

〘 … ■ あらすじ
閑静な別荘地で逢引き中の男女が熊に殺された―。避暑地の美しい景色の中に暮らす人々と、別荘を管理する若い管理人の男女をめぐる不穏な人間模様、さまざまな夫婦の複雑な心理を丁寧に描く。… 〙
… ――『室内楽シリーズ』の狙いを教えてください。
今の社会情勢に触れ、自分の力のなさを感じます。音楽の力を信じ、音楽家としてお客さん、特に若い人と一緒に社会に何ができるか、未来をどうしていくのかを考えて行きたいですね。このシリーズを始めるにあたり、3つのテーマを考えました。「祈り」「愛」「希望」です。そして、それに沿う形で、プログラムを決めました。このプログラミングの作業は、私が最もこだわっているところです。単に弾きたい曲を並べるだけではありません。一つ一つの回に、イメージやストーリー、そしてメッセージがなくてはいけません。
――そんな思いで作られた最初の回「祈り」の中心となる曲が、メシアン の「時の終わりのための四重奏曲」なのですね。
この曲はメシアンが1940年、第二次世界大戦の最中、ドイツの捕虜となった時に知り合った仲間と一緒に、収容所で演奏されました。たまたま仲間の楽器がバイオリン、チェロ、クラリネットだったので、自分がピアノを弾くことで、変則的な楽器編成のカルテットが誕生しました。曲は8楽章で構成されています。キリスト教は7日間で1週間。天地創造の6日に加え、7日目は安息日という考え方です。8という数字は、7日目の休息の日を永遠へと延長し、不変の平穏な8日目が訪れるという考えに由来するものだそうです。8曲はそれぞれに楽器の組み合わせも曲調も違います。とにかく、捕虜収容所の過酷な状況下で作られ、練習も大変だったと思いますが、発表のコンサートには400人もの捕虜が集まったそうです。この曲を演奏する機会はそうあるわけではないので楽しみです。… 〙














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