電動キックボードMEISYA列伝

電動キックボードなどの特定小型原付全般のブログです。
毎回、少しマニアックな視点で書いています。

電動キックボードMEISYA列伝 #21 Segway-Ninebot D-AIR D-28J2

2024-08-11 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者mojyaoです。

 

いや~。オリンピックということもあってか毎日寝不足だったって言う人も多いんじゃないかな?って思います。

 

で、オリンピックがパリだったということもあって思い出した事があるのですが、そういえばパリって住民投票でレンタルのキックボードが禁止になった街でもあるんですよね。

 

禁止になった理由というのは至極、簡単な理由で、マナーが著しく悪かったからです。

 

ちなみにフランスでのルールは日本と同様に運転免許はいらないのですが、違う点は年齢制限であちらは18歳以上です。また、厳密に言うと向こうでは電動キックボードというものはそもそも私有地での使用のみに限られていた物であって、公道での使用はどうやら黙認されていたようです。

 

また、余談なのですが、フランスではキックボードはトロッティネットと呼ばれているようです。世界的に電動キックボードはe-scooter又はe-scootと呼ばれているようで、電動キックボードと呼ぶのは日本だけです。

 

日本での電動キックボードはフランスとなんだかそっくりなような気もします。

 

先ほども触れましたが、パリ市内でのレンタル電動キックボードの使用が住民投票によって廃止となったわけなのですが、日本国内でも同じ動き若しくは似たような動きにならないよう電動キックボードの運転者は気を配って頂きたいと私は思っています。

 

折角、認められた権利を無駄にしてしまうのは本当に勿体の無いことです。

 

さて、今回はセグウェイブランドのD-AIR D-28J2を取り上げていきたいと思います。最後までお付き合い頂ければと思います。

 

このモデル。珍しいことに濡れた路面での性能を結構と全面に押し出しているというモデルなんですよ。

 

特にタイヤの性能がウェットな路面に強いとのことなのですが、そうしたタイヤを履かせている電動キックボードというのは他にはあまり無いというかほぼ無いんじゃ無いかな?と思います。

 

濡れた路面でも滑らないタイヤという物はどういう物なのかと言うのを簡単に説明すると単に溝が切ってあるタイヤです。

 

要はタイヤに切ってある溝が路面の水を路面とタイヤの外に逃がしてくれるんですね。

つまりは滑る原因となる水を減らして摩擦をできるだけ確保しようというわけです。

 

こういったことは通常、タイヤメーカーの宣伝文句であって車両そのもので宣伝をするというのは本当に珍しいことだと私は思います。

で、このモデルは防水性能も高いようなのですが、注意書きをよく読むと雨の中の走行は避けて下さいと書かれていたりもするんですね。

 

まあ、電気で動く乗り物なわけですから雨は厳禁であることは至極当然なわけです。

 

とは言ってもある程度の防水性能を謳っているので、多少の雨くらいだったら走っても問題ないかとは思います。ですが、その辺の判断は各自の自己責任ということでお願いしたいと思います。

 

他にはこのモデルはモーターの長寿命を謳っていますね。これは簡単に言うと精度が高くてガタが出にくいモーターを採用しているということだとは思いますが、例え宣伝上の文句であったとしてもそのことに触れるということ自体がとても重要なことだと思うんですよ。

 

電動キックボードとかの電気で動くマイクロモビリティではとかく定格出力の数値だけが着目されているようにも思えますが、そもそもその数値というのは設計上の数値なのか実機をテストしての数値なのかが正直わからないんですよ。

 

例え設計上は高い数値を叩き出していたとしても摩擦などで発生するエネルギーの損失が多いようでは実際には設計上の数値なんて出ませんし、著しくひどい場合はモーターが焼けたりして短期間でダメになったりするわけです。

 

電動キックボードをはじめとした電動の乗り物がエコロジーな乗り物という位置づけであるのなら、まずは高出力化をする前にロスを徹底的に減らしていくという設計思想のほうがあくまで私個人的になのですが本来あるべき姿なのではないかと思います。

 

最後に、このモデルはセグウェイという名が付いている割には特別感が無いなぁというのがあくまでも私の超個人的な感想です。

 

