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TAKE IT EASY

☆のんびり、ごろごろ日常日記☆
※愚痴満載blogになりつつあります(泣)

「魍魎の匣」

2006-08-17 22:46:03 | 
魍魎の匣魍魎の匣
京極 夏彦

講談社 1995-01
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京極堂の続きです。
「姑獲鳥の夏」よりさらに分厚い…。
魍魎という小難しい漢字を覚えましたが、使う機会はたぶん来ないですね(笑)

新興宗教だったり、バラバラだったり、マッドサイエンティストだったり、禁断の関係だったりなお話でした。
禁断の関係は想像通りではあったけど、吐き気がするほど自分の中でタブーの領域なんで、話の中で一番きつかった…。生きたままの人をどうこうよりイヤ(それもだろう)
今回登場人物全てが何かに偏執的に夢中になってた気がします。ソレが形のハッキリしない魍魎なんでしょうかねぇ?まぁたいがい間違っても閉所や箱や永遠の命になんぞ執着しようがないですけど。
でも本への執着とかはちょっとわかるかもです。
形の無い魍魎よりも、想像あるいは妄想が頭にあって、それが叶う状況が不意に目の前にできたその瞬間に実行への足を踏み出させる「通り物」の方がよっぽど怖いと思いましたよ。思考の追いつかない「魔が差した」状況の方が回避できない分あとあとがねぇ…。
あと読んでて、宗教は傍から見てる分には面白いけど、やっぱ自分は信仰とか無理だなとしみじみ思いました。


「幸せになるには人間をやめればいいんだよ」だったかな。
この台詞がやけに頭に残りました。
ああ、確かに!と。
死ねってことじゃなく、心を彼岸に飛ばすとか理性なしの動物状態ってことなんだろうと思いますが。簡単に幸せだけを手にするには最適かと。ただ戻って来れないし周りは不幸もいいとこです。

ところで、「筥」と「匣」と「箱」はどう違うんでしょう?
タイトルは何故に話の中で使われていない「匣」なのか。
気になります。


「姑獲鳥の夏」

2006-08-15 22:34:44 | 
姑獲鳥(うぶめ)の夏姑獲鳥(うぶめ)の夏
京極 夏彦

講談社 1994-09
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京極さんの第1作です。
シリーズ全体っていうか作品全体のカバーも題名もちょっとばかしおどろおどろしいんで、ホラーなのかと敬遠してたんですが、そんなこともなくいろいろと興味深い作品でした。
一応括りとしてはミステリらしいんですが、ミステリっていうよりは怪奇小説っぽい感じですね。舞台が昭和だし。なんかこう、江戸川乱歩の世界を彷彿とさせるような…(って江戸川乱歩の本って殆どうろ覚えなんですけど)
スタイルとしてはホームズとワトソン的な2人を中心に展開してる感じですか。記述からの人物のビジュアルがどうにもどんな人にも当てはまらないんで頭での映像化が難しいです。映画版見たほうが想像が楽だろうな…。

話としては、あまり深みにハマり込むタイプだと主人公の1人の関口さんのようにどっぷり鬱になりそうなトコも無きにしも非ず。
目に見えるものが全てではなく、「見えない」ものが本当に「存在しない」かどうかは自分ではわからない。「見えない」ことにしたいという無意識の暗示が目を曇らせていることもある。
自分の中で「あってなならないこと、認めることは事故崩壊につながること」を見えないという状態にしてしまう自己暗示は良い面も悪い面もあるなぁと改めて思った。
自分自身軽く自己暗示に近い「自分への言い聞かせ」を日々行ってるんで、完全にそれが意識的ではなくなったら傍目にはイカレてる状態になると思うと怖い。
精神のありかただったり、宗教だったりの話は興味深いですが、影響受けすぎるとヤバイと頭切り替えて読んだ部分もあります(苦笑)

