イラク戦争が開始され、アメリカに追随して参戦した日本。その報復として人質になった日本人3人の現在、そして今も悲劇が続くイラクの問題に鋭く挑んだ本作。当時18歳だった伊藤監督の演説シーンを含む冒頭の反戦デモ。それが僕も参加していた時の映像で、一気に当時の記憶がドバドバっと甦ってきたのでした。映画は人質となった3人の内の2人である今井紀明さんと高遠菜穂子さんの現在を追いながら、イラクの現状やマスコミのあり方に迫って行く。肩肘張らずに淡々とだけど、非常に衝撃的に。
同じ日本人を見殺しにしようとした日本政府と、逆に人間の命を大切にした武装グループ。悲劇ばかり取り上げ、ニュースにならないからと良いことは取り上げず、結果、「自己責任」という暗に「責任を取って死ね」という空気を作り、集団ヒステリーの引き金を引いたマスコミ。
何より酷いのはアメリカの化学兵器による攻撃の影響で、戦争後、急速に増えた先天異常児たち。背中がぱっくり割れて生まれた赤ちゃん、顔が破裂して生後数時間しか生きれなかった赤ちゃんなど、試写室で嗚咽をこらえるのに必死でしたが、今もこれを書きながら震えています。日和った僕でも何が悪くて、何が狂ってるかは分かっているつもりです。日本では原発問題が今も続いていますが、この現実を観て心が動かない政治家は人間でないと思います。まあ、ほとんどの政治家は映画を観ないだろうけど。それにこの映画で「自己責任」と発言した4人の政治家へのインタビューを試みるも、答えてくれたのはたった1人だけ。その答えを聞いて思うのは、やっぱり政治家って想像力に欠けてるアホばっかりやなってことです。じゃなきゃ、特定秘密保護法なんて作ろうと思わないでしょ。
本来なら『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして』のような良質のドキュメンタリーは、テレビで放送するなどして誰でも気軽に観て考える機会をつくるべき。でも、特定秘密保護法があるなしに関わらず、自主規制ばかりしている今のテレビにそんなのは無理でしょうね。時間を何とか作って、多くの人に観て欲しい作品です。
『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして』
2013年12月7日(土)~13日(金)@新宿バルト9
2013年12月7日(土)~13日(金)@広島バルト11
2013年12月21日(土)~27日(金)@横浜ブルグ13
2013年12月21日(土)~27日(金)@梅田ブルグ7
2013年12月28日(土)~2014年1月3日(金)@T・ジョイ京都
2014年1月4日(土)~1月10日(金)T・ジョイ博多
<公式ホームページはこちらから>
映画『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件...そして』予告編
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