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モノサシなごや (都市の緑のモノサシづくり)

都市の自然とどうつきあうか?
評価の目安は何だろう?
名古屋の緑を写真に撮って、都市の生物多様性を考えています。

[17-1027] ●名古屋の野鳥マップ(改訂版)

2017年10月27日 | ●報告書



名古屋に飛来する野鳥は、約200種。
水鳥・陸鳥/シティ派・深窓派/土着派・出稼ぎ派/地べた好き・樹上好き/・・・
いろんなタイプに分けて、
どこにいるか? マップにしてみました。

この「野鳥マップ」は、まだまだ試作品です。
昨年7月にアップしましたが(16-0712号)、今回、改訂しました。
タイプ分けの基準などをカイゼンしましたが、
一層のカイゼンに向けて、
わかりにくい所、見当違いの所、違和感のある所…を、率直にご指摘いただけると幸いです。

★一括ダウンロードは、 ➡【PDF】
 (以下は、マップの一部紹介です)





「スズメが減った」という声も聞きますが、陸鳥の横綱(全市の年間累計観察数No.1)は、今もスズメ
調査された52地区のすべてにおいて、年間を通して見かけます。
スズメのエサ場になる草地のある所では、特にたくさん群れています。
昔はあまり見かけなかったヒヨドリムクドリも、今では市街地の鳥としてすっかり定着。
ドバト(伝書バトの野生化)と並ぶ大関です。
ここ20‐30年の間に都会ズレしたカラスも、ハシボソ(元来は畑好き)が関脇、ハシブト(元来は樹林好き)が前頭2枚目です。
東京ではハシブトが優勢ですが、名古屋ではハシボソのほうが優勢です。
夏鳥の代表ツバメは前頭筆頭、冬鳥の代表ツグミは同4枚目です。
同9枚目に食い込んでいるのがコゲラ(小型のキツツキ)。
かつては東谷山にしかいませんでしたが、公園樹の成長に伴って1990年頃から市街地に進出。
今では、堀川より東側(台地・丘陵地)では珍しくなくなりました。

水鳥で一番多いのは、カワウ
一時は絶滅が危惧された鳥ですが、各地の水質改善(エサの回復)に伴って市街地河川やため池にもすっかり定着し、フン害で嫌われるほどに。
カルガモサギ類も、各地で見かけるようになりました。
冬の水鳥はカモ類が主役。コガモマガモは、市内各地の水辺で見られます。
特にマガモは、夏を越す個体が市内のあちこちで見られるようになりました(留鳥化)。
またスズガモのように、河口部に集中するものもいます。
冬の名古屋城のお堀をにぎやかにしているのは、ユリカモメ。前頭筆頭です。

1980年代以降、このような野鳥の都市への回帰・定着傾向が、名古屋だけでなく欧州の都市においてもみられます。






使用したデータは、名古屋市緑政土木局による「名古屋の野鳥2014
これに、
名古屋大学生物研究会による名古屋大学構内のデータを加え、計52地区について比較しました。
以下では、
市内で観察された204種のうち、渡りの時期に通過(一時立ち寄り)するだけの63種を除外し、
繁殖期(5‐7月)と越冬期(12‐2月)に観察された141種について、分析しました。






陸鳥の種数が多いのは、四隅の拠点緑地(北東=東谷山・大村池大久手池/北西=庄内緑地/南西=荘内川河口/南東=大高緑地) 東山植物園
水鳥の種数が多いのは、河口部。うち庄内川河口は、陸鳥も多様(草地・ヨシ原好きの鳥、猛禽類など)。





陸鳥79種を、タイプ分けしてみました。
A.シティ派 : 各地でよく見かける(52地区のうち9割以上に出現)。 スズメ、ムクドリ、ヒヨドリ、ツバメ、ツグミなど9種。
B.準シティ派 : 割と見かける(同6割以上)。 ウグイス、メジロ、コゲラ、ジョウビタキなど11種。
C.中間派 : いる所にはいる(同2割以上)。 ヒバリ、キジ、ヤマガラ、オオヨシキリ、ルリビタキなど19種。
D.深窓派 : 名古屋では珍しい(同2割未満)。 ヤマドリ、タヒバリ、ホトトギスなど40種。





生息環境・採食場所・営巣場所で整理しなおすと…。
シティ派・準シティ派には、△H 高所営巣・地上採食(スズメ、ハト、カラスのように、樹上等に巣をかけてエサは地上で食べる)タイプが多いようです。
一方、深窓派では、H高所営巣とL低所営巣、△地上採食・●樹上採食・★☆飛翔採食が、それぞれ拮抗しています。





繁殖期と越冬期を分けて、種数を比較してみました。
エサの少ない冬には多くの鳥が市街地へも飛来するため、どの地区も越冬期のほうが種数が多くなります(平均1.5倍)。
【 A 】 四隅の拠点緑地は、繁殖期・越冬期ともに他を引き離しています。特に■東谷山は、繁殖期の種数がダントツ。
【 A'】 ■東山植物園○名古屋城は、繁殖期はBなみだが、越冬期にはAなみに増加(35種以上)。
【 B 】 東部丘陵の主要緑地庄内川河川敷は、繁殖期は概ね15~20種、越冬期は20~35種。 
  大規模緑地(50ha以上)と中規模緑地(10~50ha)の比較では、繁殖期には差がないが、越冬期には大規模緑地の方が一段多い。 
  ■天白公園(26ha)、■明徳公園(21ha)は、丘陵地の緑地の中で標準的な位置にある。
  社寺林の代表格である○熱田神宮(19ha)と■興正寺(12ha)は、Cグループとの接点に近い位置にある。
  意外に健闘しているのが■名古屋大学
【 B'】 ○鶴舞公園(24ha)は、繁殖期にはCの小規模公園なみだが、越冬期にはBの大規模緑地並みに増加(29種)。
【 C 】 10ha未満の緑地・公園庄内川以外の河川は、概ね繁殖期15種以下、越冬期19種以下。
     * 繁殖期に市内で見られるシティ派・準シティ派は15種、越冬期は19種なので、中間派・深窓派はほとんど見られない。

  




シティ派・準シティ派の種数は、地区による差が少ない。
これに対して中間派・深窓派については、大きな差がある。
また中間派・深窓派の内訳を見ると、河川敷では開けた場所好きが多く、丘陵地の緑地では樹林好きが多い。






水鳥62種を、タイプ分けしてみました。
A.シティ派 : 各地でよく見かける(52地区のうち9割以上に出現)。 カワウ( 1種)。
B.準シティ派 : 割と見かける(同6割以上)。 カルガモ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、カワセミ、カイツブリ、コガモ、マガモ(8種)。
C.中間派 : いる所にはいる(同2割以上)。 ゴイサギ、コアジサシ、ユリカモメ、ホシハジロなど16種。
D.深窓派 : 見られる場所が限られる(同2割未満)。 スズガモ(河口部)、カワアイサ(内陸河川)、オシドリ(ため池)など37種。






渡り鳥(カモ類、シギ・チドリ類、カモメ類など)の種数が多いのは、河口部
大きなため池(大村池大久手池、牧野ヶ池など)がこれに次ぐ。
小規模な水辺では、留鳥(カワウ、カルガモ、サギ類など)が主体。




マップの一部を、以下にご紹介します。
この続き(夏鳥、冬鳥)は、下記でダウンロードしてください。

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以上は、マップの一部です。
この続きは、下記でダウンロードしてください。

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