まあ、世界をアッと驚かせた並行二輪車のセグウェイがあまりにもエポックメイキングすぎたのであれを凌駕するモデルを出せ!というのも現実的な話ではありませんし、仮に世間がこれまたアッと驚くような電動キックボードをセグウェイが作ったとしても今度は価格が気になるところです。

 

あれほど世界で注目を浴びた並行二輪セグウェイが消えていった理由のひとつが価格の高さだったとは思うのですが、安い車が一台買える値段での電動キックボードがあったとしたなら多分、並行二輪セグウェイと行く末は同じだとは思うんですよ。

 

でも、乗り物マニアという観点から言うと、例え目玉の飛び出るような価格だったとしても世界がアッと驚くような電動キックボードをセグウェイが発表というニュースが流れる日を待ち望んでいたいという気もします。

 

それではごきげんよう~


電動キックボードMEISYA列伝 #20 Hillstone od 608

2024-07-28 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者のmojyaoです。

 

今回はこのブログとしては久々の前輪駆動モデルのHillstone od608を取り上げて生きたいと思います。最後までお付き合いいただければと思います。

 

そういえば以前、このブログで乗り物は基本的に後輪駆動が理想的なんだけど、前輪駆動は前輪駆動でそれまたメリットがあるというようなことを言ったことがあるのですが、書くと結構、長くなるので詳しいことはまたの機会にと言ってそのままだったんですよ。

 

いつか取り上げないといけないな・・とは頭の片隅にはずっとあったのですが、後輪駆動のキックボードに比べれば前輪駆動のキックボードというのは少数派なのでなかなか機会に恵まれなかったんですよ。

 

そんなわけで今回はいつもと少し違って、取り上げるモデルがどうのって言う前に乗り物全般での前輪駆動のメリットとデメリットはなんなのか?ということについて先ずは触れていきたいと思うのですが、まずメリットで真っ先に思い付くのが後輪駆動に比べれば前から車体を引っ張るという点で前輪駆動のほうが直進安定性には有利ということですね。

 

このことは台車を後ろから押すのと前から引っ張るのとではどちらのほうが安定して真っ直ぐ走れるかということと理屈は同じで多分、多くの人は前から引っ張るほうが行きたい方向に安定して進めると言うとは思うんですよ。

 

あと、燃費の面でも前輪駆動のほうが後輪駆動よりも有利になるという傾向があります。これも台車を押すのが楽なのか引くのが楽なのかということと同じ理屈です。

 

で、このブログでも何度も言ってきたことなのですが、乗り物という物はどこかが良くなればどこかが必ず悪くなるというトレードオフの関係に成り立っている物です。

 

反面のデメリットで真っ先に思い付くのはハンドリングが後輪駆動に比べて悪いと言う事です。

 

一概には言い切れませんが、前輪駆動車でトレール量が多い車体ほどハンドリングの悪さは目立つと思います。

 

トレール量があるということはハンドルの復元力があるということで、人によってはセルフステアがあると言ったほうがピンと来るかと思います。どちらの意味も分からないという人の為に別の言い方をすると、タイヤのほうからハンドルを真っ直ぐに戻してくるということです。それが駆動輪で発生するとなると力がさらに大きくなり、曲がりにくい、若しくは曲がらないという事に繋がるのです。

 

この事が前輪駆動車は特にアンダーステアリングの傾向が強いと言われる所以の一つなのです。ちなみにアンダーステアリングというのは、ハンドルの切れ角を一定に保った状態でスロットルを開けていくと徐々に旋回ラインが外側に膨らんでいくということです。

余談なのですが、昔、走り屋なんかがコーナーを曲がりきれなかった時によく「アンダーが出た!」とかと言ったりもしましたが、それはただ単に曲がれないスピードでコーナーに突っ込んでいるだけです。そもそもアンダーとかオーバーとかと言ったステアリング特性というのは車体そのものに備わっている特性なので自分の都合に合わせて変わったりはしません。

 

また、走り屋なんかの乗り物マニアの間ではドリフトなんかをしたりする関係上、アンダーステアを嫌う傾向があるように見受けられるのですが、普通に走る人にとってはステアリング特性はアンダーのほうが扱いやすくて良いとは思います。

