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みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

みりんの徒然声 春の終わりその4

2016-04-08 22:53:26 | 日記
あたしがあの人に会ったのはね、そうちょうどあの駅の辺りでね、昔あそこは山だった。あたしは女学生でお昼に山の中でお弁当を食べていたの。授業に遅れそうになって慌てて駆け出したら、同じようにのんびりしていたあの人にぶつかった。ごめんなさい、と走りだそうとしたあたしにあの人は、これ、落としましたよってあたしがいつも身に付けていた大切な鈴を綺麗なハンカチで拭いて渡してくれた。それであたしは恋に落ちたの。それからは、毎日あの人と山の中で風景を眺めながら、ご飯を食べた。幸せな時間だったよ、だけどある日あの人が言ったの。僕はあなたを幸せには出来ません。だけどあなたの幸せは、願っています。って。あたしは最後にあの人に鈴をあげたの。それっきり。そのあと直ぐにあたしは流行り病で死んじゃったしね。はあ?何なのよ、それ、あんた怒りなさいよ、幸せになって下さいなんて男の自己満じゃない?ああ、なんか腹が立ってきた。今からそいつをこれからそいつを殴りに行こうか~。思わず怒りと共に歌いだしたあたしを、幽霊の彼女は、ありがとーと言ってから、そういう時代だったのよ、だからお姉さんがうらやましい。と言った。少し冷静になってからあれ?っと思った。あたしが産まれる前からあそこは駅だった。山なんて見たことなかった。そういう時代?流行り病?あたしは彼女にとりあえず出かけるよ、駅に。そこにそいつ来るんでしょ?と靴を履きながら彼女に聞いた。うん、来ると思う多分。あんた何者?とも聞いた。彼女はふふふと笑って、幽霊だよ、あとはまだ秘密だよ。と言った。勿体ぶってと言いながらあたしと彼女は家を出た。

続く~。