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自作CO2発生器(化学反応式)

2008-02-16 22:50:33 | 自作CO2発生器(化学反応式)

水草水槽に添加する二酸化炭素をクエン酸と重曹の化学反応で作り出すCO2発生器ができないものかと実験をしてみました。

ネット検索をしてみても化学反応でのCO2添加装置を自作されている方はほとんどおられないようです。クエン酸+重曹+水で簡単に二酸化炭素(CO2)が発生するのですが少量のCO2を発生させ続けることが難しいのが原因のようです。
こうなってくると工作好きなおっさんは妙に燃えるのです。
長期間メンテフリーなこと、コストを抑えること、CO2ストーンが使えることを条件として考え始めたのは数年前… その後徐々に材料を買い揃えたものの,アイデアは頭の中にあったのですが必要に迫られていないのでテンションが上がらず製作にはとりかかっていませんでした。
ところが最近化学反応でのCO2添加の記事を書かれているサイトを見つけたのが刺激になり製作にとりかかったのですがやはりCO2は安定して発生してくれません。あーでもないこーでもないと色々と試して何とかそこそこのものができたのですが発生量が安定しない時があったり微量の添加時に発生が止まってしまうことがあったり夜に止めていて翌朝コックを開けても発生が始まらなかったりとまだまだ未完成な部分もありメンテフリーとは言えないのですが解決策が浮かばず頭打ち状態です。でも今の状態でも発酵式に比べてメリットもある部分もあるので、皆さんの意見やアイデアも聞けるかと思い記事にしてみました。

水草水槽にCO2を添加するのに高圧ボンベを使用する場合、初期投資が高額になるなどの理由で発酵式でのCO2添加をされている方も結構おられますよね。私もメイン水槽から遠い場所に置いた水槽で必要なときに発酵式でCO2を添加することがあるのですが発生が安定しなかったり冬場の温度確保が大変だったりします。
化学反応(発泡する入浴剤をイメージして下さい)なら発酵と違って温度はに気を使わなくても済みます でも反応が激しいので容器の破裂事故も考えに入れなくてはなりません。
微量の水溶液を一定間隔で滴下すれば良いわけですが加圧されているところへ滴下しないといけないので機材が無いと制御が難しそうです。他に方法は無いものかとなんやかんやと試行錯誤をしてたどり着いたのが今回の方法です。

動作原理
ちょっと複雑なのでじっくり読んでくださいね。





クエン酸ボトル(A)から重曹ボトル(B)にクエン酸水溶液が滴下され重曹と反応して発生した二酸化炭素が水槽に供給されます。

ボトルAにクエン酸水溶液を入れボトルBには重曹(粉のまま)を入れます(ボトルAに繋がっているサブタンクは反応を安定させるためのものです)
ボトルBにクエン酸を滴下するとCO2が発生して圧力が上がりチューブdよりスピコン、逆流防止弁経由で水槽内のCO2ストーンにCO2が供給されるとともにチューブcを介してCO2がボトルAに流れ込むのでボトルAの圧力も同時に上がります(圧力はA=B)。ボトルBから水槽へCO2が出て行くのでボトルAとボトルBの間に圧力差が出来ます(A>Bですね)。
チューブcは逆流防止弁が取り付けてあり、B→Aの一方通行なのでボトルAのクエン酸がチューブbを通ってボトルBに滴下されます。チューブbにはボトルB内に逆流防止弁(A→B)がレスポンスを上げるために取り付けてあります。
ボトルBにクエン酸が滴下されると反応が起こりCO2が発生してボトルBの圧力がで再び上がり 後はこの繰り返しでCO2が発生し続けます。きわめてシステマチックでオートマチックでしょ!動力源を必要としないのでどこにでも置けます。
スピコンは水槽への添加量を調節するとともにボトルBの圧力を保つのに必要なので必ず取り付けて下さい。


材料
500cc炭酸水用ペットボトル 3本
5mmパイプ(今回はタミヤプラパイプを使用)
4.5mmパイプ(水作パイプピタッと)
6mmシリコンチューブ
逆流防止弁(スドーCO2チェックバルブ S-570) 2個
クエン酸
重曹
スピードコントローラー
6mm耐圧チューブ
CO2用逆流防止弁
CO2ストーン

☆寸法が指定されているパーツや商品名が明記されているものはこのシステムの重要なパーツですので指定のものを必ず準備して下さい。


作り方



5mmパイプを3cmにカットしたものを6本、4.5mmパイプを5cmにカットしたものを1本準備します。切り口は面取りをしておかないとシリコンチューブを傷つけることがあります。
☆それぞれのパイプの直径は重要事項です。必ず指定のサイズのパイプを使用して下さい。