 

アンダーの反対のオーバーステアの場合、旋回ラインの内側に巻き込んでいくようになり、極端を言えば最後はスピンをしてしまうのです。

 

他にはフロントタイヤの減りが早いというのも前輪駆動のデメリットとしては挙げられます。後輪駆動の場合、前輪は操舵を担当、後輪は駆動を担当とそれぞれ役割分担があるのですが、前輪駆動の場合は前輪だけが仕事をしていて後輪はただ付いてきているだけなのです。

 

予め断っておきますが、この事はあくまでも前後の重さが均等に近い場合の話であって、前後のどちらかが極端に重かったりする場合はこの限りではありません。

 

それから前輪駆動は加速の面では後輪駆動に比べて若干、不利となる傾向があります。これは加速をする時は車体の後ろ側に荷重がかかるために前輪の摩擦が少なくなるからです。ちなみに、前輪駆動の車種の中でフロントにバッテリーを搭載して前を重くしている物もありますが、重量配分を考えての事なのか、単にバッテリー搭載スペースの問題なのかは正直不明です。

 

さて、ここにきてようやく今回のモデルについて語るのですが、正直言うとこのモデルはコレと言った特徴には乏しいというのがホンネです。が、ひとつ挙げるとすればやはり、直進時の性能は高いかな?ということです。これはトレール量が多く、ホイールベースも長いということがその理由なのですが、トレール量は推定値で22mmのようで、しかもこのモデルは前輪駆動です。同じ数値の後輪駆動車よりも直進性能の高さを実感できるとは思います。また、それに加えてホイールベースも推定値で915mmと長いので走りは勿論の事、乗っていて窮屈ということもないかと思います。

 

それではごきげんよう~


電動キックボードMEISYA列伝 #19 sparco MAX S2

2024-07-14 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者mojyaoです。

 

特定小型原付の制度が始まって丸一年経ちましたが、個人所有の車輌は全然、盛り上がらないですねぇ・・

 

制度開始前は一部の人達の間では盛り上がっていたとは思うのですが、制度開始の数ヶ月前に性能等確認試験というのが発表されて業界は混乱状態になったんですね。

 

その事が各社の発売延期と納期の大幅な遅れに繋がって制度開始直後にまともに買える車種がほぼ無いという状況になったんですね。

 

電動キックボードが欲しいと思っていた人の多くはそんなこんなでついにはどうでも良くなったのでは?とも思いますし、シェアリングなんかの借り物のキックボードに乗る人の違反なんかも多く、どうにも世間の風当たりが悪いから買うのは止めたという人もいるとは思います。

 

まあ、このブログでは兼ねてから特定小型、とりわけ電動キックボードというカテゴリーは一部の乗り物マニアの中のしかもほんの一握りの超マニアックな人達の間で細々とは生き続けていくのでは?と位置づけて来たので、人気がどうのって言うのは正直どうでも良いことなんですが、個人が発信するオリジナル情報がもう少しあれば良いなとは思います。

さて、今回は関東車輌という所が販売をしているsparco MAX S2を取り上げていきたいと思います。最後までお付き合い頂ければと思います。

 

今回の車種を初めて見た時に「なんかluupの車体に似ているなぁ」とは思ったのですが、ふたつを見比べて見るとスタンドの位置は違うし、キャスター角は見るからに違うしで多分、別の車体だとは思います。

 

今回の車種は関東車輌から発売とはいいましたが、大元はイタリアのスパルコというモータースポーツ関連用品を手がける会社の物です。スパルコと言えばバケットシートとかレーシングスーツとかが有名な所なのですが、今回の車種が自社開発の製品かどうかまでは正直不明です。

 

で、このモデルも見た目的にはこれぞまさしくザ・電動キックボードという具合でこれといった特徴には乏しいという印象が否めないのですが、機械的な部分ではリアブレーキにABSが搭載されているというのは大きな特徴かな?とは思います。

 

ABSってやっぱり繊細なブレーキ操作が苦手な人にとってはやっぱりあった方が良いシステムだとは思うんですね。

 

それとフロントブレーキもドラムを採用しているという点も私個人的には良い点だと思います。

 