人間以上のバケモンはいないと思った作品でした。


たまには・・・

2006-04-20 23:21:35 | 
たまには少女マンガを。

4592183312英会話スクールウォーズ 1 (1)
マツモト トモ
白泉社 2006-02-04

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英会話教室に通う事になった女子高生の外国人講師との交流のお話です。
実際使う機会のない英語を知ることもできます(「あなたは意地クソ悪いです」と「げぇ」を覚えました)
まだラヴはないんで、ほとんどギャグマンガに近い感じ。
同じ作者の作品の「キス」から大人の雰囲気を落とした感じでしょうか。
でもメインの男性のキャラは似た雰囲気。
クセがあって意地悪いけど、すごくカッコいい。でも妙なとこに生活感がある。
見てる分にはいいけど、好きになるとしんどそう(笑)
こういう講師がいるんなら英会話やってみたいかも・・・(いないから!)

この方の描く女の子は大好き!(気が付いたら全作持ってるやん)
乙女過ぎず、サバケすぎず、面白くてカワイイ。
男の人もカッコよくて好きですが、たぶんマンガだからいいんだと(笑)

続きが楽しみ♪

「とるこ日記」

2006-04-03 22:58:52 | 
4087804240とるこ日記―“ダメ人間”作家トリオの脱力旅行記
定金 伸治 乙一 松原 真琴
集英社 2006-03

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集英社のWEBサイトで連載されてたものが出版されてたのを買いました。
売り場を探すのに苦労しました。
てっきりジャンプノベルのあたりにあるのかと思いきや、買った店では旅行関係にあった。たぶん店によっては置いてるとこが違いそう。
内容は殆どWEBと一緒。
スペシャルコンテンツが見れると勘違いして買いました(笑)
実際は、本になったからWEB版が最初を残してパスワードを入れないと見れなくなっただけ。
パスワードは本の袋とじ部分に書いてあると言う念の入れよう。
でも、勘が良ければたぶん簡単にわかる。
本になったら読みにくいかなと思ってたけど、うまく作ってあって、WEBと同じでも楽しめました。
表紙裏のすごろくはする人いるんだろうか・・・?
変な笑いがこみ上げるんで、立ち読みはお勧めできない一冊です(笑)

袋とじの乙一さんの短編小説「毒殺天使」が何だか切ない感じで良かったです。
さすが「切なさの達人」かつ「暗黒小説家」(笑)
短編で面白いとおもったのは久しぶり。

「ダ・ヴィンチ・コード」

2006-03-11 17:18:01 | 
4042955061ダ・ヴィンチ・コード 上・中・下巻 3冊セット
ダン・ブラウン 越前 敏弥
角川書店 2006-03-10

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昨日買って、徹夜で一気読みしました。
今読まなきゃ死ぬくらいの勢いで。
一眠りした今となっては何だったのかわからないテンションでした。

(注)以下の文はキリスト教に限らず信仰心の厚い方は不快になられることもあるかもと思いますので、読まない方がよろしいかと思われます。


サスペンスでミステリで宗教学で・・・いろんな要素が組み合わさった話でした。
暗号を解いて聖杯のありかと真実をたどるってとこか。
暗号の意味やそれにまつわる話が「へぇ~」ボタン連発です。特にテンプル騎士団とか、フリーメイソンに。昔から言葉だけでなんかドキドキするもんはありました。(これが萌えっやつ?←違う)
おおよその素地が事実から出来てるとして、マグダラのマリアの血脈は本当に存在するのかな?
去年くらいにテレビでやってたけど、テレビ番組って信用に値はしないもんだしなぁ。
ま、いたとして、「神の子」の血筋ではなく、古代の2つの王家の血筋で、先祖が有名人なお家ってだけ。信仰心もない私からすれば、出自からの移動距離と歴史の壮大さが違う天皇家みたいなもんだね。
もっとも、血筋の証明なんぞ家計図で示せるほど単純じゃないはずだけどね。常にDNA鑑定を実施してきたわけじゃないんだし。

