電動キックボードMEISYA列伝

電動キックボードなどの特定小型原付全般のブログです。
毎回、少しマニアックな視点で書いています。

電動キックボードMEISYA列伝 #23 LIBERIDE CITY PRO

2024-09-22 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者のmojyaoです。

 

最近、電動キックボードの新機種の発表がめっきり少なくなり、正直に言うとネタに困り気味です。去る9月2日付けで発表の性能等確認試験の合格リストの中でもスクータータイプの物が多くなり、特定小型原付の主流は確実に電動キックボードでは無くなっているような印象も受けます。

 

まあ、実生活において特定原付を使用するにあたってはスクータータイプや自転車型などの非電動キックボード型の方が圧倒的に使い勝手が良いのは当然です。

 

しかしながら、キックボード型にも利点はあって、部屋の中にも持ち運べるなどの可搬性に優れているということだと思います。

 

雨風が防げるガレージが無い場合は戸建てや集合などの住宅の種類を問わずに保管場所に困るものです。

 

雨風が完全に防げなければ車体の寿命はやはり縮まる物です。

 

さて、今回はLIBERAIDE CITY PROを取り上げていきたいと思います。最後までお付き合い頂ければと思います。

 

先ほど、雨風がどうのとは言いましたが、このモデルは防水性能が極めて高いというのが最も特筆するべき点かな?とは思います。IPX7という防水性能を備えていて豪雨の中での使用にも耐えるようです。

 

今回のモデルは沖縄の業者から発売されているのですが、沖縄という所は突然スコールに見舞われたりする所です。

 

乗った時は快晴でも突然、バケツをひっくり返したような雨に打たれるのが珍しく無いという土地柄です。

 

そう考えると今回の車種は風土に適した仕様と言っても良いのかな?と思います。

 

また、この車種はレンタルとしての用途を割と全面に押し出しているような印象を公式のサイトから読み取れるのですが、私の個人的な感想としてはそれに見合って車体全体から堅牢なオーラが出ているという印象も受けます。

 

タイヤの設定もレンタル用途を意識してなのか、フォームタイヤというタイヤを採用しています。これは、空気を入れないタイプのタイヤで、ただのゴムの塊のタイヤである所謂、ソリッドタイヤの改良版です。これはタイヤの側面に穴を開けることでただのゴムの塊のタイヤよりもショックの吸収性が良くなります。

 

しかしながら、空気が入っているタイヤに比べるとゴムだけのタイヤではどうあがいても走りは悪くなるものです。ですが、ソリッドタイヤはパンクをすることは無いし、空気圧の管理というメンテナンスの手間が省けるということを考えると特にレンタル用途には相性が良いんじゃ無いかな?とは思います。

あと、この車種は各部のジオメトリーが絶妙にバランス良くまとまっているという印象も受けます。

 

どういうことかというと、ホイールベースが十分にあって、適度にキャスター角が付いていて、ステアリングのオフセットが取ってあってそれでいてトレール量が確保されているという事です。

 

それら各部の詳細は他の電動キックボードと同様に公式では未発表なので、このブログでお馴染みの推定寸法にはなるのですが、ホイールベースは850mm程度のようで、キャスター角は約15°のようで、ステアオフセットが15mm程のようで、トレール量が12.6mm程のようです。

 

他にはブレーキは前後でドラムを採用しているということなのですが、これは電動キックボードにおいては意外と珍しいことで、私個人的にはドラムブレーキのほうが好みだったりもします。

 

電動キックボードで使われるディスクブレーキというのは制動性能そのものは非常によろしいのですが、フィーリングに癖がある物がほとんどで、大半が所謂、カックンブレーキなんですよ。

 

特定小型原付枠であれば時速は20km/hが上限という世界ですので、私個人の感想としてはディスクブレーキというのはいささかオーバースペックという印象を受けます。

 

まあ、この事に関しては賛否両論が多分あるとは思いますし、第一に車体の設計上、ディスクブレーキしか採用できないというケースもあると思います。どこぞの個人の乗り物好きの戯言として片づけていただけるとありがたいです。

 

最後に今回のモデルは価格が27万5千円と電動キックボードの中では正直、高額です。購入を検討する人にとってはそこが最大のネックになるとは思いますが、その価格に見合った耐久性を備えているのであればトータル的に考えた場合、決して高い物では無いとは思います。

 

また、価格を除けば性能的には申し分が無いと思えるので穴場的な車種とも言えると思います。

 

誰も乗っていない車種に乗りたい人には持ってこいだと思いますし、電動キックボードの歴史を振り返った時にはきっとレアな一台にはなるかと思います。ですが、電動キックボードが世間から嫌われている現状と今現在、電動キックボードを利用している人達の趣向を照らし合わせると余りにも非現実的な考えだというのは承知の上です。

 

