変人技術士の備忘録(別称:すいりき板改)

技術士の日々の思いつきを列記。
すいりき板は、出身研究室の掲示板(現在閉鎖)
専門用語を不定期掲載

Do not more say(もっと言ってはいけない)

2019-03-02 23:16:28 | 読書
 Kindleで読んだ“もっと言ってはいけない”の感想を以下に記す。内容は、遺伝と知能に関する知見を元に著者の仮設を披露するという仕立てになっている。中国・韓国・日本といった東アジア系のIQが高い理由が、稲作とそれに伴う稠密な人口によるという仮説を立てている。稲作、麦作、農業が進展していない環境に応じて、IQが変わるという仮説は、説得力があるように思う。実際にあっているかは分からない。北欧のIQが高い理由をプロテスタントによる啓蒙としている。東アジア人のIQが高い理由を、科挙と元々IQが高いとしている仮説はある種の説得力がある。人種によって、IQが異なるという話は、確かに受け入れにくい話だと思う。成績が遺伝で決まるという統計も、受け入れにくい話だと思う。受け入れにくいと言って、そこから目をそらすことは、著者が書いているように、良くないと思う。
 本書の紹介で、自己家畜化という表現があり気にかかっていた。読んでみれば、自己家畜化は理解できた。
 本文の最後の文章が印象的である。
 “だがこれは、絶望的な話というわけではない。自分に適した環境に恵まれさえすれば、敏感なS型は(鈍感な)L型よりはるかに大きな喜びを手にすることができるのだから。
 そのことを前提としたうえで、「ひ弱なラン」としてどのような人生の選択をするのかが、すべての日本人(東アジア人)に与えられた課題なのだろう。  
もちろん、どのような人生を選ぼうとあなたの自由だ。“
 著者の仮説が正しいとすれば、遺伝的な設計は変えようがないため、それに適した環境を選んだ方が幸せになれるという事になる。確かに、生得的(遺伝的)に、能力に限界があり、適性があると考えることは自然なように思う。それに適した環境を選ぶという生存戦略は理にかなっているように思う。
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