キリスト教会の歴史が血なまぐさくて胡散臭いのは、教科書程度でもわかる事やけど、信者にとってはこの本ってどうなんでしょ?
私は信仰心なんぞないんで、単に雑学的に面白かったけど。
どんな宗教であれ、興すのは人であり、必ず政治的に関ってるし、信仰とそれによる畏怖と弾圧はあるもんで、それを知ってて信仰する気持ちはどんなもんなんでしょうね?
子どもの頃から教えられてきた事で、生活に溶け込んでるし、そこにはある種の「正しさ」が存在してるから、どんな歴史が信仰の形を生み出して作ってきたかは問題ではないのかもね。教会がどんな事をしてたって、確かに存在に救われた人は多いんだろうし。政治的理由である裏の部分が民衆にまでいかないのは、情報が発達してる現代でもかわらないもんね。
歴史を学んだ立場からすると、宗教の信者でなく、指導する立場の人ってどのくらいの信仰心なんだろうと疑問です。真情は本人の物ですからわかりませんけど。

宗教と政治経済の関わりを考える本でした。
ミステリ部分だけなら文庫本1冊で終わりそう(笑)

本のなかもルーヴルの絵の配置と実際の絵の配置は違うらしいんですが、実物見たいなぁ・・・。
ペイの設計した賛否両論のピラミッドも見たい。
もちろん最後のシーンで出てくる逆さピラミッドも!
1月ぐらいイギリスに住んで、1週間ぐらいをパリで過ごしたいもんです(妄想)

「推理小説」

2006-02-20 16:32:07 | 
4309407765推理小説秦 建日子 河出書房新社 2005-12-21by G-Tools


今期第1回の放送を見て、次からずっと見逃し続けてるドラマの原作本。
ようは、犯人を確認したかっただけみたいな(笑)
だいぶ、ドラマとは設定が違うようで、ドラマは登場人物も多く、事件も2つ目があるみたいですね。

この本にあるように、推理小説にはルールがあるんでしょうね。
「見えるように伏線を張っておく」「どんでんがえしが必要」「犯人は身近に」とかね。
当てはまらないのもあるけど、小説の中で言われてるようにそういう本はアンフェアだと文句言われるのかな?
私の場合は伏線無視で、いきなり「こいつだ」と決め付けて読むんでルールは関係ない。酷かったら登場人物の名前のページであたりをつけて読み始めるし(笑)
読み慣れてるとそれでも当たるんだよね~。
むしろ裏切られたほうが嬉しい。
この本の中の読者でも、いろんな感想を読んでも、何で自分の予想と違ったら「おもしろくない」になるのかな?予想通りだとベタやん。テレビのワケわからん探偵の2時間ドラマみたいに、ひねりも無く最後は犯人に説教してれば安心ってことか??
ちなみに私が一番気に入らない展開は「同情して犯人を逃がす」です。
犯人がどうなろうと知ったことじゃない、自首したけりゃすればってキャラの探偵役は別ですが。事件を解決すること、犯人を捕まえる事が「正義」だと思うなら、どれだけ同情しようが、身内だろうが捕まえろよと思う。探偵役を二度としないなら別(笑)


この本での私の予想(ていうか決め付け)は当たってました。
最後まで「あれ?絶対コイツやのに。何で?」って展開やったんで、なかなか予想通りとはいえ面白かった。
「無駄に美人」な強い夏見さんのキャラがツボだとも言える。
好きな女性キャラって共通してるなぁ・・・ほわ~っとした乙女なキャラって好きにならないもん(笑)
ドラマちゃんと見たかったなぁとも思うけど、活字だからこその魅力があると思う作品。どっちにしても犯人の当たりは同じ人につけるけど。
ただ、この本の一番ドキドキする点は、夏見さんの部屋でもなく、寝るときのくせでもなく、大御所の作家さん達にご意見があるような記述です(笑)


「どきどきフェノメノン」

2006-01-03 20:55:58 | 
4048735993どきどきフェノメノン
森 博嗣
角川書店 2005-04-25

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フェノメノン:[phenomenon]現象、兆候


ミステリーではなく、恋愛物(なのか?)
読み始めはなかなか気が乗らなくて読み辛かった(笑)
変な人ばっかりが登場な感じですが、仮に現実だとして、全然あり得ると言うのが世の中の恐ろしいところです。あ、変な坊さんは現実にいるかはよくわかりませんが・・・。
世の中「普通の人」を探すのはかなり難しいです(自分を含めて)。

