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京極堂の続きです。
「姑獲鳥の夏」よりさらに分厚い…。
魍魎という小難しい漢字を覚えましたが、使う機会はたぶん来ないですね(笑)
新興宗教だったり、バラバラだったり、マッドサイエンティストだったり、禁断の関係だったりなお話でした。
禁断の関係は想像通りではあったけど、吐き気がするほど自分の中でタブーの領域なんで、話の中で一番きつかった…。生きたままの人をどうこうよりイヤ(それもだろう)
今回登場人物全てが何かに偏執的に夢中になってた気がします。ソレが形のハッキリしない魍魎なんでしょうかねぇ?まぁたいがい間違っても閉所や箱や永遠の命になんぞ執着しようがないですけど。
でも本への執着とかはちょっとわかるかもです。
形の無い魍魎よりも、想像あるいは妄想が頭にあって、それが叶う状況が不意に目の前にできたその瞬間に実行への足を踏み出させる「通り物」の方がよっぽど怖いと思いましたよ。思考の追いつかない「魔が差した」状況の方が回避できない分あとあとがねぇ…。
あと読んでて、宗教は傍から見てる分には面白いけど、やっぱ自分は信仰とか無理だなとしみじみ思いました。
「幸せになるには人間をやめればいいんだよ」だったかな。
この台詞がやけに頭に残りました。
ああ、確かに!と。
死ねってことじゃなく、心を彼岸に飛ばすとか理性なしの動物状態ってことなんだろうと思いますが。簡単に幸せだけを手にするには最適かと。ただ戻って来れないし周りは不幸もいいとこです。
ところで、「筥」と「匣」と「箱」はどう違うんでしょう?
タイトルは何故に話の中で使われていない「匣」なのか。
気になります。