N.A Cumpsty著Compressor Aerodynamicsについて、順不同のまとめを書いてみる。
遠心圧縮機の設計をしているので、軸流圧縮機の話しは、あまり書かない。
2 General design considerations 一般的な設計上の留意事項
2.1 Introduction 序章
設計上、唯一の最も重要な決定は負荷をどうするかである。
これは通常、圧縮機の段数と回転数を決める事を意味する。
この初期設計は、広範な技能と商業上のデータベースを元にして行われる。
時折、初期設計に関心を払われないが、この初期設計により、破滅的な結果をもたらす場合がある。
軸流(axial)、斜流(mixed)、半径流(radial)の違いについても若干述べられている。
斜流は軸流と半径流に対し、実績が少ないので、利用が限られている可能性がある。
高負荷の半径流圧縮機は、軸流よりも一般に低効率と言われているが、完全にはっきりしていない。
この章で述べている内容は、圧縮機の総合性能と一次元的な取扱いを関連付けるごく簡単な考えである。
2.3 The radial compressorの半径流圧縮機のまとめ
オイラーの式とすべり速度から、後向き羽根がサージ特性に優れることが書かれている。
また、後向き羽根は反動度が高く、インペラ出口の流速が遅くなるので、
効率の良いインペラでの圧力回復の割合が大きくなり、効率が高くなる。
空力に関する重要な形状の特徴として下記が述べられている。
1.カバーの有無(カバー付インペラかオープンインペラか)
・カバー付の利点
軸方向の移動量が大きくてもインペラの先端隙間を小さくできる。⇒高効率、多段機では必須
スラスト力を小さくできる。⇒強度上有利
・オープンインペラの利点
カバーがない分インペラを高速で回転できる⇒段数の低減、小型化しやすい
2.インペラのインデューサーの有無
・インデューサー有の利点
A.シュラウド側の曲率を緩やかに出来る⇒部分的な高速と低密度域の減少⇒高効率
B.スロート面積を大きくできる⇒チョーク流量の増大
・インデューサー有の難点
C.軸方向に長くなる⇒多段機では、軸が長くなり、機械的安定性が悪化する
3.インペラ出口で後向き羽根かラジアル羽根か
・後ろ向き羽根の利点
A.ディフューザーよりも高効率なインペラでの静圧上昇を大きくできる。⇒高効率
B.サージ流量が小さくなる。
C.インペラ出口付近流れのはく離が小さい。コリオリ力の影響で、流れがインペラの回転方向の逆向きに流れようとするため。(6章の遠心圧縮機で同種の内容が述べられている)
・後ろ向き羽根の欠点
D.同じインペラの外周速でも圧力比が小さい(同一圧力比の場合、ラジアルよりも大きい外周速が必要)
E.出口付近の曲げ応力が大きくなりやすい
4.入口案内翼が可変か固定か
・可変入口案内翼の利点
A.インペラ入口の流れの向きを変えることで、処理流量と圧縮機の仕事を変えることが出来る。
[ディフューザー羽根を可変にしても圧縮機の仕事は変えられない]
・可変入口案内翼の難点
B.追加の損失がある
5.ディフューザーが羽根付(vaned)か羽根なし(vaneless)か
・羽根付ディフューザーの利点
A.ディフューザーでの最大圧力回復が大きい用途に適す(広い作動範囲が必要としない場合)。
B.非常に小さい比速度では、羽根なしよりも作動範囲が広くなる。
・羽根付ディフューザーの難点
C.作動範囲が狭くなりやすい。
D. C.により、インペラとディフューザーの整合(matching)が重大な問題になりやすい。
例としては下記の二点。
1.ディフューザーの最大運転流量が、インペラの最小運転流量よりも小さい場合。
2.ディフューザーの最小流量が、インペラの最大流量よりも大きい場合。
良いインペラは次の特徴を持つ。滑り速度が過大にならないように十分な羽根枚数を持つ。
後向き羽根で、出口の高さが外径に対し、小さすぎない。
オープンインペラの場合は、静止太の隙間が十分小さい。
入射角が小さくなるように、入口付近を曲げている。
シュラウドの曲線がなめらかである事。
ディフューザーベーンを使用する際は、平均流れとの入射角を小さくなるように、
ディフューザーベーンを傾けている。
Overview
ここで取り扱っている流れは、二次元性や三次元性を有するが、本質的に一次元である。
(圧縮機の設計には、一次元的な取扱いが重要であることが示唆されている)
また、広範な経験と相関を要するにもかかわらず、一次元的な内容による圧縮機の概念設計が
行われている。