主人公のカナさん(漢字忘れた)の恋愛感は恋愛物の主人公としてはかなり変わってますが、非常に自分に近いところもあり、それがまた痛い
以下、わかるだけに痛すぎなトコ抜粋。

『生まれながらにして、そのチップが組み込まれていない。回路が不足しているのだ。恋愛に憧れたり、興味をもつことはできても、それは、言葉としての「恋愛」に対する探究心であって、実際には、それを感じるためのセンサや、処理するためのプロセッサが不足している。だから対処できない。』

 以前の恋愛偏差値の「中学生」がよくわかります・・・。
 まだ形成されてないのか、あんたいくつだ?って。
 そんな感じなので、今はこの本で一番好きなトコの気持ちを感じたい今日この頃。↓

『少なくとも、
 とりあえず、
 今は、
 現状は、
 素敵な、
 どきどき。
 どきどきどき。
 もし、今、
 手を離したら、きっと、
 もう二度と、掴めない、
 そんな気がした。
 今だけ・・・・・・。』

だから、夢見るのも大概にしとけ(笑)
でも、(今では)遠くなったこういう気持ちっていいよね~

「クロノス・ジョウンターの伝説」

2005-11-15 21:54:46 | 
4257790539新編クロノス・ジョウンターの伝説
梶尾 真治
朝日ソノラマ 2005-07

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先日のキャラメルボックスの公演「クロノス」の原作本です。
全部で3編。
このうちの1編が芝居。
映画「この胸いっぱいの愛を」もこの中の1編が原作とされてますが、話は全く違う感じ。ま、だから映画の題名でのノベライズが出てるんですけどね。

「吹原和彦の軌跡」はやっぱり舞台の方が面白かったなぁ。
原作にはない設定や出来上がった登場人物のキャラクター、それに見慣れた役者さんが演じている事が大きいですが。
ただ、芝居を見て、原作読んで、冷静になってから出た思いは、残酷な話だということ。
主人公側から見れば芝居を見て感動したように諦めないことの強さが残るけど、助けられた側から見れば全てを犠牲にしたとしか見えない相手と家族にどうすることもできない痛さがある。
しかも、必死で助けてくれようとする相手に好意を持ったように見えるから余計に・・・。
好きな人に助けてもらって、でもその人には永遠に会えなくて、しかもそれは自分の為で、最初の時点で自分が逃げていたらそんな無茶はしなかったはずで。
やりきれないよなぁ・・・。
でも、あとがきで梶尾さんが書いていたように、自分の生命を引き換えにしてもという衝動がもてることは羨ましいと思うのは変わりません。


他の2編は戸籍とか大変な事になるよなぁ・・・。
たぶん普通に80歳ぐらいまでは生きるとすると、130歳くらいまでになるんだし。
生活もどうするんだろう?
写真入のIDはおかしなことになるしねぇ。
ま、フィクションなんだから心配しなくてもいいんだけど(笑)
ラブラブな感じで終わってくれて良かった
(ていうか、こうなったらお互いしか相手にできない・・・)

梶尾さんの「黄泉がえり」原作を読んでみたくなりました。


「きみにしか聞こえない CALLING YOU」

2005-11-05 19:22:43 | 
4044253021きみにしか聞こえない―CALLING YOU
乙一
角川書店 2001-05

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“切なさの達人”と称される乙一さんの本を買ってみた。
(どうでもいいけど、そういうあだ名というかキャッチフレーズは誰がつけてるんだろう・・・。)
短編3作ともに切ないというより痛い。
ファンタジーな物が出てくるのにこんなに痛いとは・・・。
大切な人が死んでしまう話は読む時を選ぶ。
今日はダメな日だったな・・・。
いい話ではあると思うんだけどね、疲れた・・・。
表紙・挿絵を描いている羽住都さんの絵が素晴らしく綺麗で、それこそデビューする切欠になったと思われる雑誌で初めて見た青は忘れられないくらいにすきなのですが、綺麗で作品の挿絵としてあっているからこそ、胸が痛い気持ち倍増でした。