緊急時には初期制動が強い傾向にあるディスクの方に分があるというのは分かるのですが、カックンブレーキになりやすいという傾向は高いとは思うんですね。下り坂なんかでちょっとブレーキを効かせたいだけなのにカックンとくるようでは乗りにくいですし、謝って前輪をロックさせてしまうと最悪、前転での転倒なんてのもあり得るとは思うんですよ。

今回のモデルは安全性に特に気を配るという人には良いんじゃ無いかな?と思います。

で、ここからは私の超個人的な評価にはなるのですが、このモデルにはひとつとても関心させられる事があるんですよ。

 

それはパーツリストをPDFファイルで無料で公開していると言うことなんですね。

 

パーツリストとはなんぞや?と思う人も居るかも知れないので簡単に言うとその車体のすべての部品が書いてあるリストの事です。文字通りです。

 

何でそんな事に関心させられるのか?と言うとこれが有ると無いとでは自分で車体をメンテナンスとかするのに大きな違いがあるからなんですね。

 

単純にタイヤとかの消耗品を交換するだけだったらそんなリストは無くても部品の発注は簡単なのですが、頻繁に交換するような部品では無い物を交換する必要が出た場合、少なくとも部品の名前というのが分からないと部品の発注をしてみようが無いんですよ。

 

また、部品の名前というのはメーカー毎に同じ役目の物でも呼び名が違っていたりしている場合があったりもしますし、同じ車種の中でも名前は同じだけど別の部品というのがあったりもします。

 

パーツリストがあれば、仮に部品名がわからなくてもそれぞれ個々に固有の部品番号があるので、部品番号と必要な数量を先方に伝えさえすればそれだけで必要な部品が届くんですね。

 

最近では自動車やオートバイなどは当たり前にウェブ上でパーツの部品番号検索が可能なのですが、ちょっと前までの乗り物マニアは自分でパーツリストを持っている人も珍しくはありませんでした。

 

電動キックボード界となるとウェブ上でのパーツ検索を提供しているところは全くありませんし、そもそもそこまでのサービスを利用したがるほどの客層というのもほぼ皆無だとは思います。が、今後、電動キックボードを買う人達というのは乗り物マニアが中心になってくるという可能性を考えると、電動キックボード各社は少なくとも今回の車種みたいにパーツリストを無料公開したほうが良いんじゃないのかな?というのがあくまでも私の超個人的な感想です。

 

ちなみに今回の車種の部品の総数は124点のようです。オートバイに比べればやはり少ないですね。乗り物いじりの超入門教材として電動キックボードという物は正に最適なんじゃないのかな?と私は思っています。

 

それではごきげんよう~


電動キックボードMEISYA列伝 #18 MDX3

2024-06-30 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者のmojyaoです。

 

冒頭から足早なのですが、今回はYADEAから発表のYDX3を取り上げていきたいと思います。最後までお付き合い頂けたらと思います。

 

あくまで私個人的な感想なのですが、このモデルはすっきりした外観で洗練されたデザインを持っているのが特徴だと同時に魅力だなぁって思います。

 

どれとは言いませんが電動キックボードの中には配線類が剥き出しになっているものが割とあるのですが、それらは隠してしまったほうがデザイン的に洗練されているという印象は受けると思うのです。

 

あと、バネが剥き出しになっていないという事もスッキリとした外観に一役買っているのではないかと私は思います。どうしてもバネや配線類が剥き出しになっていると無骨な感じが出やすくなるとは思うのですが、その無骨な感じこそが機械的な精悍さを演出してくれていて良いという人もいるかとは思います。

 

まあ、デザインに関しての好みは人それぞれなのでその点につきましてはここまでということにさせて頂きたいと思いますが、バネについて触れたところでこの車種を車体の横から見ると、バネらしいバネは見あたらず、くの字状のスイングアームだけなんですね。

 

これはメーカーの公式ではポリマー素材を使ったサスペンションを使用と発表をしているのですが、ポリマーという言葉自体は素材そのものの種類を指す言葉では無いために詳細は不明です。

 

で、そのポリマーという素材そのものがバネなのか、バネはバネで別にあってダンパーの役目のみをしているのかは正直、分からないのですが、大昔ゴムだけのサスペンションを採用しているというオートバイはあったんですよ。

