電子工作が得意な方なら、コントローラーを自作してVJプレイをすることも可能です。中にはMIDI機材を自作してしまう方もいますが、最近ではセンサーとパソコンを簡単につなぐ、便利な電子工作キットも販売されているので、初めそちらをオススメします。
筆者が個人的に気に入っているのは、Arduinoというキットで、この手のキットには珍しく、日本語の書籍が出版されています。組み立て方や活用事例が丁寧に解説されていて初心者でも取っ付きやすく、「電子工作はちょっと…。」という方でも楽しんで作ることができます。興味のある方は購入してみると面白いかもしれません。
このArduinoは、圧力センサーや傾きセンサーなどさまざまな電子部品の値をProcessingやPure Dataなどと通信することができるので、例えばDJが特定のアクションを取ったら、仕込んであるセンサーが反応して自動的に映像が流れ始めたり、レコードの回転数に応じて映像のスピードを変化させることだって理論上は可能です。
自分だけの組み合わせを見つける
VJにとっての「組み合わせ」とは、VJプレイのスタイルそのものを決定する大事な設計図ということになります。
イベントや出演アーティストによって機材を組み替えたり、または組み方そのものの順番を変えたりすることも多く、実際にソフトの設定を少し変更しただけで、プレイスタイルをガラッと変化させてしまうことも可能です。
ちょっと極端な例ですが、筆者自身、出演アーティストの多いイベントではアーティスト別に演出方法を変えるため、最高4つのVJソフトを1台のPCで走らせてプレイしたことがあります。この時は、あまりに動作が重くて、なかなかヒヤヒヤしたのですが、PCの処理速度向上に伴って問題は徐々に解消しています。
今回紹介したように、VJの世界はさまざまなアイテムや手法を組み合わせることによって表現の幅を格段に広げることができます。組み合わせの方法は無限大に存在します。組み合わせを駆使して、ぜひ自分だけのVJ表現を追求してみてください。
次回の最終回では、最近のVJトレンドやちょっと未来のVJ予想図をお伝えします。それでは次回もお楽しみに!
参考リンク