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モノサシなごや (都市の緑のモノサシづくり)

都市の自然とどうつきあうか?
評価の目安は何だろう?
名古屋の緑を写真に撮って、都市の生物多様性を考えています。

【12-1202】〇名古屋の保存樹・街路樹

2012年12月02日 | 〇調査活動
名古屋の保存樹・街路樹 【PDF】

 
【写真左】 熱田神宮の大クス、 【写真右】 熱田神宮の保存樹・ムクノキ

里山林と街路樹や公園樹では、生えてる種類が随分違う! 社寺林ではクスノキが目立つけれど、本来どんな種が自生するのだろう?
そこで、
名古屋の保存樹・街路樹を、名古屋市緑政土木局の資料を基にまとめてみました 【PDF】

名古屋の保存樹
名古屋の保存樹は、社寺林を中心に865本。
「尾張名所図会」 を見ると、江戸末期には社寺林も里山林も大半がマツだったようですが、今日の社寺林に残っている大木は、クスノキ(41%)、ムクノキ(13%)、イチョウ(12%)が三羽烏です。
幹周 (数Mに及ぶ巨木もあるが、大半は2M前後) から推定すると、20世紀生まれのものがほとんどで意外に新しい!ようです。
クスノキが4割を占め、参道や社殿まわりなど目立つところに多く生えています。 クスノキは本来、当地での自生は少ないとされています。 昭和初年の流行によって植えられたものと思います。
イチョウは、どこの神社にも目立つところに1~2本は見られます。 中国原産の帰化種で、延焼防止あるいはシンボル的に植えられたと思われます。
一方、ムクノキエノキなどのニレ科は、脇や裏手にまとまって生えているケースをよく見かけます。 自生の割合が結構高いのではないかと思います。
平地林では、落葉樹であるムクノキやエノキが先行して、その後に照葉樹であるクロガネモチなどが進出するようですが、クロガネモチは6%。 同じ照葉樹でも、クスノキの前に影が薄くなっています。 熱田神宮でも、ムクノキ‐クロガネモチ林が伊勢湾台風で被害を受け、その後クロガネモチの影が薄くなっているようです。
なお、東部丘陵の社寺林では、名古屋の里山林の代表格であるアベマキが2割を占めています (最多はクスノキの3割)。 台地や低地の社寺林とは違う特徴を見せています。

名古屋の街路樹
街路樹は、高木(3M以上)、中木(0.6~3M)、低木(0.6M未満) に分けられています。
高木では、トウカエデイチョウハナミズキナンキンハゼ、…と、紅葉の美しい帰化種が上位を占めています。 在来種の比率は低く、里山林や社寺林とは全く異なる構成です。
そうした中で20位以内には、ハナノキヒトツバタゴシデコブシなど東海地区に局所分布している希少種も顔を見せています。 これは、希少種の温存? それとも人為的な拡散・撹乱? ビミョーです。
高木では落葉樹が大半を占めていますが、中低木では常緑樹が大半です。
「落葉樹の高木層+照葉樹の低木層」 という組み合わせになっていますが、低木においては栽培品種の割合が高く、里山林や社寺林の樹種構成とはかなり違います。
街路樹の場合、見栄えや管理のしやすさは重要な要素であり、自然の摂理との兼ね合いをどう考えればよいのか? 今まで何気なく見ていただけですが、考えてみる必要がありそうです。

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