 

今から約50年以上前にヤマハ発動機から発売されていたMF-1というホンダのスーパーカブみたいなオートバイなんですが、普通のバネに比べるとあまり良くはなかったみたいで、後に発売された後継車種のヤマハメイトでは普通のバネを採用したという例があります。

 

まあ、今はその時とは違って技術も格段に進歩していますので、当時と同じように考えるというのはナンセンスだと言うことは分かるのですが、耐久性が十分であるということに期待はしたいとは思っています。

なんだかんだとは言いましたが、この手のサスペンション方式の利点はなんと言っても可動範囲を大きく取れるということです。スペース的に制約の多いキックボードにおいては持ってこいの方式なんですね。

 

今回の車種のようなサスペンションを持つモデルは他にもあるのですが、今回のモデルは他とはちょっと一線を画した部分があったりもします。

 

分かり難い部分かも知れませんが、フロントフェンダーの取付方法です。スイングアームに取り付けてあるのでフェンダーもスイングアームと一緒に動くんですね。

 

これはつまり、タイヤがフェンダーを擦る心配が無いという事になるのですが、フェンダーを車体のほうに固定した場合、サスペンションの可動範囲を大きく取れば取るほどタイヤがフェンダーを擦りやすくなるということが考えられるんですね。擦るのを避けようと思ったらオフロードのバイクみたいにタイヤとフェンダーの距離を大きく離すという必要があるんですね。

 

そのほうが格好いいと言われればそれまでなんですが、今回のモデルのフロントフェンダーの取付方法は良く出来た隠れた特徴のひとつと言っても良いのではないのかな?と私は思っています。

 

そして、今回の車種には隠れた特徴がもう一つあるんですよ。ステアリングのオフセットなんですが、これが他の車種には見られないという設定なんですよ。

 

ステアオフセットとは?については過去にこのブログで何度も触れたのですが、簡単におさらいをすると、タイヤの中心線をステアリング軸の中心線から前方にずらすことによって旋回時の安定性を向上させることができるんですね。

 

ところが今回の車種の場合はタイヤの中心線をステアリング軸の中心線から後ろにずらしているんですよ。毎度おなじみの当ブログの推定値ではステアオフセットの量は-15mm程のようです。

 

通常とは逆の向きでオフセットを取っているというのは非常に珍しい事で、向きを逆にすることによってついでに直進安定性の向上に関係するトレール量も大きく取れているんですよ。今回のモデルのトレール量は当ブログの推定値で40mm程のようです。

 

通常、電動キックボードのトレール量は-20mm位から多くても25mm位なので、今回のモデルのトレール量の多さは電動キックボードの中では優れたものと言っても良いかと思います。

 

あと、直進安定性の向上に欠かせないのがホイールベースの長さなのですが、このモデルは短く見積もっても930mm程度はあり、電動キックボードの中では長い部類に入ります。

 

で、ホイールベースが長いということは人間の乗る部分、すなわちデッキの長さも長くなるという傾向にあり、このモデルの推定デッキ長は440mm程度のようです。足の置き場に困るということは無いんじゃないかな?と思います。

 

それと今回のモデルは様々な部分で十分な寸法を確保しているにも関わらずに車体全長が1180mmとコンパクトな事も魅力のひとつだと思います。

 

実に上手い具合に良いとこを取っている一台なんじゃないのかな?と私は思います。

 

それではごきげんよう~


電動キックボードMEISYA列伝 #17 E-KON city

2024-06-16 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者のmojyaoです。

 

ワタクシ、どことは言いませんが、とある地方都市に住んでいて、最近になってようやく自分以外の電動キックボードが公道を走っているのを見ました。

 

自分でさんざん乗り回しているくせに、いざ他人の電動キックボードを見ると路上で何か異変が起きていると感じました。

 

さて、今回はコストパフォーマンスに優れた真のハイエンドモデルのひとつのE-KON cityを取り上げていきたいと思います。最後までお付き合いいただければと思います。

 

