南スウェーデン便り

ときどき南スウェーデンの真ん中のイナカから、ときどき街からお便りします。

ビーチ

2023-08-21 19:29:05 | 街便り
引っ越しの片付け難航中…
 
「これ一体何だっけ」というような段ボール箱が沢山ある。スウェーデンに引っ越してきて一度か二度しか開けていなかったもの、いや一度も開けていなかったものもある。あけると大昔のがらくたや親が結婚式の引き出物としてもらってきた見覚えのない物とかが入っている。
 
終活を兼ねて、これはまたとないチャンス!と言えないこともない。
 
かばん一つで引っ越してきた人もいるというのに、どうして私はこんなに大昔のものをスウェーデンに置いているのだろう??と思ったけれど、考えてみると理由がある。こちらに引っ越した時は私も身軽だったのだが、その後東京の実家を改修するために私のものをあらかた引き上げる必要が生じたのだった。整理のために一時帰国したものの、私の滞在期間の都合であまり時間がなくてろくに仕分けもせずコンテナで送ってしまったのだ…。船便の最低料金で八万円ぐらいかかった。
 
でも段ボールを開けるたびに「うわー懐かしい」といちいち見ているので作業が全然進まない。
 
その中にやたらと重い箱があった。開けるとビニール袋に貝殻がぎっしり入っている。ココナッツの殻やサンゴのカケラも混じっている。
これ、マレーシアに住んでいた時に彼と東海岸の島で拾った貝殻だ!
 
ここに写っているのは数十分の一ぐらい
 
真っ白い砂と椰子の木、エメラルド色の海が目の前に浮かんだ。
ああ…
この島に行ったとき、私はもうスウェーデンに引っ越すことをほぼ決めていて、でも実は東南アジアを離れるのはものすごくつらかった。集めた貝殻をどうしても捨てることができなくて、スウェーデン行きの段ボールの中に入れたのだった。
 
そしてその箱は開けられることがないまま20年!
 
こんなところまで連れて来て、しかも箱に閉じ込めっぱなしでごめんなさい…
 
もう持ち続ける物理的な余裕はないけれど、ゴミとして捨てることはできない。
特に思い出深いものを数個選んで、それ以外は海に還すことにする。
 
一度にどさっとばらまいてもいいけれど、ビーチに行くたびに少しずつ…
 
ということで、まずマルメの南、デンマークとの橋が見渡せるSibbarpのビーチへ!
 
いいお天気で近くのマリーナが賑わっていた。
スウェーデン人は船遊びそのものも好きだけれど停泊しているヨットやボートでお酒を飲んだりお茶をしたりするのも好き。
 
これがデンマークとスウェーデンを結ぶÖresund橋
 
貝殻たち
 
 
 
ちょっと海水の温度が違うけど、海はつながっているから許して!
 
 

2023-08-17 06:40:22 | イナカ便り
またイナカ。
 
暑くて雨が降らずカラカラだった6、7月とは打ってかわって雨が何日も降り続いた。
 
農家にとっては恵みの雨だろうと思ったのだけれど、牧草地に関してはそうなのだが麦類(小麦、大麦、ライ麦、オーツなど)は水が必要なときには日照りですでに悪影響を受けていたところに、収穫のころになって突然の大雨で畑が被害を受けている。専門家がテレビで穀物の収穫は2割減で秋以降の値上がりは必至だと言っていた
 
スウェーデン北部やノルウェーの大雨による浸水もニュースで大きく扱われている。気温は高くないけれど、気候が異常であることには変わりない。
 
なめくじに次々と食べられていたズッキーニが生き残っていた! 
 
ジャガイモや紫玉ねぎやケール、豆類、フダンソウもあるので、やっと畑のものが食べられるようになった。
 
 
花(ルリジサとコリアンダー)とベリー(赤すぐり)が加わって色の鮮やかな夏のサラダ
 
去年も書いたけれど、ズッキーニにオリーブ油を塗って、好みのハーブやスパイス、にんにくとパルメザンチーズをまぶしてオーブンで焼くと美味しい。
 
 
外側がカリカリで中は柔らかい
 
フダンソウ(スイスチャード)のナムル
 
 
そして…あいかわらず防犯カメラにはしつこく狐が映っている。
明るくなってからくることはあまりないのだがこの日はなんと朝の7時過ぎに来ている!
 
 
 
頭がいいので罠にはかからない。
 
 
 
かかるのはこういうやつ(母猫の彼氏。)
 

おひとり様老後

2023-08-08 08:50:39 | 街便り

今年は例年と違ってちょっとせわしない夏。

…というのも、私は秋になるまでに引っ越して一人暮らしを始めることになったからだ。

新しいアパートはもう買ってしまった。

約20年ぶりの引っ越し。

今住んでいる家はわりと大きいので、収納のことを考えずにいろいろなモノをため込んできたが、これらを手放さなければならない。

それに、スウェーデンではアパートを購入しても、毎月管理費を払わなければいけないから生活ひきしめを覚悟しなければいけない。

この歳になって、本当にだいじょうぶか、私?

日本の同年配の方はどうやって生活しているんだろうと思い、六十過ぎの一人暮らしの女性のブログを検索したところ、ある動画にたどり着いた。

その方はおそらくご家族の介護をずっとされていて、今は一人暮らしだけれど受給している国民年金は五万円だという。

でも、彼女はアルバイトをしたり、プチプラブラのだンドの服をとてもカッコよく着こなしたりして、しごく楽しそうに生活している。

おしゃれだし、ユーモアのセンスがたっぷりで見ていて楽しい動画にひとしきり感心しながら何本か見たところ、その日から同じような年齢の女性(しかも年金が低い)の作った動画が次々と「お知らせ」として私のパソコンに流れて来た。よく見るとみんなすごい閲覧数をほこっているし、本を出版したり、テレビで取材された方もいるらしい。

「こんなかっこいいおばさまがたくさんいるのか!」と最初はおもしろがって見ていたが、だんだん妙な気分になって来た。

…こんなに前向きで素敵で、センスが良い動画が作れるような人たちがどうして年金5万円しかもらえないのだろう?

そもそもこの年齢の日本女性たちがまともな年金がもらえるフルタイムの仕事につけなかったのはどうして? 日本の制度がそうなっているからじゃないの?? 今はどれぐらいましになったの??

マスコミに紹介されるのはいいけれど、まさか、それ「この人を見ろ。年金5万円でもこんなに楽しそうに暮らしているだろ。年金低くても文句言うな。」という政府のプロパガンダなんじゃないだろうね?と疑ってしまう。もと首相の言ったという「まず自助」という言葉を思い出す。

でも…この方たちは幸せそうだけどもっと高い年金貰っていたって病気やら何やらで生活が苦しい人はたくさんいるはずだ。

いろいろ考えてしまった。

写真はマルメのクリスマスマーケットをのぞくのマダム。犬もクリスマス仕様できめている。