アルゼンチンの牛肉・・・その3です。
日テレ『世界めちゃウマ食遺産』の話の続きに戻ります。
この番組では、アルゼンチンの代表的料理アサードの紹介・・・として最終的に牛一頭を
皮付きのまま開きにしたものを「蒸し焼き8時間」というのが登場してました。
番組ではゲストたちに「これを食べたいですか?」と尋ね、他3カ国の自慢料理も紹介して
最終的に投票してもらう趣向になってました。
肉部門では、アルゼンチンに続いて「ブラジル・コブ牛のコブ=クッピン」と、
「フランスの仔牛の胸腺=リード・ヴォー」と「スペインの闘牛の肉」が紹介されていた
と記憶しています。
当然日本へはアルゼンチンから牛一頭を連れて来て目の前で焼くわけにも行かず
(アルゼンチン牛肉は輸入規制でまだ日本には輸入が許可されていないのです。)日本の
牛を1頭こんな風に毛がついたまま調理するのも支障があるようで映像のみの紹介でした。
・・・その結果、スタジオにはブラジルの「こぶ牛のコブ=クッピン」が登場し、ゲスト出演者
たちはコブを試食しました。(ちなみに鶴見のブラジル料理店「セグレード」の方がサーブされ
ていました。)
セグレード・・・なんとなく聞いたことあったタニィ、調べてみたら見覚えある店でさらに調査したら、
やっぱり!セグレードが以前「Doraドラ」という店だった時、食べに行ったことがありました。
店名が変わってからも気になってチェックしてたんで覚えてました。
ちなみに日本にあるアルゼンチン料理店の代表では「コスタ・ラティーナ」の店主・ディエゴ
が番組に登場していました。日本人&キューバ人のハーフ、SHEILAの行きつけでもあって、
最近はディエゴとコスタ・ラティーナが脚光を浴びてますネ。
タニィは2005年にコスタ・リカのSON SAX来日の際にコスタ・ラティーナへ行ったのですが、
その時はカリブっぽいイメージの店内でアルゼンチン人経営とは気づきませんでした。
さて、番組内容に戻ります。
番組のゲスト出演者たちはほとんどみな初めて「こぶ牛のコブ=クッピン」を試食する・・・
というシーンです。
食べてみると意外にも「美味しい」と絶賛!うん、まあ確かに美味しいんですよね。
タニィも好物ですがたくさんは食べられないかな?ちょっと脂っこい気がします。
そして最終的にゲスト出演者たちに「世界食遺産に認定したい料理」の投票をお願いします。
となって、以下4つの中から上位2つを「食遺産に認定」しました。
A.「アルゼンチンの牛一頭まるごとバーベキュー=アサード」
B.「ブラジルのこぶ牛のコブ=クッピン」
C.「フランスの仔牛の胸腺=リード・ヴォー」
D.「スペインの闘牛肉料理」
の4つのうち結局、試食の強みもあって番組上ではコブが1位、2位がアサードでした。
一応2位までが認定なので、アサードも「食遺産に認定」されましたが、アルゼンチンファン
としてはなんとなく納得がいかない番組運びでした。
なんか?ブラジルの良いように下敷きにされた感のあるアルゼンチンのアサード。
まあテレビ番組上、面白くするために情報操作をすることはよくあることですが、
アルゼンチンの食事情が番組の都合によりきちんと紹介されていなかったのでは?
という不満がむくむく沸いて・・・なんとなくひっかかりました。
まず、アルゼンチンで「毛のついた牛まるごと一頭アサード」自体がまず一般的ではない
という点がひっかかる。
確かにあの映像を見たらインパクト強いし、印象に残るし、・・・でも食べてみたいか?は
人によりけりですよね。。。
実際アルゼンチン人がみなああやって食べるのが一般的なら納得ですが、普通はそうはしない。
・・・だからそれを投票対象にするのはどうか?と。
それから、放送の中でアサード紹介映像で登場したのは、牛肉とホルモン部分のうちの
牛の小腸=chinchurinチンチュリンのみ。
(チンチュリンはそんなに好きではないタニィです。)
が、しかし本場のアサードは牛肉だけではありませんよ!
まずチョリソー(唐辛子辛くないです)と、イタリア料理のブータン・ノワールと恐らく同じ血詰の
黒いソーセージ=モルシージャをまず最初に食べます。
(この部分番組では完全に省略されていて説明もなかった・・・)
そしてホルモン系もチンチュリン(小腸)だけじゃなくて、リニョン(腎臓部分)、
フランス料理「リード・ヴォー」としてこの番組で紹介されていた「牛の胸腺=モジェハ」も食べます。
このモジェハがタニィは大好きなのです!!!
ところがさ~~~、フランス代表がこのモジェハと同じ部位であるリードヴォーだったことから、
おそらくアルゼンチンのモジェハは同一部位ということもあってあえて省略されてたんですね、きっと。
残念でなりません。
ホルモン系は好みもあるとは思いますが、アルゼンチンのチョリソーは本当に美味で、日本でも
在アルゼンチン人が作ったチョリソーがブラジル料理店にも卸されているそうだし、試食に
ぜひ登場させてほしかったなぁ!なんて思うのです。
チョリソーって日本ではメキシコの「唐辛子辛いソーセージ」がイメージですが、アル
ゼンチンのは唐辛子は入ってません。何せピリ辛苦手な国民ですから!!!
この点も日本人のイメージとはずいぶん違うらしく意外って言われますが・・・
牛の胸腺=モジェハも本当に美味しいんです。
店や品質、また焼き方によって違いはありますが良質でシンプルに塩味・炭火で焼かれた
モジェハは脂はのってるけれど、しつこくなくてやわらかく絶品だと思います。
日本では高級食材だからフランス料理店へ回されるため一般市場に出回らないそうです。
さらには鳥肉(=polloポージョ)も、新鮮な
*子ヤギ(=chivo, chivitoチボ、チビート)
や子羊(=oveja, ovejitaオベハ、オベヒータだったかな?)も!!!
新鮮な野菜もたっぷり、レモンやフレッシュオリーブオイルに酢がたっぷりのてづくりの
フレンチドレッシングで頂きます♪
ああ~最後は因縁の?アルゼンチンVSブラジル的発想になってしまいましたが、ブラジルの
文化も音楽も、シュラスコやモケッカ等のお料理も大好きなタニィなのです。
アルゼンチンVSブラジル、、、となるとついアルゼンチンを応援したくなるダケなのです♪
ご了承ください。
番組に登場していたオーナーたちの
レストランリスト。
*ウルグアイにChivito(チビート)という名物料理がありますが、実は子ヤギではありません。
ご注意!!!ではいったい何か?!笑
またそのうち書きます。
ちなみにウルグアイのアサードはほぼアルゼンチンと同じと考えていただいてよいと
思います。