めろんそーだ

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【映画】「グラスホッパー」観てきました!【ネタバレ有/無し両方】

2015-11-07 23:59:35 | 日記
原作大好きな私と、原作未読の旦那で行ってきました。
先に結論。
→私:原作に忠実ではないけれど、映画は映画で良かった!
→旦那:伏線の敷き方、回収のされ方がきちんとしていて面白かった!
【更新しました!後半ぐだぐだ目の長文ですごめんなさい】

前半はネタバレなし、後半は原作読んだ方向けネタバレ有でお送りします。

映画「グラスホッパー」公式サイト(ムービー音声注意)

…私は公式サイトを見ないで行ったので、それもまた一興かと。

…で、後半のネタバレ有の方の感想がぐだぐだの超長文になったけど、
「ま、いっかー」と思って投稿したら、文章消えました…
私の残念な長文に天罰が下ったようなので、反省して書き直したら約半分になりました。
…1万字越えてたからもうほんと書き直す気力がな…(パタリ)
(↑読んで下さる人のことを考えましょう)

【ネタバレなし感想】

・原作読んでないけど大丈夫?
公式のキャッチフレーズは“巻き込まれ型エンタテインメント”。
サスペンスに少しのラブストーリーが入った感じで、約2時間飽きさせない作りです。
伊坂作品にほとんど触れていないうちの旦那が面白かったと言っていましたし、
私は映画は映画で、オリジナル要素を入れつつちゃんと「グラスホッパー」だな、
と感じたので、問題ないと思います。

・原作好きなんだけど、イメージ崩れない?
一部、イメージと違うキャラクターがいるのは仕方ないかなーと。
(読者それぞれでイメージも違うと思うので)
正直、私はラブストーリー要素は要らないと思いましたが、
映画として考えると、殺された恋人(原作では妻→映画では恋人)の復讐ということで、
恋人との思い出などを強調した方が分かり易いし、華があるかと。
尺の都合で省略した部分を上手くオリジナル要素で繋ぎながら、
ベースは原作を崩していないのは凄いと思いました。
ここも描いて欲しかったなー、という部分は正直あるけどね。

・殺し屋の話らしいけど、グロ要素は?
痛そうな描写は少しありましたが、何とか耐えられるレベルかと。
血出たり人死んだりするけど、普通のアクション映画でもこの位かなぁ、と。
ただ、タイトルのグラスホッパー=バッタのどアップが何回かあるので(CGだけど)、
虫は絶対無理!という人の方がむしろ注意した方がいいかも…?

そんな感じで、原作好きな方も知らない方も、オススメですのでぜひ(・ω・)ノ
個人の感想なので、合わなかったらごめんなさい。
そして、もっとハードボイルドなのがいい!と言う方は、原作読むと満足すると思います!

では、以下ネタバレ有なので、OKな方のみお進み下さい。
原作との比較もあるので、そちらもご注意下さいね。
少し行間空けます。














もうちょっと。















そろそろいいかな?






それでは!

【ネタバレあり感想】
・事前にポスターを見た時は、メイン3人の中で鯨のイメージだけ違ったけど、
 原作だと“190cm、90kg、彫の深い陰鬱な目”とあるので、日本人離れしてるよね…
・しかし、映画を観た後だと、浅野忠信の鯨、イイ!となりました。演技って凄い。
・アップになった時に見たら、浅野忠信の目ってナガスクジラ系の目に似てる。
・原作と違い、ハロウィンの渋谷スクランブル交差点で、
 恋人の百合子が子供を庇い、薬物中毒者の暴走運転の犠牲者の1人となっていますが、
 ここで通行人が遺体の写真を撮影してTwitterやLINEに流しているシーンが、
 正に「グラスホッパー=バッタは密集して育つと色や形状が変わり、狂暴になる。人間もまた…」という、
 本作のテーマを最も表していると思いました。
・原作発行当時はTwitterがなかったので、これは良い表現。
 ハロウィンも時期的に近いのもあるし。

