Mizuna's Message for You

コスプレイヤー・望月瑞菜のブログです。

あさき、夢みし…。

2010年03月07日 | いろいろ
ここ数日間、まんが版源氏物語「あさきゆめみし」を読んでいました。
源氏物語を読むなんて、学生のころに流し読みした以来。
じっくりと読んでいると、まんがとはいえ、なかなか進まないです。

登場する多くの女性たちの中でも、私は紫の上にあこがれますね。
やさしく、いじらしく、かわいらしく…。大好きです。
なので、源氏に対しては「ばかやろー!!」と思うようなことばかり。こんなに悲しませて!
…っと、失礼しました(^^;。
でもでも、なんでこんなに女性を苦しませるようなことばかりするのか。そういう時代だったのかもしれませんけれど…。

はじめのころは、そんな気持ちで読み進めていましたが、読み終わるころにはもう、気持ちがむなしくなって仕方がありませんでした。
なかでも、紫の上の死の前後の話が、ほんとうに悲しい。
これだけ源氏を一心に支えてきた女性だから、どんな場面でも、内面の苦しみを決して悟らせないように、最後まで振る舞っていたんですよね。自分自身が心労で伏せってしまうまでに。
でも、源氏がそれに気がつくのは、亡くなった後。
たったひとりの大切な人でさえ、幸福に逝かせることができなかったのか…と嘆く源氏の姿。
遅い!なんで、紫の上が生きているときに、もっと気付いてあげれなかったんだろう、どうしてもっと早く手をさしのべてあげられなかったんだろう…とも思いますが、
あまりにいろんなものを持って生きてきた人だから、唯一のものを失うその時まで、彼女のかけがえのなさに気がつけなかったのかもしれませんね。

気付いたときには、その人はもういない。
とりかえすことのできない、その夢のようなすべてが、私にはたまらなく、むなしく、悲しく感じます。


古典である源氏物語を、これだけドラマティックにいきいきと私たちに見せてくれる大和和紀先生のお力、本当に貴重なものですよね。
文章で読んだときよりもずっと、女性たちひとりひとりの生きかた、時代の情景、四季の趣…、
それらが、うつくしい作画とともに空気をともなって、読み進めることができました。

とくにやっぱり、私の中では、紫の上…なんですよね。
最後の最後で、彼女の想いは少しでも救われたのかな、と思いたいです。
その後の源氏も、いくら自分の行いがたたったとはいえ、彼女を思い続ける様子が、あまりにせつなくて。
その姿を、紫の上なら、なんてかわいそうなこと…と思ってしまうでしょうね。
でもそれも生きてこそのもので、故人となってしまえば、なにも出来ない。
そんなこともまた、せつなくて、むなしい…。

ひさびさの長文となりましたが、最後に想うことは…。
妻は絶対、夫よりも長生きすること!ですね。
より悲しまなければならないのは、きっと残されたほうだと思うから。