時に出たから、3時間やな・・道、迷たしな・・・ 箕面の駅から

        ここまでの自転車が一番しんどかったな・・・

と、みんなにと確認している。 

    *  俺はここへ上がってくるのが一番しんどかったわ・・・

と、別の一人が応じている。 

    *  ほんでも、ここの景色見てチャラやわ・・・     

       おっちゃん! さっきな、尾っぽの長い鳥みたんやで・・・

       あんなん初めてやったな・・・ こんど双眼鏡もってきたろ・・・   

大きさや,色や特徴を細かく私に知らせてくれたが、どうやら

「ヤマドリのオス」のようだが、私もいつか自然3号路で目の前を120cm位の

尾の長いヤマドリを初めてみたときは感激したものだ。

初めて見る森の鳥たちにも感激した・・・と。

    *  俺、スズメ しかしらんかったもんな・・・と、笑っている。

                                                        それに先ほど滝道で10匹位のお猿さんを見たとか・・・これにもかなり興奮し

ていた。 

(都心から電車だと30~40分でもう箕面の森の中に入り自然の動物や鳥たち

接し、木々の四季の移り変わりを見ることができる。)

私は、今の若者達は自然の中で感激したり,興奮したり、愉しんだりしたり

する事はないんじゃないか・・・ と、先入観を持っていた事に少し反省した。

この中学生をここまで駆り立てる自然のパワーはすごいものだな・・・ と、感じ

入った。

 

    *  おっちゃん、これからどっち行くの・・・ ついてこかな?

・  いいけど、これからだとあの駐車場まで、早くても2時間以上はかかる

   けどいいか?    

ると・・・

    *  そんなら今度にするわ~・・・ 

と、なったが、若者達の森や自然の質問にいろいろ答えながら、私も楽しい

一時を過ごした。

 

私は彼らと別れ再び静かな「こもれびの森」の方へ入っていった。

遠くなったあの展望台の方から風に乗って、また彼らの笑い声が聞こえて

きた・・・。 

元気だな・・・!  若いっていいな・・・!  

 

でも・・・  年老いてもいいぞ・・・! (笑)

  07-1 (完)


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雨の日の森のコンサート・・・

2020-08-26 | *編集・冬/1月

雨の日の森のコンサート・・・

 今日は朝からどんよりとした雨模様です・・・

暖冬の為の雪不足で早々と今年のスキー場を閉鎖した・・・ 

とのニュースが 流れています。

熊が温かい為に冬眠に入れず里に出てきている・・・ とのニュースも

ありました。

それでどうしたの・・・? と、  さらに聞いてみると麻酔銃で眠らせ、

森に運び、熊穴を探してそこへ沢山のドングリなど食料を置いて寝か

せてきた・・・ とか。

里の人間様も大変だが・・・どこかおかしい?  と思いつつ箕面の森へ

出かけました。

 

今日は、箕面の 「カルフール・ヴソラ」 に車を置き、「大宮寺池」を通り

「医王岩」から「二十二曲がり」を登って医王山の森に入っていきました。

お天気に合わせたわけではありませんが、何となく自分の心も暗くなって

いて・・・ いろいろあるもんな~・・・ と 

考え事をしたりして余り景色を愉しんだり、いつもの森の散策を愉しむ・・

といった余裕もないまま黙々と登っていました。

 

雨が降り始めたこともしばらく気が付かないほどで、何となく暗いムード

引きずったままでした。

                                                             雨は止みそうもなく しとしと・・と降り注いでいたのに 私はふっ! と

我に返り、自分が雨にぬれたままになっている事に気が付いて 

あわてて近くの大木の 枝の下に雨宿りをする事にしました。

ここに積もった枯れ葉には まだ雨がかかっておらず濡れていなかった。

枯れ葉の上に浸り小椅子を出して腰を下ろす(こんな雨の日は小椅子

があると余計に有り難い)、リュックからいつものコーヒーポットを取り

出して温かいコーヒータイムです。

 

手袋をはずし、冷え切った両手をそのコーヒーの温かさで暖めつつ・・・

ほのかなコーヒーの良い香りを嗅ぎながら 森で飲むコーヒーにいつも

ささやかな幸せ感を覚え、その余韻に浸るのですが・・・

今日はまだ何かいつもの愉しさ・・・になれず、 世俗の問題を抱えて

悶々とした状態が続いていました。

 

しばらくして雨は大粒になり、時には雪混じりの 霰(あられ)になり、 

それはやがて大粒になって落ち枯葉の上にバリバリとすごい音を立て

始めました。

これは大変! このまま続けば山の上にも,下にも行けない・・・

立ち往生だ!どうしよう・・・・ ? 

空はますます暗くなり初めて体験する異様な空です。

こんなとき一人で森の中にいると不安が募り、だんだんとそれが増幅し

てきます。

 

そのときだった・・・・あれほどバリバリと大きな音を立てていて、恐怖

さえ感じていた枯れ葉にあたる雨音、霰(あられ)の音が・・・

”音楽”に 変わっていた・・・!

 

私は深呼吸をして、いつしかいつものように森の浸りモードに入って

いった・・・

それは心静かに、目を閉じて、耳を清ますと聴こえてきたんだ・・・ 

枯れ葉を打つ雨音・・・それは強い音もあり,弱い音もあり、大きな枯れ葉 

小さな枯れ葉に落ちるときの音は違うんだ・・・ それに頭上の常緑樹の

葉に当たる音も違うし、葉と枝に当たる音も違う・・・      

枝も大きなものと小枝にあたる雨音とはまた違う音色が聴こえる・・・

すごい!  「森のコンサート」が始まった・・・

 

この舞台はとても想像ができないくらいすごいんだ・・・

雨量の変化、 時には大粒の白く硬い霰・・・  森の沢山のさまざまな

植物が共演し、演出している・・・向かいの山並みには白く霧がか

かっている・・・  

それに観客は何と私一人・・・

それはそれはものすごい感動で聴き入ってしまった・・・

いいな!  幸せだな!

森のコンサートはどのぐらい続いたのだろうか・・・?

頭上で鳥の鳴き声が大きく響き渡った・・・

気がついて我に返ったときにはもう雨が上がり、コンサートは終演して

いた。

 

私の心はすでにニュートラルになっていた。

心にいろんな事をもっていても、いつも森は私の心を ”無” にして

くれる・・・ 不思議な森である。

 

私は帰宅してから、こんな言葉をどこかの本で読んだな~と思い、書棚

を探したが見当たらなかったので うろ覚えの中で書いてみますが・・・

 

「幸せだと感じられる人だけが幸せになりす。  

例え世界中の富を手に入れても幸せだと感じる心がなければ幸せでは

ありません。

人間には平等に幸せの分量が与えられています。 

それに気が付くだけでいいのです。 

幸せは向こうからやってくるのではなく・・・

幸せを選ぶのは貴方がそれをどう感じるか・・・だけなのです。・・・」 と。

 

人の幸、不幸はその人の価値観のみの世界だという事ですね。

森はいろんな事を私に学ばせてくれます。

今日も心癒される いい森の 一日でした。

それにしても冬眠できないでいる熊との遭遇がなくてなにより・・・ 

くわばら! くわばら!  です・・・  (笑)

  06-1 (完)


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