それではごきげんよう~


電動キックボードMEISYA列伝 #22 exs1TKG

2024-09-01 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者mojyaoです。

 

暑い日がまだまだ続きますが、空の色はすっかり秋の様相を示してきました。

皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

秋と言えば巷ではよく、ツーリングの秋とかと言ったりもしますが、私個人的にはそれに少しの疑問を抱いていまして、秋って本当にツーリングに適しているとはとてもじゃないけど思えないんですよ。

 

何故かと言うと真っ先には台風です。折角、ツーリングの計画を立てたとしてもその日に台風が直撃なんてこともしばしばで、一人きりの日帰りツーリングだったら日程を延期すれば良いのですが、グループでのツーリングや宿を取っている場合となると関係する人すべての日程を簡単に変更するというわけにもいかないんですよ。

 

更には秋は日が短いです。ツーリングというのは薄暗くなる前には宿に到着か帰宅というのが安全を考えた上では理想となるので、どうしても行動範囲も狭くなりがちです。

 

私が思うにツーリングというのは、日も長く、あまり寒くも無く、台風とは無縁の梅雨入り直前くらいが一番理想なんじゃないのかな?って思います。

 

まあ、このブログは電動キックボードをメインとしていますので、そういった距離を走るツーリングというのはあまり関係が無い事なのですが、乗るに適した時期とそうでない時期というのは電動キックボードもだいたいはオートバイと同じなんじゃないのかな?って思います。

 

さて、今回はこのブログでは久々のエントリーモデルのexs1TKGを取り上げていきたいと思います。最後までお付き合いいただければと思います。

 

先ほど久々のエントリーモデルとは言いましたが、このモデルの最大の魅力はなんと言っても価格が安いということだけではなく、装備もしっかりしているという点だと思います。

 

今回のモデルはエントリーモデルの代表格のES1PROと基本的にはそっくりで、価格もほぼ同じなのですが、今回のモデルの場合はリアにもサスペンションが付いているんですね。

 

例えおまけのようなサスペンションでもそれが有ると無いとではやはり違いがあって、乗り味がどうのというのは勿論なのですが、機械的な部分の保護という意味でも特別な理由が無い限りはやっぱりサスはあったほうがよろしいんじゃないかな?とは思います。

 

あと、今回のモデルは前後に独立したウインカーランプがあるというのも良い点だと思います。

電動キックボードの多くはデザイン性の向上という目的とコスト上の関係もあってなのか、ウインカーランプはハンドルのバーエンドに付いているという物が多く、モデルによっては最高速度表示灯までウインカーと兼用という物もあります。

 

ハンドルのバーエンドにランプを付けた場合、対向車からの視認性はさほど問題は無いのですが、後続車からの視認性については疑問があったりもします。

 

何故かと言うと、見る角度によっては折角のランプが体に隠れてしまいやすいんですよ。

 

今回のモデルのように最初から見やすい位置に付いていれば他人から見落とされるということも減るんじゃないかな?とは思います。

 

あと、リヤサスが付いているにも関わらずに車体全長が1100mmとコンパクトなのも良いですね。ライバル車種に当たるであろうES1PROが車体全長1080mmですから、サスを付けてもわずか20mmしか伸びてないということです。つまり両者の車格はほぼ同等と言っても良いかと思います。

 

そう言えば、今回の車種はクラウドファンディングにて資金を集めたのですが、出資後に販売証明書だけが送られてきて、先に役所での登録と自賠責保険に加入。そしてそれらを証明する書類を提出。確認後にようやく商品を発送するという謎のスタイルを取っていましたが、諸々の事情により発送が大幅に遅延したために多くの批判がありました。

 

簡単に言うと、手元に車体が無いのに保険の加入と納税の義務が発生するという状態になるわけです。

 

まあ、特定小型原付は制度の開始前から法令遵守という観点で相当、物議を醸していたわけですから、今回の車種が当初、そのような方法を取っていたという背景も分からないわけではありません。ちなみに今現在ではそうした方法は取らずに普通に買えるようです。

 

そう言えばこのモデルは元々、一般原付の電動キックボードとして発表されていた物で特定小型原付モデルはTKGという名が追加されています。

 

で、そのTKGというのは特定小型原付をローマ字書きしたときの頭文字を取ったもののようなのですが、これにはトリビアっぽいエピソードがあって、これを名付けたのは今回のモデルを取り扱うカスタムジャパンでは無く、とあるバイク屋さんの店員だったようです。

 

そのバイク屋さんの動画の中で特定小型原付、略してTKGと言ったことが一部の間で広まって今回のモデルではそれをそのまま採用するという形になったようです。

 

電動キックボードや特定小型原付界隈はまだまだ狭い世界なのですが、こうしてある意味口コミみたいな感覚で小さなことが広まっていったというのは私個人的には面白いなと思います。

 

それではごきげんよう~