電動キックボードMEISYA列伝

電動キックボードなどの特定小型原付全般のブログです。
毎回、少しマニアックな視点で書いています。

電動キックボードMEISYA列伝 #9 swift horse K1

2024-02-25 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者mojyaoです。

 

自転車型の特定原付もだいぶ性能等確認試験合格のリストに載るようになってきたのですが、まだまだ世間一般では特定原付=電動キックボードですね。

 

このイメージを払拭するには自転車型の普及こそが必要不可欠なのかな?って私は思っています。

 

さて、今回はswift horse K1を取り上げていきたいと思うのですが、初めてこれを見た時にまずはデザインが斬新だなぁって思いました。デッキの部分とハンドルポストを繋ぐ部分のフレームが目を見張るほどに美しいアーチ形状だったりとか、他のキックボードには無いような意匠を持っているんですね。

 

さらに、機械的な部分でも斬新なアイデアがいくつかあって、バッテリーの脱着方法が他には無いやり方なんですよ。デッキの脇からバッテリーをSDカードみたいに挿すという格好なんですね。これは思い付きそうで思い付かない方法だと思います。

 

そして、防犯対策用のワイヤーロックを掃除機の電源コードみたいに本体に装備しているって言う点も斬新です。これも思い付きそうでなかなか思い付かないですね。

 

ここから先は普通に気がついた点となるのですが、この車種は全長が1230mmと長く、それでいてタイヤのサイズは10インチと電動キックボードの中では普通のサイズなんですよ。

 

これは人間の乗る部分。すなわちデッキのサイズにゆとりがあるってことを意味します。

 

どの位ゆとりがあるかと言うと、当ブログの推定値にはなるのですが、デッキの真っ平らな部分の長さは500mm程度です。これはYADEAのKS6PROやSWALLOWのZERO9liteとほぼ同程度で、その位のゆとりがあるということになります。

 

電動キックボードの場合、デッキが長ければ全長も長くなるという傾向があるため、いろんな部分で余裕が生まれて良いような気もするのですが、ただひとつだけその長さが仇になるという点があったりもします。

 

それはコンパクト性を欠いてしまうということです。特に問題になるのが車に積む場合です。積む車が軽自動車で荷室や後部座席に積む場合、全長が長いと車幅方向に対して真っ直ぐ積めないというケースが出てくるんじゃないのかな?と思います。

 

今の軽自動車は全幅1480mm以下という規定があるのですが、それはボディ外側の寸法のことであって、車内の幅は当然、それよりも狭くなります。で、どのくらい狭くなるかと言うと、ドアや内張などを合わせて片側で130mmくらいです。両側だと260mm位は狭くなるということです。実際に使える幅はどんなに広くても1220mm位になるんですね。

 

余裕を考えると車載に適した電動キックボードの長さは1200mm以下のモデルが無難なんじゃないのかな?と私は思っています。

 

まあ、車幅の方向で真っ直ぐに積めなかったとしても、車の全長方向に真っ直ぐ積むとか、斜め方向に積むとか、なんとかすれば積むことはできるのですが、旅行やキャンプなどで他の人や他の荷物と一緒に電動キックボードを持って行くとなると積むところに困るという事があるかもしれません。

 

もちろん、積む車が3ナンバーとかもっと大きい車だという場合はこの限りではありません。

 

そういった意味で少し大柄な感じのあるswift house K1なのですが、実を言うと重量もヘヴィー級です。24kgです。重量があるモデルの代表格のKS6PROが22kgですので、そこからさらに2kg重いのです。ですが、swift house k1はただ重いだけではないのです。

フレームの材質にアルミニウム合金よりも軽いマグネシウム合金を採用しての重さなんです。ちなみにKS6PROはアルミフレームです。

 

軽い材質を使って同程度のサイズの車種よりも重いわけです。強度が高そうです。

 

ですが、マグネシウムという材質そのものは基本的にくせ者で、腐食しやすいという欠点があります。まあ、マグネシウムとは言ってもマグネシウム合金であるということと、車体には塗装が施されているので、地金が剥き出しになるような傷を付けない限りは短期間で腐るということもないと思います。傷を付けたらすぐにタッチペンで補修をするくらいで良いと思います。

 

そして、腐食しやすい材質であるということから室内保管ができる人向けであるとも言えます。雨ざらし保管だと車体がダメになるのが早いんじゃないのかなって思います。

 

こう書いてしまうとswift house K1に難色を示す人もいるかと思います。ですが、もしこれが仮にアルミフレームだったら重量は24kgじゃ効かなくなりますし、スチール製だったらそれこそ持ち運べるような代物では無くなります。

 

マグネシウム合金を採用するにあたっては多分、いろんな角度から考えたのであろうと私は思っています。

 

あくまで私個人の感想としてのswift house K1はガレージ付きの一軒家に住んでいて、車は3ナンバーを持っていて、ついでに大型のバイクも持っていて、さらには下駄代わりに何かしらの乗り物を持っているっていう層に一番マッチするんじゃないのかな?って思っています。

 