ペットボトルの蓋に穴を開けます
・サブタンク用 5.8mmのドリルで穴を1つ開けます
・クエン酸ボトル用 5.8mmのドリルで穴を2つ、5,5mmドリルで穴を1つ開けます。
・重曹ボトル用 5.8mmのドリルで穴を3つ開けます。

開けた穴にシリコンチューブを被せたパイプを通してジョイントを作ります。ちょっとでもCO2が漏れると機能しないので必ず指示してある大きさの穴をドリルで開けてください。もちろんシリコンチューブは必ず本物のシリコン製のチューブを使ってください。シリコンタイプ(塩ビ製)じゃありませんよ!。
クエン酸ボトル用の5.5mmの穴は4.5mmパイプ用です。このパイプは後で述べますが安全弁の役割も兼ねているので必ず外径が4.5mmのパイプを使って下さい。
蓋の加工方法はこちらをご覧下さい。






上の写真はクエン酸ボトルのキャップ部分です。チューブbはクエン酸を吸い上げる為のものなのでチューブの先はボトルの底に届いています。



↑こちらは重曹ボトル(B)のキャップ部分です。一番左のチューブbはボトル内で逆流防止弁を下向き(A→Bの一方通行)に取り付けてあります。この逆流防止弁の先からポタポタとクエン酸溶液が滴下されます。
それぞれのボトルにチューブや逆流防止弁を上の写真を参考にして間違わないように接続します。

☆ボトルAのサブタンクへのチューブaをつなぐジョイント(パイプピタッと)は安全弁を兼ねています。
必ず下の画像のようにシリコンチューブをジョイントにきっちり1cm差し込みます。
ちょっとの圧力で外れるようならもう少し深く差し込みます。
1~2kg/cm2の圧力でプシュッと外れて破裂事故をふせぐので必ず指定どおりに接続して下さい。




圧力がかかっている時にボトルBより水槽側でチューブが外れるとボトル間のバランスが崩れ、クエン酸水溶液が一気にボトルBに流れ込んだりするので事故の原因になることがあります。
必ずこの場所で外れることが事故を防ぐ条件となります。
必ず指示通りに製作して下さい。
圧力がかかっているときにジョイントを外したり分解する時には必ず最初にボトルAの圧力を抜いてください。とにかく分解するときはまず最初にボトルAのキャップを緩めることから始めて下さい。

ボトルが倒れると破裂事故も考えられるので3本を束ねてくくったりまとめて容器に入れたりして倒れない工夫をしておきます。

使い方
ボトルAにクエン酸100gと水を200ccを入れて完全に溶かしておきます。
ボトルBに重曹を300g~400gを入れます(水は入れません)
チューブdにコック、スピコン、逆流防止弁、カウンター、CO2ストーンを取り付けます。
各ボトルのキャップがしっかり締まっているのを確認してからボトルAとサブタンクを同時にゆっくり握ってボトルBの中にクエン酸溶液を数滴、滴下します。しばらく様子を見てCO2ストーンから泡が出てこなかったら再度ボトルを握ります。泡がCO2ストーンより出てきたらスピコンで泡の量を調節しながら安定するまで様子を見ます。
これでCO2は発生し続けます。


補足と問題点
・新しくセットしてしばらくは調子がいいのですが、ボトルBに水が溜まるにつれて反応が弱くなっていきます。生成物のクエン酸ナトリウムが重曹が水に溶けるのを邪魔しているのかも知れません。

・コックを閉じて添加を停止してしばらくしてから再度コックを開けるとCO2が発生しないことがあります。原因はよく分からないのですがボトルAのクエン酸水溶液にCO2が溶けてボトルAの圧力が下がるのが原因ではないかと推測しています。ごく微量の添加時にも同じような現象が起こることがあります。

・夜、CO2を出したままにしておいても朝になると添加が止まっていることがあります。夜の急激な気温の低下でボトルAの圧力が下がるのが原因のようです。夏だと発生が続くかも? 温度は一定なら低くても大丈夫ですが温度の変化の影響は受けるようです。

・反応が進むとボトルBに水が溜まり反応が弱くなります。溜まった水を捨てるとしばらくは元気に泡が出ますがまたすぐに弱くなります。圧力が抜けてしまうので再起動に多量のクエン酸を必要とするので頻繁に水を捨てているとクエン酸をたくさん使ってしまいます。

