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李丘さん新刊「甘い恋の手ざわり」

2012-02-19 21:28:39 | BLコミック・小説
本日、1つコミコミさんから荷物が届きました。
毎度の週末です(笑)
今回は3冊と少なめです


ちょっとパソコンに触っているのが嫌になっちゃったので、届いた勢いで一冊読んでみました。






李丘那岐:原作 水名瀬雅良:絵
「【コミコミ特典イラストカード付★】甘い恋の手ざわり」 B’
幻冬舎




兄貴はおまえを抱いてはくれないだろう?

高級クラブでボーイとして働く恵。儚げな美貌は嫉妬と羨望の的だが、「いずれ革縫製の工房を持つ」目標と幼い頃から大好きな兄のこと以外、眼中にない。その日、まだ若いがやり手の実業家・柏木が来店した。彼のシガレットケースが自分の作品と気づき、それがとても大切にされている様子に嬉しくなる恵。ところが誤解から強引に唇を奪われて…?




李丘さんの作品は割に毎回サクサク読めるので、今回もサクサクと一気読みしました。



両親は既に亡くなっていて、今は俳優として活躍している兄・頼だけが唯一の肉親の恵。
実業家で、恵が働いている店の常連・柏木

もともと革職人だった恵の働いていた工場が倒産し、今は再び職人として働けるよう水商売の世界で必死に金をためる日々だった恵の前に、柏木は突然現れる。
そもそも、贔屓のホステスがいたが、たまたまその日はそのホステスが休みで。
雑用として代わりのホステスにいいようにこき使われていた。

恵を雇ってくれたママは恵の母の友人で。
悪い虫が付かないようについた嘘・・・「恵はゲ○だから」

変な虫が付かない代わりに敵も増やしてしまう結果となったが、
その日は恵には想像もつかない最悪が待っていた。

代わりのホステスから恵がゲ○だと聞いた柏木が真に受けてホステスと恵を騙す形でホテルにまんまと引っ張りこんだのだ。


柏木が持っていたシガレットケース・・・

それはかつての工房で恵が作った物だった
それに気付いて嬉しさから変な行動を取ってしまった恵は、柏木に詫びる機会が出来たとホステスに言われるままホテルへ出向いてしまう。


嘘をついていた報いなのか?
強引に柏木に抱かれてしまった恵
でも、それ以上にシガレットケースは大事に愛用していたわけでなく、譲られたからしかたなく使っていると聞かされた心の痛みが大きかった

でも、もうこれで縁は切れると思っていたのに・・・
何を思ったら恵を気に入って、本人の意思関係なく誘いをかけてくる柏木。
スポンサーとなっているドラマの撮影現場に行くから一緒に行くか?というのもそうだった。

自分を疎み、何をしても苛立ったような言動を取る兄・頼。
それでも根底は優しくて。
でも、兄の家を出てからはロクに会えていない。
恵の心を大きく動かす誘いだった

久しぶりに再会した兄はやっぱり不機嫌で。
しかし、それを見ていた柏木が誤解するような物言いをした事で、柏木を警戒する頼は恵を自分の付き人として雇うと言い出して・・・




こんな感じで進みます。

途中、柏木に対する気持ちが恋だと気付いてしまった恵は、決して自分のモノにはならないだろう柏木に誤解されされたままにしてみたり。
柏木もまた恵が誤解している事をイイ事に、わざと頼の名を出して煽るような事を言ったり、こちらもまた誤解させるような事を言ってみたり。

互いに互いを思っているのに、ワザと頼を噛ませてのやり取り

結局は、自信は無いけど気持ちに揺らぎが無い恵に柏木が完全にオチていたわけで。
恵もまた最初の出会いこそ最悪だったが、振り回されているうちにどんどん彼を好きになって。
その最大のアピールの仕方が、自分の為に出資してくれた柏木に着て貰いたいと感じた皮のジャケット作り。
それを正しく感じ取ってくれた柏木が着て恵のアパートに現れた事で、互いの気持ちを打ち明け合って結ばれます。



ブラコン&皮フェチ男と、相手の意見を聞かず突き進むクセのある、ちょっぴり?(笑)虐めっ子男の恋物語でした。






その後話になる「甘い愛の告白」

恋人同士になると、グッと甘い雰囲気が恵からダダ漏れているみたいで、頼の機嫌はすこぶる悪いわけですが(爆)、
柏木からすれば、別れた(妻から離婚を迫られた)妻の為に建てた筈の家に1人で住んで5年。
そこに妻の代わりに恵の姿がある

売らなくて良かった思う反面、いつまでも自分のところに飛び込んできてくれない恵にイラ付く柏木。
それを恵にぶつけてしまうが、見た目を裏切る揺るがない恵の気持ちを聞いた柏木は、
恵にとって必要なのは「ついてこい!」でも、「俺のモノになれ」でもなかったんだと思い出させ、「自信が付くまで待っててやる」と返す。


同居未満という感じのお話でしたが、確実に柏木は恵という人間を把握しつつあり、
恵もまた全力で甘えるべき時は甘え切ってる感じで。
相変わらず素直じゃなくて可哀想なのは恵の兄、頼って感じですかね?(笑)








実は、最初、虐めっ子体質(泣きそうな顔にゾクゾクする・・・とか)な柏木に、苛めるよりは甘やかしを好む私は「ああ、この作品ダメかな~?」と思いながら読んでました。
でも、甘えさせて蕩けさせて感じ過ぎて涙目になって欲しいとあって、かなり柏木に対する気持ちが変わりました(^^)
恵も流されそうな顔に見えて、意外に頑固で一途な面を持っているので、
案外、イイコンビなのかもしれませんね。

いつになったら柏木の家に引っ越す気になってくれるのか?
また、口ではいろいろ言いながら、それでも自分だけを慕ってくれる弟の存在に癒されてきた頼は今後どうなるのか?

私は案外、マネージャーの鈴木さんとくっ付いちゃうんじゃ?と思ったり思わなかったり(≧m≦)ぷっ!

柏木は頼にとってとても気に食わない相手になったわけですが、柏木との喧嘩で、今までずっと抑圧された人生を送ってきた頼が人間らしい表情や口調になるのを恵も鈴木も喜んでるし。
柏木ってこう見えて救世主?(爆爆爆)



実は、お兄ちゃんが弟を密かに弟以上に愛していた・・・な展開になるのかな?とワクワクしながら読んでいたんですが(笑)、その辺は嬉しさを素直に表せないだけのお兄ちゃんで。
実は兄も相当のブラコンだった事を見抜いた柏木から弟離れを強引にさせられちゃって(^^ゞ

しかし、部屋中に兄のポスターを貼りまくり。
邪険にされても兄が大事!と胸を張る弟と、どっちがブラコン的には上だったんですかね?(爆)
弟は結局兄からどこの馬の骨とも・・な柏木に攫われちゃいましたけどね (* ̄m ̄) ププッ



読んでる最中よりも、後半になってなかなか面白いお話だ!と思わせてくれた一冊でした。







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