最初に注意してほしいのが、プロジェクターとPCは直接HDMIでつなぎましょう。余計なVJ機材などをはさむと画質劣化で輪郭がぼやけてしまいますので、きれいにマッピングできません。
Syphonは映像共有のための仕組みで、これを使うことで1台のPC上でVJソフトの映像を交換することができます。例えば、特別な機材を使うことなく、1台のPCで複数のVJソフトの映像を合成して映すことができます。現状、VJ用のミキサーは非常に画質や性能が悪いものしかないので、そういった機材を使うことなくSyphonを使うことで、高画質やリアルタイム性など大きなアドバンテージが得られます。
Syphonを使うには設定やインストールは不要です。ただ対応したソフトを立ち上げるだけで、すぐに使用することができます。
Mac OS X 10.9でVJソフトを起動したら、デフォルトだと出力画面にメニューバーが表示されてしまう、このセカンダリモニタのメニューバーを消す方法は、
- "システム環境設定"を開き
- "Mission Control"を選択
- "ディスプレイごとに個別の操作スペース"のチェックを外す。
これで余計なメニューバーは表示されなくなる。
勝手に仕様変更されるんで困る!それより設定変更の仕方が分かりにくい!
1.プロジェクションマッピング映像の制作手順入門
パフォーマンスの現場で実際に投影しながら映像を作成することもできます。
お金をかけずにやる方法
http://text.tanakakenji.jp/?p=1188
プロジェクションマッピング
2)しかし、投影する立体が複雑な形状の場合や映像の構成が複雑な場合は、本番同様の機材配置でアタリを取り、スタジオに戻って何日もかけて制作-何度かの現場合わせーの末に本番を迎える手順となるでしょう
2.機材
ハードウエア
・pc
一般的なノートPCで良いです。この手法が出だした頃は、PCもそれなりに高性能な物が必要でしたが、現在は性能が向上したので一般的な物で十分です。
・ビデオ機器
プロジェクター:必須ですね。とりあえず1台をあればOKです。
もし、外部映像出力が1つしかないノートPCでプロジェクターを2台使う場合は(ZOTAC ZT-MDP2HD, Matrox TripleHead2Goなど)ありますので、それを使って画面分割しましょう。
またプロジェクターを複数台使う合でも、コントロールするPCは1台で行います。
カメラ機器:実写を自分で撮影するなら、カメラも必要となりますが、スマホの動画撮影機能も十分使えます。
3.ソフトウエア
・リアルタイムビデオマッピング、ビデオプレゼンテーションソフト
様々ありますが、代表的なものは以下です。まずVJソフトで映像をミックスして、その映像をSyphon(*1)でプロジェクションマッピングソフトに渡しすことで、実現します。
- 映像をミックスするソフト。
Modul8(映像の合成、エフェクト、ミキシング 299Euro)、VDMX5(映像の合成、ミキシング)、CoGe(映像の合成、エフェクト、ミキシング), Quartz Composer(映像の生成、エフェクト)、Processing(映像の生成、エフェクト)、openFrameworks etc.
- 映像をプロジェクションマッピングするソフト(SyphonでVJソフトから映像をもらう)。
MadMapper(マッピングツール 299Euro2ライセンス)、VPT(マッピングツール)、Resolume Arena(699ユーロ)
・映像制作用ソフト
AfterEffectsやMotionなど動画の合成、エフェクト、編集アプリ
GIMP 2D画像の制作アプリ
Blender, Softimage, Maya, 3dsMaxなどの3Dグラフィックスアプリ
こちらのエントリで、VDMX5を使ったプロジェクションマッピングの実際の手順を解説します。
*1: Syphonを利用するには、設定やインストールは必要ありません。ただ、対応したソフトを立ち上げるだけで、すぐに使いはじめることができます。
電子工作が得意な方なら、コントローラーを自作してVJプレイをすることも可能です。中にはMIDI機材を自作してしまう方もいますが、最近ではセンサーとパソコンを簡単につなぐ、便利な電子工作キットも販売されているので、初めそちらをオススメします。
筆者が個人的に気に入っているのは、Arduinoというキットで、この手のキットには珍しく、日本語の書籍が出版されています。組み立て方や活用事例が丁寧に解説されていて初心者でも取っ付きやすく、「電子工作はちょっと…。」という方でも楽しんで作ることができます。興味のある方は購入してみると面白いかもしれません。
このArduinoは、圧力センサーや傾きセンサーなどさまざまな電子部品の値をProcessingやPure Dataなどと通信することができるので、例えばDJが特定のアクションを取ったら、仕込んであるセンサーが反応して自動的に映像が流れ始めたり、レコードの回転数に応じて映像のスピードを変化させることだって理論上は可能です。
自分だけの組み合わせを見つける
VJにとっての「組み合わせ」とは、VJプレイのスタイルそのものを決定する大事な設計図ということになります。
イベントや出演アーティストによって機材を組み替えたり、または組み方そのものの順番を変えたりすることも多く、実際にソフトの設定を少し変更しただけで、プレイスタイルをガラッと変化させてしまうことも可能です。
ちょっと極端な例ですが、筆者自身、出演アーティストの多いイベントではアーティスト別に演出方法を変えるため、最高4つのVJソフトを1台のPCで走らせてプレイしたことがあります。この時は、あまりに動作が重くて、なかなかヒヤヒヤしたのですが、PCの処理速度向上に伴って問題は徐々に解消しています。
今回紹介したように、VJの世界はさまざまなアイテムや手法を組み合わせることによって表現の幅を格段に広げることができます。組み合わせの方法は無限大に存在します。組み合わせを駆使して、ぜひ自分だけのVJ表現を追求してみてください。
次回の最終回では、最近のVJトレンドやちょっと未来のVJ予想図をお伝えします。それでは次回もお楽しみに!
参考リンク