あとがきでの、小説依頼のために食事に誘われ、「食事ごときで仕事を引き受けるか!」と思いつつ食事に行き、上海蟹を食べたせいではないと言いつつ仕事を引き受けた話に和みました(←何か違っ
私が乙一さんに求めるのは「とるこ日記」で見られるバカ話なのだと痛感です。すいません・・・。



一言カード

2005-11-04 23:46:34 | 
会社でネットをしていると、よくniftyの検索で「生協の白石さん」と見かけました。
最初は何の事だかわからなかった(ていうか誰?って感じやった)のですが、

生協の白石さん白石 昌則 東京農工大学の学生の皆さん 4062131676
このように本も出ているほどです。
東京農工大学生協の「一言カード」への要望・質問への答えなんですが、話題になっているだけあって面白かったです。
趣旨に合ったカードでもないモノへもちゃんと答えを返しているところが何とも言えずほわぁ~とくるんですが、同時に大変だなとも思います(笑)
私の通った大学には生協がなかったので羨ましい・・・(本当に通い始めてガッカリした)
ちなみに本ではちゃんと書いてあるようですが、実際の大学生協の掲示板は誤字が大変多くて(・・・わざと?)それもちょっと面白かった。
取り扱って欲しいものランキング3位が「単位」って大学らしいなぁ・・・。

たかが一大学の生協の職員さんが有名になる時代・・・。
ネットってすごいね。


「蝉の羽」

2005-11-01 00:00:36 | 
4061823272蝉の羽―薬屋探偵妖綺談
高里 椎奈
講談社 2003-08

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薬屋シリーズの10です。
寂れた山村が舞台の今回は設定だけはものすごく好みでした。
嵐で孤立した館と同じくらいに好きな、村全体が孤立してある意味広い密室。
密室と言う響きがドキドキする(笑)

トンネル一つダメになったら行く術がない村って実際あるのかな?
あったらものすごく危険ですよね?
中で殺人の疑いのある事件が起こってるのに、本当に道は一つしかないのか?
天候が悪いわけじゃないんだし広いトコあるんやからヘリで行けばいいやんとか思ったけど、それは言わない方がいいのか(笑)

強がりを本当の強さに変えるには時間と努力が必要なのかな。
誰もが見た目どおりに生きているわけではなく、傷を持っていても全く見えないことの方が多い。
知らないってことは相手を傷つけることでもあるね。
強がりを暴いて泣かせてあげることが必ずしも良い事でもない。
そのまま強がっていることでしか心を保てない事もあるのかもしれない。
人の心は難しいね。

このシリーズは色々と考える時間をくれるけど、好みの結末にはならない。
それもいいところかも。
自分の好み、若しくは思い描く結末が欲しいなら自分で書けって(笑)
テキスト読みでなく、映像読みですが書けないのは発想力に欠けるからかな~
書く気がないってのが一番ですか・・・。


「双樹に赤 鴉の暗」

2005-10-27 18:15:02 | 
4061822780双樹に赤 鴉の暗―薬屋探偵妖綺談
高里 椎奈
講談社 2002-10

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薬屋シリーズの9です。
8が飛んでますが、古本屋になかったので・・・。
飛ばしても問題なさげだったから買わないまま(笑)

時間の流れがテーマのお話。
最後まで2つの話が時間を違えてる事に気づかなかった。
長命であるものと短命であるものの時間感覚のズレは不幸なことかどうか。
残酷だけど人間で良かったと思える。
常に見送る立場に居たらいつか壊れそうだ。
不慮の事故でもない限り、確実に出会いの数だけ別れがあるなんて痛すぎる。
昔の権力者が不老長寿を求めた気持ちはわからない。
叶ったとしても、一緒に時を過ごしていくのは無理なのにね。
大切な人がいなかったのかなぁと考えてしまう。