・鈴木は元中学教師(理科担当)、百合子は給食職員という設定ですが、
 お昼が終わった給食室でプロポーズってどうなんだろう。
・更に、プロポーズした日がハロウィンだったので、ヨーロッパ式でその返事を、と百合子が言い出し、
 給食室のオーブンでケーキを焼くというのが、映画を観ていて一番のツッコミ所だと思った。
・ちなみに、百合子のケーキ占い的なものは、アイルランドでハロウィンに食べられる“バームブラック”という
 伝統的なケーキ(パン)だそうですよ。
 劇中で入れた布・コイン・ボタン・指輪の他に、豆や木の破片を入れたりするとか。
・あと、何であの比与子に庇われた子供は指輪取っちゃったんだろう…
 自分を庇ってくれた人の大切であろうものだから、家族か誰かに返したかった、
 …というのが妥当な解釈だろうか。

・比与子のイメージがぴったり過ぎる。
 これだけでも観る価値あるんじゃないか、という位。
・最初は「比与子って茶髪ショートカットだったよね?」と思ったけど、
 そんな違和感は速攻で消え去った。
・追加されたシーン(寺原ジュニアを轢いた運転手を、寺原会長の命令で撃つシーン)も、
 原作にあるんじゃないかというレベルで比与子らしい。

・鯨がホームレス生活じゃなくて、小奇麗なキャンピングトレーラーに住んでる。
 一仕事終えた後にミルでコーヒー豆なんて挽いちゃって…優雅だな…
・そのトレーラーに亡霊がぎっしり詰まっている様子は壮観でした。嫌だな、アレ。
・鯨の父(映画のサイト見ないで行ったので後で分かった)が「こいつらがこれ以上増えたら…」と言ったので、
 「入りきらなくなりますね!」と心の中で答えたくなった。
・鯨の能力が、自分を虐待していた父を殺した時に発現したものだということ、
 そして、その父が今でも鯨を苛んでいるという所は良かった。
 原作ではその能力を「そういうもんだ」と受け入れてしまいましたが、
 一種のトラウマ的なものだというのも分かり易くて良いです。
・尺の都合から、ホームレス生活とか、田中さんとか出したらややこしくなっちゃいますしね。
・漫画やアニメではよくある手法ですが、鯨が相手を自殺させる時に、
 お互いの目のハイライトが消えるという表現が良かった。

・蝉の耳鳴り設定は何なのだろう…と思ったけど、
 鈴木:恋人を亡くした、鯨:今まで自分が殺した人間の亡霊が見える、というトラウマを抱えているので、
 蝉にも何かあった方がバランスが良かったのかな?
・原作のように、人を殺す時に罪悪感も躊躇いも一切感じない、
 快楽殺人者にも似た面が描かれていないこともあるかも。 
・蝉と岩西そこまで仲良くないだろう。
・…と思ったんだけど、あの2人の関係は本当に難しいよね!
 「岩西の敵」というのは違和感覚えちゃって仕方なかったんだけど、
 上司と部下でもなく、相棒でもなく、上下関係でもなくて、でも対等でもないような、
 曖昧で、名前の付けられない関係。
・あの何とも言えない関係の描写が大好きだったんだけど、
 映画でやったら難しいし分かり辛いし、鯨と対決する理由が弱いしで、
 相棒という関係が一番分かり易いかー
・分かり易いって重要だと思うのよ、言葉で説明出来ない分。
・私の大好きな、蝉がしじみの砂抜きを見るシーンがちゃんとあって良かった!
 蝉の独白になっちゃうから映画ではどうかと思ったけど、
 岩西が話題を振ることで違和感なく出せるんですね。凄い。
・「人もこうやって、呼吸しているのが泡で見て取れればもう少し、生きている実感があるんじゃねえかな」
 という台詞がとても好き。
・でも、ナイフで指トントンしたり、自分の片耳を切り落とすのは聞いてない。
 見ていて「ちょ、痛そう痛そうギャー!!」ってなったわ…耳鳴りを止める(物理)ってどうなの…
・ぽいってされた耳は見ても平気なのですが、痛そうなシーンに弱いです…
・ところで、どうしてクライマックスって大体殴り合いなんだろう…蝉、ナイフ使えよ、って思っちゃって…
 でもアレか。鯨も能力が岩西の亡霊のせいで蝉に効かなかった分、
 蝉もお互い能力ナシで拳で語り合おうぜ的な何かなんだろうか。いや、いいんだけど。