遠心圧縮機の設計をしているので、軸流圧縮機の話しは、あまり書かない。
2 General design considerations 一般的な設計上の留意事項
2.1 Introduction 序章
設計上、唯一の最も重要な決定は負荷をどうするかである。
これは通常、圧縮機の段数と回転数を決める事を意味する。
この初期設計は、広範な技能と商業上のデータベースを元にして行われる。
時折、初期設計に関心を払われないが、この初期設計により、破滅的な結果をもたらす場合がある。
軸流(axial)、斜流(mixed)、半径流(radial)の違いについても若干述べられている。
斜流は軸流と半径流に対し、実績が少ないので、利用が限られている可能性がある。
高負荷の半径流圧縮機は、軸流よりも一般に低効率と言われているが、完全にはっきりしていない。
この章で述べている内容は、圧縮機の総合性能と一次元的な取扱いを関連付けるごく簡単な考えである。
2.3 The radial compressorの半径流圧縮機のまとめ
オイラーの式とすべり速度から、後向き羽根がサージ特性に優れることが書かれている。
また、後向き羽根は反動度が高く、インペラ出口の流速が遅くなるので、
効率の良いインペラでの圧力回復の割合が大きくなり、効率が高くなる。
空力に関する重要な形状の特徴として下記が述べられている。
1.カバーの有無(カバー付インペラかオープンインペラか)
・カバー付の利点
軸方向の移動量が大きくてもインペラの先端隙間を小さくできる。⇒高効率、多段機では必須
スラスト力を小さくできる。⇒強度上有利
・オープンインペラの利点
カバーがない分インペラを高速で回転できる⇒段数の低減、小型化しやすい
2.インペラのインデューサーの有無
・インデューサー有の利点
A.シュラウド側の曲率を緩やかに出来る⇒部分的な高速と低密度域の減少⇒高効率
B.スロート面積を大きくできる⇒チョーク流量の増大
・インデューサー有の難点
C.軸方向に長くなる⇒多段機では、軸が長くなり、機械的安定性が悪化する
3.インペラ出口で後向き羽根かラジアル羽根か
・後ろ向き羽根の利点
A.ディフューザーよりも高効率なインペラでの静圧上昇を大きくできる。⇒高効率
B.サージ流量が小さくなる。
C.インペラ出口付近流れのはく離が小さい。コリオリ力の影響で、流れがインペラの回転方向の逆向きに流れようとするため。(6章の遠心圧縮機で同種の内容が述べられている)
・後ろ向き羽根の欠点
D.同じインペラの外周速でも圧力比が小さい(同一圧力比の場合、ラジアルよりも大きい外周速が必要)
E.出口付近の曲げ応力が大きくなりやすい
4.入口案内翼が可変か固定か
・可変入口案内翼の利点
A.インペラ入口の流れの向きを変えることで、処理流量と圧縮機の仕事を変えることが出来る。
[ディフューザー羽根を可変にしても圧縮機の仕事は変えられない]
・可変入口案内翼の難点
B.追加の損失がある
5.ディフューザーが羽根付(vaned)か羽根なし(vaneless)か
・羽根付ディフューザーの利点
A.ディフューザーでの最大圧力回復が大きい用途に適す(広い作動範囲が必要としない場合)。
B.非常に小さい比速度では、羽根なしよりも作動範囲が広くなる。
・羽根付ディフューザーの難点
C.作動範囲が狭くなりやすい。
D. C.により、インペラとディフューザーの整合(matching)が重大な問題になりやすい。
例としては下記の二点。
1.ディフューザーの最大運転流量が、インペラの最小運転流量よりも小さい場合。
2.ディフューザーの最小流量が、インペラの最大流量よりも大きい場合。
良いインペラは次の特徴を持つ。滑り速度が過大にならないように十分な羽根枚数を持つ。
後向き羽根で、出口の高さが外径に対し、小さすぎない。
オープンインペラの場合は、静止太の隙間が十分小さい。
入射角が小さくなるように、入口付近を曲げている。
シュラウドの曲線がなめらかである事。
ディフューザーベーンを使用する際は、平均流れとの入射角を小さくなるように、
ディフューザーベーンを傾けている。
Overview
ここで取り扱っている流れは、二次元性や三次元性を有するが、本質的に一次元である。
(圧縮機の設計には、一次元的な取扱いが重要であることが示唆されている)
また、広範な経験と相関を要するにもかかわらず、一次元的な内容による圧縮機の概念設計が
行われている。
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