・本来ならボトルBと水槽の間に(チューブd)安全対策としてキャッチタンクを取り付けるのですがこれを取り付けるとタンクBのサブタンクとしても機能するのでタンクBの容量が増えることになり、その結果圧力が下がるのが遅くなってボトルAの微妙な圧力低下などでボトルAB間の圧力差が出ずCO2の発生が止まってしまうことがあり、今回はキャッチタンクは取り付けていません。必ず倒れないように対策をしてください。

・今回はこちらのショップでクエン酸と重曹を購入しました。両方とも買えるので運賃が節約できます。価格も安いうえ1kg単位で購入できます。代金も後払いです。
クエン酸1kgと重曹を2kg買って運賃なども含めて¥1600ほどでした。これをすべて反応させると(重曹がちょっと余りますが)二酸化炭素が687g発生する計算になります。小型のCO2ボンベ9本分に相当するので結構な量です。

・今回使っている逆流防止弁はちょっと高価でショップでもあまり見かけませんが、微妙な圧力差で動作しているこのシステムでは他の逆流防止弁だと抵抗が大きいのでCO2発生器がうまく動作しません。本来の使用方法ではないクエン酸水溶液の逆流防止にも使っていますがアクリルとシリコンゴムでできているのと もし壊れてもそれほど問題ではない場所なので大丈夫かな…と勝手に判断しています。

・今回の反応式です

3NaHCO3+HOOCC(OH)(CH2COOH)2
→ C3H4(OH)(COONa)3+3CO2+3H2O

3重曹と1クエン酸で1クエン酸ナトリウムと3炭酸ガスと3水 が生成されます。
分子量はクエン酸が192、重曹が84、二酸化炭素が44です。
クエン酸1つに対して3つの重曹が必要なので、クエン酸と重曹の重量比は192:252≒1:1.3です。
重曹の約半分の重さの二酸化炭素(CO2)が得られます。
クエン酸が100gに対して重曹は130gですね。重曹は水に溶けにくいので今回はかなり多めに使っています。
久しぶりに化学式とにらめっこをしました。すっかり忘れ去っていました。考えたら考えるほど頭がこんがらがってしまいました。計算に間違いがあればご指摘ください。

・反応が弱くなってきたら重曹ボトルに溜まった水を捨てると復活しますが圧力が抜けてしまうので再起動するのにそれなりのクエン酸を消費します。何度も再セットすると結構な量を消費します。

・ペットボトルがどれぐらいの圧力に耐えられるのか調べていたら、実験系のサイトでペットボトルロケットに0.8Mpaまで加圧している記事がありました。結構な圧力まで耐えられるようです。今回のCO2発生器は0.2Mpa以下で考えているのでトラブルが無ければ大丈夫なはずですがずっと加圧状態になるのでキズやへこみが無いかしっかりチェックしてから使ってください。

・発酵式に比べて温度の影響を受けない(温度変化の影響は受けますが)うえ化学反応なので一応制御ができます。どちらかというと微量の添加は苦手です(ADAのカウンターで1秒間に1滴以下)。分岐して2つの水槽に添加することも可能ですが起動時のスピコンの調節が微妙です。どっちみちスピコンが2個必要なのでもう1セットを作った方が手っ取り早いかも。

・現在の課題は微量な添加でも長時間安定して供給できるようにすることと夜間OFFにしても翌朝確実に再起動出来るようにすることです。 今のところ長時間のOFFは苦手なので電磁弁での制御は微妙です(朝、再起動しない)。電磁弁が使えれば小型CO2ボンベと比べてもメリットが出るのですが。

・重曹が粉のうちはレスポンスが良いので安定しているのですが重曹ボトルに水が溜まってくると反応が急に弱くなります。何とかしたい弱点の一つです。上の式を見れば分かるようにCO2と同時にH2O(水)が生成されるので思っている以上の速さで水が溜まります。

・圧力がかかっているときはペットボトルを上から覗かないてください。チューブが外れて飛んできたり中身が噴出することがあるかも知れませんので。

・ペットボトルの蓋は上記の方法で必ずシリコンチューブ(外径6mm、内径4mm)を使って製作してください。エアー用ジョイントを接着剤やシーラントで接着する方法では接着部分が外れてCO2漏れの原因となることがあります。


