<新刊情報>
「一番すきな花 4」 前・中・後・完。
今度こそ、ちゃんと終わらせます。ニノ潤がくっつきます。翔サトもニノ潤のいちゃいちゃしている予定です。シェアハウス本です。
<設定>
大野 智 サラリーマン。結婚のために購入した一軒家でシェアハウスを始める。その住人の一人、櫻井と正式にお付き合いすることにした。
二宮 和也 塾講師。松本に一目惚れしてシェアハウスに引っ越す。ゆっくり松本との距離を縮めている間に櫻井たちに先を越される。松本とはキスまでの関係。付き合っているのかはまだ微妙。
松本 潤 美容師。二宮に告白され、検討中。櫻井と大野が付き合うことを知って焦った二宮に流され、キスまでは受け入れてしまう。ただし、まだOKしたわけではない。
相葉 雅紀 フリーター。コミュ力が高く、気遣いも出来る人。ただし、そういう自分に疲れている。若干、自分の道を見失っている。
櫻井 翔 エリート官僚。親に敷かれたレールを進むことに息苦しさを感じ始め、家を出る。このシェアハウスに来たのはたまたま。だが大野のことを心憎からず思うようになり、お付き合いすることに。付き合っている事実をみんなにメールで知らせることで、余計な介入をシャットアウトした策士。
<立読み>
櫻井が送った“大野とお付き合いします”メールは少なからぬ波紋を生んだ。
二宮は先を越されたことにちょっと焦る。
櫻井と大野の仲を怪しいとは思っていたが、こんな風に急展開するとは思わなかった。
松本はシェアハウスの住人同士が付き合うという前例が出来てほっとする。気持ちが少しばかり軽くなった。
二宮と付き合うことを検討する時、引っかかるのは他の住人達のことだ。一緒に暮らす仲間が付き合っていたら気まずいだろう。少なくとも自分はいらぬ気を遣ってしまう。
周りにそういう迷惑をかけるのを松本は厭うた。だが櫻井と大野も付き合っているなら、気にする必要はない。
二宮とのことを前向きに考えてもいいかもと思った。
そして相葉はただただ櫻井と大野が幸せであることを願う。
大野とも櫻井とも付き合いは浅い。だが相葉は二人の事を好きになっていた。
自分が好きな人には幸せでいてもらいたい。
受け止め方はそれぞれ違ったが、三人ともドキドキしながら朝を迎える。
櫻井や大野と顔を合わせた時、どんな反応をするのが正解なのかわからなかった。
その答えが出ないまま、朝が来る。
相葉はいつもより早く自室を出た。目が覚めてしまい、じっとしていられない。
リビングでまったりしながら、二人への対応を考えようと思った。
だが相葉より先に大野がリビングにいる。休みの日なのに、いつもより早かった。ソファに座ってニュースを見ている。
食事当番の櫻井はキッチンで朝食を作っていた。オープンキッチンのため、その姿はリビングからもよく見える。
相葉は一つ、深呼吸した。
「おはよう」
ちょっと気合を入れて、大野と櫻井に声をかける。
いつもどおりに振舞おうと決めた。二人の関係にはとりあえず言及しないことにする。
「おはよう」
大野から同じように挨拶が返ってきた。だが言葉だけで、その視線はテレビから外れない。
大野のお気に入りのお天気キャラクターが天気予報を読み上げていた。
「おはよう。今日は早いね」
櫻井が大野の代わりのように相葉に対応する。それもいつもと変わらない光景だ。
常から櫻井はさりげなく大野のフォローをしている。
「うん。早く目が覚めちゃった」
相葉は苦笑した。その理由は口にしない。櫻井も聞かなかった。
大野と並んで相葉はソファに座る。
大野も櫻井もあまりに普段どおりで、相葉は困惑した。
(昨夜のメール、夢じゃないよね?)
不安になる。
昨日のメールについて確認したくなった。
だがその前に、二宮と松本が起きてきた。
「……おはよう」
寝起きの悪い松本はぼーっとしている。それはいつも通りに見えるが、いつもより疲れているようにも見えた。
「なんか、疲れてない?」
大野が心配して松本に声を掛ける。
「んー……」
松本は曖昧な返事をした。
「昨日、寝付くのが遅かったから」
寝不足だと理由を口にする。
だが松本は昨夜、いつもの時間に部屋に行った。先に自室に戻った櫻井や大野はそのことを知らないかもしれないが、相葉は知っている。
寝不足の理由が気になり、相葉はちらりと松本の方を見た。
松本の後ろの方にいた二宮と目が合う。二宮は相葉と同じように松本と大野のやり取りを黙って聞いていた。
相葉を見て、二宮はにやりと口の端を上げる。
(え? 何? どういうこと?)
相葉は動揺した。
寝付くのが遅くなった理由をなんとなく察する。
(もしかして、ニノたちも付き合うことになったのかな)
二人の関係が進展したのかもしれないと勘ぐった。
寝不足になるようなことをしていたのではないかと疑う。
だが、もし二宮と松本が付き合うことになったのなら、松本はともかく二宮が黙っているのは可笑しい。
櫻井と大野が自分達の関係をオープンにした今、自分達の関係を二宮と松本が秘密にする理由はないだろう。
(まだ付き合うまではいっていないということか?)
考えすぎて、相葉は悶々とする。
「出来たよ~」
櫻井の声が響いた。
4人はわらわらとダイニングテーブルに着く。もともとは椅子が四脚だったテーブルは5人で食事が出来るように椅子を一脚買い足していた。みんなでテーブルを囲む。
今日は週末で櫻井と大野は休みだ。
食事当番の櫻井はともかく、大野には朝早く起きる理由はない。寝ていてもいいのに、大野はみんなと一緒にご飯を食べることを選ぶ。
櫻井と大野はのんびりしているが、出勤する三人はゆっくり食事をするほど暇ではなかった。
そそくさと食べ終え、それぞれが出勤の準備を始める。
大野はリビングのソファに移動してまったりと出かける3人の様子を眺めていた。櫻井は片づけをしながら3人に帰りの時間を聞く。
相葉も二宮も松本も出かける準備をしながら答えた。
そのやりとりに大野はほっこりする。
「なんか、家族みたいだね」
実家を思い出した。
<<<<申し込みはメールで mi.sa@chive.ocn.ne.jp までお問い合わせください。詳細をお知らせします>>>>