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河口公男の絵画:元国立西洋美術館保存修復研究員の絵画への理解はどの様なものだったか?

油彩画の修復家として、専門は北方ルネッサンス絵画、特に初期フランドル絵画を学んできた経験の集大成を試みる

麺パン主義の功罪(加筆しました)

2025-07-14 17:07:21 | 絵画

麺とパンで我慢して、5,6,7月と続けて、なんと76kgから72kgに成っていて「ひぇー!!うれぴい!!」てことになった。掛かりつけ医の処で「はい!体重!」と言われて、別に期待もしていなかったのに4kgも減るなんて可笑しい。

食生活に期待はしていないが、麵とパンではお腹がすぐに空くから、朝のコーヒーに昼はしっかり麺やパンを食べていたが、間食が激しくカウチポテトから焼き菓子、せんべいに飴玉まで口に入れて寂しさを満たしたから、太ったに違いないと思っていた。しかも出っ張ったお腹が妊娠五か月を超えて、横の腹部にもべろべろの脂肪が付いてきたので、瘦せるなど考えられなかったのだが・・・4kg減ったとは・・・・・何がそうした???

日本御食事は米があって、漬物から佃煮、焼き物、煮物、刺身、あえ物、汁ものも味が出来上がっていて、そうめんやうどん、ラーメンにパスタに付け合わせて食べるのに、脳細胞が破壊されてしまう。この国にはパンと言えば「菓子パン、食パン」であって、本物のパン食ではない。バゲットや全粒粉のパン(パン・コンプレとフランス語では言う)がない。洋食に菓子パンや食パンは向かない。

考えてみれば画学生のころ、9年以上ベルギー、ドイツで過ごして、「麺パン仕方なし」の時代があって、何によって食欲の不満が中和できていたのか?・・・考えてみると和食の恩恵は忘れていた。要するにお足がなくて、イタリア米で我慢し、醤油は鉄道とドーバー海峡の船を乗りついでロンドンまで醤油を買いに行くしかなかったから「醤油は贅沢、和食は許されない」で過ごした。そういう訳で人生に「障害」があって我慢していたのだ。そしてイタリア米だが「我慢が出来ない」ほどに味は悪くてまるで「えさ」を食べているようだった。イタリア米でも醤油をかけて食べるのは贅沢だった。

しかしそれを救ったのはアカデミーのクラスメイトのモロッコ人学生から教わった「クスクス料理」であった。住まいの近くにアラブ人の食料品店があり、クスクスを簡単に変えたし、そばに簡易モスクがあった。ムスリムのラマダンには夕方6時ごろには「炊き出し」があって、モロッコ人のだちから誘われて行列に並んだ。大きなモロッコパンの半分とボール一杯の野菜スープを振舞ってもらった。モスクに何故日本人が並んで炊き出しを食べに来ているのか、だれも問わない。この博愛主義がムスリム(モスレム)だった。

家ではイタリア米に醤油をかけて食べれば贅沢であったから、すぐにモロッコ味のクスクスが日常的になって、クスクス鍋を購入して、二段の下で野菜スープ(たまには鶏肉を入れる)に上は蒸し器になっており重宝した。このクスクスはブリュッセル時代の主なメニューになって、貧乏学生の食事を支えてくれた。ある時、小麦粉を水に溶いて置いていたのを忘れていたら、ブクブク膨らんでいたので、蒸し器に入れて蒸したら「蒸しパン」に成っていて感激した。そこで豚のひき肉と玉ねぎを炒めて、砂糖と塩で味付けして「豚まん」を作ってみた。いける!! どうして、何もしないのに小麦粉が発酵したのか未だに分からないが、ベルギーの小麦粉はそのように出来ているのか・・・? そういう訳で、無いところに和食の絶対欲が失せて、他にも日本のウスターソースを真似て、器に書かれた内容説明に従って、材料を集めて自家製ウスターソースを作った。これもそこそこの味が再現できた。こうして和の食欲は止まなかったが、近所の日本食レストラン「都田川」で皿洗いのアルバイトを始めて、和食はそれほど餓鬼にならなくても身近に得られるようになった。都田川が日本人向けの食料品と魚屋を始めて、魚を調理する技術を身に着け、鯛はもちろん、ウナギまで開けるようになって、今日に至るまで魚を下せるのは感謝している。この魚屋ではブリュッセルで手に入らなかった日本のコメ以外にカルローズ(カルフォルニア米)を売り始めて、安くはなかったが「寿司」を作るにはイタリア米では不可能であったのを、炊き方次第で美味しい寿司米になってくれた。ブリュッセルに5年もいて、やはり食事には我慢が付き物だったが、今現在の「米の高騰」に比べると許せた。

やはり農水省の大臣、官僚の悪政とつるんで金儲けをたくらんできた農協が何をしてきたか聞き及ぶと、コメ不足は政治の問題であって、許せないから麺パン主義も確固たる覚悟で迎え撃つしかない。

8月に新米が出てきたら、金儲けのために「日本人の食事」を破壊した連中は損をしてでも「在庫」を出すしかないだろう。彼らが泣くのを見てから、コメは買うことにする。


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