そういった層であればswift house K1を下駄代わりに使うということはせず、メインの車やバイクと同等の扱い方をすると思います。大切なマシンのひとつとして労って使うというのがこのモデルの最もの醍醐味なんじゃないのかな?って私は思っています。

 

それではごきげんよう~


電動キックボードMEISYA列伝 #8 veracity V-lite

2024-02-11 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者mojyaoです。今年の冬は暖冬・・とは以前から言われてはいたのですが、やはり寒いことには変わりがないですし、電動キックボードのバッテリーの減りも早いので早く暖かくならないかな~って思っています。

さて、今回は軽量かつコンパクトさが際立つveracityVliteを取り上げていきたいと思います。最後までお付き合いいただければと思います。

 

で、どのくらい軽量でコンパクトなのか?ということについて触れていこうかと思うのですが、まずは車重からです。14,5kgです。

 

今、数ある電動キックボードは大体10kg台の後半で、重い物では20kgを超えるのですが、10kg台の前半という軽さはすごいなって思いますし、他の車種で10kg台前半って言うのは少ないんですね。

 

で、コンパクト感が最も際立つのが車体の全長です。1015mmなんですね。ここまでくると全長ほぼ1mと言っても良いくらいです。ちなみに他の車種はと言うと1100mm~1200mmの間という物がほとんどで、全長の短い車種のAINOHOT S07やMANTIS jrとかのkaixin X8がベースの車種でも1070mmです。そこからさらに55mm短いってかなりのことだと思います。

 

電動キックボードを車に積もうと考える人は結構いると思いますが、v-liteだったら積めない車はほとんど無いはずです。ひょっとしたら360ccの昔の軽自動車でも積めるんじゃないのかな?って思える位なんですね。

 

ちなみにv-lite以上に小さい電動キックボードを作ろうと思ったら、タイヤを小さくする以外に方法は無いんじゃないのかな?って思います。何故かと言うとホイールベースを短くしてしまうと人間が乗る部分、すなわちデッキの長さが短くなるからです。

 

V-liteの場合、デッキの真っ平らな部分の長さは当ブログの推定値で405mm程度なのですが、これよりもデッキを短くすると足の置き場に困ってくると思います。

 

人間が乗る部分を確保するということを考えると電動キックボードの全長というのは、タイヤのサイズとデッキの長さとその二つから関係してくる前後のタイヤの中心の距離。すなわちホイールベース寸法でほぼ決まるものだと言えると思います。

 

ここからは少し踏み込んだ内容になるのですが、v-liteの場合、ホイールベース寸法はどのくらいなのかと言うと、当ブログの推定値で785mm程度のようです。ちなみに電動キックボード各社はホイールベース値や先ほど述べたデッキの長さなどは公表しておらず、それらを個々に確認するのも大変なので、このブログでは公表していない部分についてはカタログ寸法を元に各部の推定値を算出して比較をするという方法をとっています。

 

同じ方法で他の車種のホイールベース寸法やデッキの長さはどうなのか?と言うと、先ほども触れたkaixin X8系の車種の場合はホイールベース寸法が推定795mm程度のようで、デッキの真っ平らな部分の長さは推定415mm程度のようです。Kaixin X8はタイヤサイスが10インチなのですが、ホイールベース寸法やデッキの長さは8インチタイヤのv-liteと大差が無いので、タイヤのサイズの大小が全長の差に繋がっているようです。

 

v-liteよりももっと車体の短い電動キックボードを作ろうとなったら、よりタイヤを小さくと言うことになるのですが、段差を安定して乗り越えられるかどうかということがより一層、問題になってくると思います。

 

電動キックボードのタイヤの場合、8インチよりも小さい物は6.5インチなのですが、それぞれどのくらいの段差を乗り越えられるかと言うと、8インチで5cm位で6.5インチだと4cm位です。性能等確認試験が3cmの段差なので、余裕を見ると8インチが限界なんじゃないのかな?って私は思っています。

で、タイヤについて触れたついでなのですが、v-liteってタイヤの使い方が面白いんですよ。

前輪がソリッドタイヤで後輪がニューマティックタイヤなんですよ。

 

ちなみにソリッドタイヤというのは空気が入っていないゴムだけのタイヤのことで、ニューマティックというのは空気入りのタイヤのことです。

 

それで、それの一体、どこが面白いのか?ということなのですが、タイヤという物はサイズが小さくなればなるほど空気が抜けやすくなるものなんですよ。で、空気が抜けた状態で走ると中のチューブなんかを傷付けてパンクさせてしまうということもあるんですね。

 

特に後輪は前輪より走行中に荷重がかかるのでその傾向が顕著です。そのことを嫌ってなのか後輪にのみソリッドタイヤをオプションで用意しているっていう車種もあるのですが、v-liteの場合はこれが真逆なんですね。おそらく逆のパターンって言うのは他には無いんじゃないのかな?って思っています。

 

ソリッドタイヤについて触れたついでにもうひとつあるのですが、ハニカムタイヤというソリッドタイヤの改良版のタイヤもあるんですね。これは衝撃を吸収しやすくするためにソリッドタイヤの側面に空洞の穴を開けたものなのですが、今はまだ、これを見かけることはあまり無いとは思います。

 

それではごきげんよう~