「不幸ってのは至極主観的なものだ」
誰にも自分が幸せか不幸かは決められない。
自分がどう思うか。
でも、周りの言葉に流されてしまう時はあるよね・・・。


「夢の宮-遥けき恋文」

2005-10-22 11:18:31 | 
4086006499夢の宮―遙けき恋文
今野 緒雪
集英社 2005-09

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恋愛物の小説はめったに買わない私が唯一とも言って良いくらい買い続けてるシリーズ物。
中国王朝的は世界観が映画を見ている感じでいいんだろうなぁ。
出てくるのが王子様、お姫様だし。御伽噺みたいでね。
リアルな現実っぽい恋愛小説は苦手らしい(笑)
この本の作者の方の別シリーズの方がたぶん有名で人気だと思います(平積みされてるし)が、そちらは最初の方をちょっと読んだだけですが鳥肌が立つくらいに苦手。題材が全く違うし、それが苦手なとこだったからでしょう。

シリーズ物と言っても、殆どが1タイトル完結で、「夢の宮」という建物と世界だけが同じという小説です。
時代設定されてないので読む順番がないのもいい。

今回の話は、生まれたときから許婚で一度も会ったことがない二人が、手紙だけで恋愛をして、初めて会おうという物。
メールやネットでの出会いとはちょっと違うけど、相手が自分を見たときガッカリしないだろうかっていう不安と会いたいドキドキ感が楽しめます。
ま、そんな小学生低学年向けの少女マンガみたいな展開だけやったらイイ歳した私は楽しくもないんで読みませんが(笑)
シビアすぎるぐらいの悲劇的な展開があったりして、切な過ぎて泣いた。
読んでる途中で、「あれ?変だな」と思う事があって、いろいろ展開を想像しながら読んでいても、半分くらいしか当たってなかったです。
2回目読んだら、1回目の時には分からなかった事情が分かって、何でもないところで泣けました。


このシリーズはツボに嵌るのか必ずと言っていいほど泣くので外では読めない(笑)
でもちゃんとハッピーエンドで終わってくれるので安心(このノベルスでアンハッピーは有り得んやろうけど)。


「本当は知らない」

2005-10-20 19:58:53 | 
4061821989本当は知らない―薬屋探偵妖綺談
高里 椎奈
講談社 2001-08

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薬屋シリーズの第7弾。
ネットから広がる被害(と言って良いのか)の話。
アングラ世界には足を突っ込めるほど電脳世界に詳しくないことを幸いに思えば良いのかな、と思った。
創作の世界とは言え、洗脳するように宗教観を植えつける行為は、実際に現実の電脳世界におけるアングラでも出来る人には出来る行為なんだろうな。そう思うとネットの世界って怖い。でも、ネットに関っていなくても今の社会に存在しているだけで可能か・・・。
無知は罪な場合もあるけど、知らないでいいこともたくさんあるね。

「悪気のない相手に非を認めさせるのは難しい」
「(悪気がないっていうのは)その行為が純粋なだけ、傷つけられた方の怒りは行き場がない。表に出せばそっちが周囲の人間には悪人になってる」
誰かからと言うより、自分が気づかない内に「悪気がない」事を言ったりしてるだろうことが怖くなった。
あと、悪気のない人って結構いるなぁと(笑)

ラストに唐突に出てきた馬にびっくり。
ある意味主犯なのに数ページだけですか・・・。
友情シーンに感動だっただけに拍子抜け?
それも味ですけどね。


「白兎が歌った蜃気楼」

2005-10-19 19:29:06 | 
4061821717白兎が歌った蜃気楼―薬屋探偵妖綺談
高里 椎奈
講談社 2001-02

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薬屋シリーズの第6弾です。
火事と座敷童子の話。
ここまで読んだシリーズの中で一番衝撃的な殺人ミステリーだと思う。
正直事件が解決してもすっきりしない。
犯人がね~どうも受け付けない。
綿密に計画できて、更に精神的にも超越してたら(四季さんみたく)納得いくんやけど、最後がグダグダやった・・・。

ラストの方の座木の台詞
「世の中には死んでも良い、死んで当然だと思われる人間は確かにいる。でも殺して良い人間は何処にもいない」
そうだなぁと思った。
創作物の中でだけあって良いものだと。
ま、本来はどこにもない方がいいんだろうけれど・・・。