このCO2発生器はまだまだ実用的とは言えません 何かを思いついても検証をするのに時間が必要なのでなかなか先に進めません。進歩があったら報告させていただきます。

☆補足
この記事を書いた時点ではまだ実験段階で未完成でしたが その後バージョンⅡ&Ⅲを経て「実用版」にたどり着いています。

長い記事になりますが順を追って読んでいただけるとありがたいです。


続編はこちら

その続編(CO2発生器Ⅲ)はこちら

そのまた続編の実用版はこちら


製作される前に必ずこちらをお読み下さい。

☆古い記事への書き込みも大歓迎です。



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9 コメント

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はじめまして (かわぢ)
2008-02-17 02:53:11
いつも楽しく読ませて頂いています。
二酸化炭素の添加を安全かつ低コストで行うというのは私にとっても永遠の課題です。そんなところに真正面から取り組んでいらっしゃる姿に頭が下がります。
今回の記事を拝読していて思いついたことがあるので、参考になるかどうかわかりませんが、ちょっと書かせて頂きます。
昔、化学で気体を発生させる実験装置に「キップの装置」というのがあるというのを習いました。なんでもこの装置は一定量の気体がたまると反応が自動的に停止し、気体を取り出すと自動的に反応が開始され、再び一定量たまると反応が停止するというものです。「キップの装置」でググってもらえれば色々引っかかると思います。最上部の液溜めに栓をし、中断の部屋からスピコン経由で二酸化炭素を取り出す構造にすれば、なかなか使えるのではないかと思いました。理科の実験で使うためにペットボトルで自作された先生もいらっしゃるようです。
ご参考になれば幸いです。
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装置 (mizuwarabi)
2008-02-17 22:08:35
かわぢさん 情報ありがとうございます。
長文の難解な記事を読んでくださったんですね。
「キップの装置」早速調べさせていただきました。反応させる片方が固体であることが条件のようですね。私のはこの装置の1バリエーションと言えますね。
今日もちょこちょこっといじくったものを試していました。進歩したものができたら記事にしますので今後ともよろしくお願いいたします。
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美しい! (cheepappa)
2008-02-19 13:47:02
こんにちは
最近「水作パイプピタッと」が300円以下で
売っていると用もないのに買い足してしまう
cheepappaです。

エ~ト、逆止弁で陰圧を作り出す事で動き続ける機関・・・
という事でしょうか?動力レスなんですね、美しい!
再起動問題がクリアすれば、完璧なタイマー制御へ。
更なる展開、楽しみにしています。

私はライトの上の発酵式ボトルで
ゆる~く時間制御して(されてんの?)ますが、
酵母さまに大御心のままに添加されています。
返信する
パイプ (mizuwarabi)
2008-02-19 19:42:07
cheepappaさん
中身を入れてすぐの昼間はちゃんと動くのですが…
いろいろ付け足して実験をしていますが(それも2セット)とっても怪しいものになっています。
以前蛍光灯の上にペットボトルを2本横置きにしていたら蛍光灯本体の安定器部分が熱で変形して波打ってしまいました。

「パイプピタッと」って2色あるんですよ。見つけたら買うのでキスゴムが余りまくりです。
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すごいです (mf)
2008-02-21 12:10:51
私も色々作ることが好きですが、ほとんどが既製品の
アイデアを使っているものです、何も無い所から作ることに頭が下がります。
勝手ですがリンクさせていただきました。
返信する
リンク (mizuwarabi)
2008-02-21 19:17:04
mfさん

リンクの件、わざわざ連絡いただきありがとうございます。大歓迎ですよ。
こちらからもリンクさせていただきますね。

気まぐれな更新のブログですが今後ともよろしくお願いいたします。



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飽くなき追求 (ossyan)
2008-02-29 00:44:55
mizuwarabiさんのCO2添加に対する飽くなき追求、まだまだ続きそうですね。私の場合は化学反応式添加器を追求せずに、早々と小型ボンベに走ってしまいましたが、そこが凡人(私)とmizuwarabiさんの違いですね。

まだまだいじくっているようですので、進化版を楽しみにしています。

あと、0.2MPaG未満で運用されないと、40L以上の容積になった場合第二種圧力容器かも。将来巨大水槽で運用する場合は注意が必要ですよ。
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圧力 (mizuwarabi)
2008-02-29 19:56:20
ossyanさん
一応ゲージを取り付けて注意していますがそれほど圧力は高くはありません。できればもっと小型にしたいのですが適当な容器が思い浮かびません。
それに材料費も結構かかります(すでに小型ボンベセットが買えるぐらい?)とにかく夜間に止めても翌日に起動できるぐらいまではがんばりますが、メイン水槽は5kgのボンベを使っているので一時的に使うことはあるかも知れませんが使い続けるかといえば?です。微妙な構造なので胸をはっておすすめできるところまではたどり着いていません。
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神はサイコロ遊びをする (ああいえばこういう熱力学)
2024-04-03 14:17:27
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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