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必要があるのか

2016-11-15 11:54:12 | 日記

明日にでも脩平と一緒に小野寺さんにお会いしてくるよ。
息子を気に入って望んでくださったんだ、お目にかかって申し訳ありませんとお伝えしたほうがいいだろう。
小野寺さんは千晶さんがお世話になった親戚だから、きちんとお詫びを申し上げなくては。
脩平の不始末だが、このままでは千晶さんの立場が可愛そうだ。まったく、とんだことをしでかしてくれたものだ」
 
 
 
隣りに座っていた親父から、いきなりゲンコツが飛んできて頭を思いっきり小突かれた。
 
いたっ」 と声をだすと、これまで見たこともない恐ろしい目で睨まれた。
 
 
いわゆる優等生だった僕は、親を困らせたこともなければ、したたかに怒られたこともなかった。
 
兄弟が親に怒られるのを見ながら、なんて要領が悪いのだろう計画性がないからそうなるんだと、冷静に分析していたのだが、この歳になって怒られるとは……小っ恥ずかしい限りだ。
 
しかし、どうしてそこまで小野寺さんにへりくだる必要があるのかと思うが、見合いを断る理由を妊娠にしてしまった以上僕に弁解の余地はなかった。
 
 
 
それなら私らが行くよ。元はと言えば私らが持ち卓悅冒牌貨かけた話だからね。
最後まで面倒を見させてもらえないだろうか。なぁ、どんなもんかな」
 
 
そうよね。私とこの人と脩平君で行ってくるわ。
千晶さんのためにも、小野寺さんには筋を通した方がいいでしょうから。
どお? 脩平君もそれでいいわね?」
 
 
 
おじさんとおばさんの申し出に、僕はお世話になりますと頭を下げるほかなく、千晶には ごめん……」 といろんな意味で謝った。
 
僕に何か言いたげだったが、今は何も言うなというように首を振った。
 
じゃぁ、明日のことだが」 と、おじさんが打ち合わせを始めたときおばさんの携帯が鳴りだし、着信画面を確認したおばさんの 小野寺さんからよ……」 の一言に卓悅冒牌貨 、その場に緊張が走った。