呉織(くれはとり)とは古墳時代に大陸から渡来した
女の綾織技術者、あるいはその織工の名前
元治1年(1864)出版 歌川豊国(国貞)絵
呉織
呉織は呉の國の女なり呉は今の南京なり
応神天皇四十一年(310年)に呉の國に求めて
皇朝に貢進(みつぎたてまつ)る縫姫(ぬいひめ)が四人が渡来する
兄媛(えひめ)・弟媛(おとひめ)・呉織(くれはとり)・穴織(あなはとり)と呼ばれて
衣縫(きぬぬい)の業に精(くわ)しく錦(にしき)織ることに極めて巧みなり
禽(とり)獣(けもの)花卉(はなのただい)意のままに織い出す
到着した筑紫では宗像の神に望まれて兄媛を奉じ
あとの三人は摂津の國武庫に至る
今、同國池田に呉織・穴織を神に祀りて蕞祠(やしろ)あり
九月十七日・十八日に祭礼あり
(柳亭種彦記)
牡丹花の家の集り接抄呉織の里とよばれて室を夢庵と号し
『笹の葉に のすを便りの 霜夜外』