空に問う。

空に問うても果てがない

山科照子

2017-08-20 14:42:42 | 日記
貞子に加奈子と言えばリングと呪怨の主人公の女性・・・。しかしおいらに取っての貞子は「山科照子」

あれはもう10年くらい前かなぁ・・・。朝五時ころ目が覚めてトイレに行ったら、玄関のチャイムが鳴ったんだ。何度も鳴るので母が起きてきた。おいらもすぐに玄関に行って電気をつけたら、ガラス戸の向こうに黒い人影。

母がパジャマのままで鍵を開けて、戸を薄く引くと、喪服姿の中年女性が立っていた。髪は少し短めで伏目がち。

もちろんそんな人は知りません。

どちら様ですか・・・と母が訊くと、

「●●町の山科照子と申します。この度は・・・・」たぶんご愁傷様でしたと言ったんだと思う。手には数珠を巻いていた。朝の五時。もちろん我が家に葬式はないし、喪中でもない。呆気に取られていると、同じ紹介を繰り返すした。

「あのどなたかとお間違えでは・・・」と母が尋ね、おいらは「ウチ葬式ないですよ」と言った。

そしたらたぶん近くの○○○町の○○さんのお宅ではないかとか細い声で訊き返してきた。もちろん違いますよ答えたら、引き戸を開けて玄関に入ろうとするので止めた・・・。すると父も何事かと起きて来てきた。

ちょうど○○町との境にはなるのだが、○○さんに母も心当たりがない。そう伝えようとすると踵を返して挨拶もなく去っていった・・・・。

おいらはそれからもう一度寝たんだけど、もちろん悪夢を見た。気になってすぐに玄関の外に出たけど女性の姿はなかった。

ぼんやりと今もその姿を憶えてる・・・。

後日談になるが、新聞で死亡欄を数日分確認したけど○○○町の○○さんは亡くなっていなかったし、念のために友達にも訊いたけど、そんな家知らないと言われた。んでNTTの個人電話帳を何年分も調べたけど山科という家はなかった・・・。

悪夢から目覚めた後に母と話したんだけど、あれほど明瞭に聞こえた「●●町の山科照子と申します・・・」とい
う紹介を訊いてないんだな・・・母は。

昨日珍しく誰かの口から「山科」という言葉を訊いた。それは京都の山科区なので住所なんだけど、移動販売の和菓子屋さんの親父さんから訊いた・・・。しばらく忘れていたんだけど・・・「山科」と訊けば「照子」なんだよね。テルコにもたくさん漢字はあるけれど・・・たぶん照子なんだと思う。

ハッキリと見えたから、たぶん人間なんだとは思う。いま思うと喪服もなんだか汚れていたような気がする。顔も上げないでごにゃごにゃ言うので母の口調は厳しかったようだ。痴呆症か、精神病患者と思ったらしい・・・。

まあ声を聴いて姿は見えるけど触れた訳ではないから、生きた人間なのかの判断は出来ない。動きのすべてがスローリーなのにおいらが外に出て通りまで出た時にはどこにも姿はなかったんだ。車で移動したような音もなかった・・・。

思うと、あれから我が家は目に見える不幸に襲われるようになったと思うんだ・・・。

山科照子を主人公にしたホラーでも書かなきゃいけないかな(笑)。

我が家のある町内は元々小さな湾で昔は綺麗な砂浜があった。昔からその○○と呼ばれる岬はお盆の時に海で亡くなった方が帰ってくる場所と言われており、神隠しの場所としても有名だったし、その海岸には夜になると白く光る大きなモノが出ると言われ、海坊主とも宇宙人とも噂されていた。

で、湾の反対側の海岸と山の稜線を削り今は坂道が出来ているんだけど、おいらはそこで何人もの生き霊や幽霊を見てる。勝手に名付け呼んでいるが”一条戻り坂”なのだ。あの世とこの世の境界線がぼやけた場所がすぐそこにある。まっ、その坂で事故が多発するとか、神隠しにあったなんて話はないけれど・・・。

どうも・・・山科照子は家が並ぶ通りの方から歩いてきた訳ではない。トイレは玄関の横にあるので、前を歩けば音がするし、トイレの窓は網戸になっていたので目の前を通れば見えるはず。

おいらの家は隣に空き地があって道の行き止まり。道路から一段高い場所にあるし、突き当りに階段はない。法面は平行だし、落差は3メートルはあるので大人でも登れないし、無理して登る必要もないんだ・・・。

ああああああ!

怖い。

まあ親戚でもないし、鯨幕を張ってる訳でも喪中と書かれた紙もない。朝の五時に尋ねてくる方が異常なんだけど、今思うと、その存在感は異様で異質だった・・なぁ。

実はおいら霊は視えるけどビビりなので幽霊話や怪談など苦手なんだなぁ・・・・。

です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