先ほど真のハイエンドモデルと言いましたけど、電動キックボード界隈では価格だけでハイエンドモデルかエントリーモデルを区別するという風潮があるようなのですが、私個人的には少し違和感がありまして、特に前後にサスペンションが無いモデルをハイエンドって呼ぶのはどうなのかな?って思うのです。ガタガタの乗り味で高級モデルと呼ぶのはどうなのかな?って思うのです。

 

で、今回のモデルはコストパフォーマンスに優れるとも言いましたが、価格は14万8千円です。このことにつきましては安いエントリーモデルだったら2台は買えるという値段なので全然、安くないじゃないか!と思う人もいるかと思います。

 

確かに約15万円という値段は額面だけで考えれば全然、安くは無いのですが、イニシャルコストという面で考えると約15万弱という金額は高いというわけでもないと私は思うのです。

 

何故かと言うと今回のモデルは航続距離が80kmもあるからなんですよ。電動キックボードの場合、航続距離はだいたい30km~40km位というモデルが多く、中には20km台という物だってあります。

 

電動キックボードで真っ先にダメになりそうな部品と言えばバッテリーだとは思うのですが、バッテリーという物は充電できる回数に限りがあるんですね。

 

同じ距離を走る場合、航続距離が長ければ長いほど充電回数を少なくすることができ、バッテリーの延命という点で有利なんですね。

 

どのモデルとはいいませんが、価格は今回のモデルの半額以上で航続距離は半分以下という車種があります。そうした車種だと同じ条件下での使用では半分以下の期間内でバッテリー交換か買い替えが必要になってきて結局は高く付くということになるんですよ。

 

まあ、これらのことはバッテリーの管理がしっかりできているということが前提となるので、バッテリーが空っぽになるまで使ったりとか、満充電の状態なのに充電器をいつまでも外さなかったりとか、乗らずに放置をしているとかといった場合は別です。

また、冒頭でも触れましたけど前後にサスペンションが装備されているという点も良いですね。安いモデルの場合、サスペンションが前輪のみとか、そもそもサスは無いというケースが多く見受けられるのですが、タイヤからの衝撃をフレームそのものが直に受け止めるようだと車体そのものもダメになるのが早いと思いますし、配線なんかの接続部が外れるとかといったトラブルも出やすくなると思います。

 

配線とかが外れたというだけのトラブルだったら自分で簡単に修理はできるのですが、自分で直すという人は案外少ないんじゃないかな?とは思います。修理に出すという事になろうかとは思いますが、そういったトラブルというのは大抵メーカーの保証期間が過ぎた後にやってくるものです。有償修理となると結局は修理には出さずに買い替えかそのまま放置かという事になるんじゃないのかな?と思います。

 

電動キックボードを長く乗ろうと思ったら新車価格はやはりそれなりのもののほうが長い目でみればお得なわけです。安いモデルになればなるほど乗り物マニア向きとなる傾向が見られ、普通の人は手を出さないほうがよろしいかと思います。

 

また、今回のモデルは価格に見合って定格出力が500Wと特定小型原付の中ではハイパワーな部類となるのですが、車体は少し大柄で重量もそれなりです。全長はカタログ値で1250mmで重量は23kgです。前にもこのブログで言ったことがあるのですが、車体全長が1200mmを超えると軽自動車なんかのコンパクトな車の後部座席の足元に車幅方向で真っ直ぐ積むのが難しくなってきます。

 

まあ、車に積む場合は必ずしも車幅方向に真っ直ぐ積むという必要も無いのでさほど問題にはならないと思うのですが、他の人や荷物と一緒に持ち運ぶという場合には少々、困るというケースはあるかもしれません。

 

また、23kgという重量は輪行など歩いて持ち運ぶには無理がある重さになるかと思います。

総じて今回のモデルは過去にこのブログでも取り上げたこともあるzero9liteに結構、似ているんじゃないかな?とは思います。車体そのものは良さそうであるにも関わらずに歩道モードが無いというだけで人気はいまひとつ・・という点もそっくりです。

 

さて、今回このブログの名物とも言える推定寸法が一切、出てこなかったわけなのですが、実を言うと推定寸法を算出するにあたっては車体の真横から写した画像が無いと難しいんですよ。ハンドルも真っ直ぐでないと難しいんですね。推定寸法を楽しみにしていた方、ご勘弁を。

 

それではごきげんよう~