・岩西は原作の痩せたカマキリ顔の男という描写や、寺原ジュニアとの会話からも、
 何だかイメージと違うなぁ…もっと狡猾な印象だったんだけど…と思ったけど、
 演技にどんどん引き込まれていきました。
・亡霊になった後は特にイイ。
・そして、岩西お気に入り、でも原作では存在すら怪しいミュージシャンであるジャック・クリスピンの楽曲として、
 ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンが「Don’t Wanna Live Like the Dead」というタイトルを提供!
・こういう映画ならでは出来るのっていいよね!
・しかも、タイトルが『死んでるみたいに生きていたくない』という、ジャック・クリスピン曰く、なのが好き。
・岩西が鯨と対決した際も「俺は飛ぶんだよ。死ぬのはそのついでだ」という名台詞は抑えてあるのが良いなぁ。

・原作にあった政治家の梶の殺し部分や、蝉が一家を惨殺した後に観た映画に影響を受けたシーンが省かれた分、
 鈴木と押し屋は関連があるけど、蝉と鯨が鈴木とあまり関係なかったのは少し残念だったかな。
・その分、死体見たら鈴木としては「誰?!何事?!」なのは当然だし、
 蝉(亡霊)が「何だアイツ」っていうのにはちょっと笑ったけど。
・原作読んでないうちの旦那も「後半、主人公空気…」って言われてしまったよ鈴木…
 寺原会長相手に負けない所は格好良いんだけどね。
・ただ、寺原ジュニアが押された現場に蝉がいたりと、そういう場面でニアミスしてるのは良かった。

・槿(あさがお)が割と空気。
・そして、サイト等を見ないと、“あさがお”とは読めないよなぁ…表札に書いてるんだけど。
 一応、その暗示としてか、庭の朝顔に思いっ切りカメラが寄るとはいえ。
・私が一番イメージが違っていて、最後まで馴染めなかったのは槿。
 もっと渋い雰囲気が良かったなーと。
・「グラスホッパー」の重要な『トノサマバッタは密集すると黒くなり、狂暴になる』ということを言う役割はあるけど、
 押し屋かどうかは明言されないし(原作でもされないけど)、
 『劇団』の部分が別組織になる分、鈴木を助けに行くのも、種明かしするのもないし…
・槿の役割が映画ではすみれになった、と考えた方がいいのかな。
・すみれとあの指輪を拾ったチビちゃんは、本当の親子だったんだろうか。
・私は原作の、“寺原親子を殺したのは、裏組織同士の関係の悪化から”というのがドライで好きだったんだけど、
 映画だと寺原の犠牲になった人達が集まった組織がやったというのが、原作を読んだ人の中では結構評価分かれるかも。
・鈴木に種明かしをする槿・すみれ・子供2人が割と楽しそうだったり、
 子供、特に一緒にサッカーをやった上の子が、鈴木との別れを寂しそうにしていたのが好きだったので、
 種明かしがシリアスになっちゃったのも好みが出そう。
・映画の流れとしてはシリアス路線の方が自然なんだけどね。難しいねー

・原作で、毒殺専門の殺し屋『スズメバチ』が忘れた頃に寺原会長を殺すのが、
 最も伊坂幸太郎らしいというか、読んでいて「やられた!」と思う場面だと思う(笑)
・スズメバチのイメージで、鈴木の教え子(?)のギャルの武器が針だったんだとは思うんだけど、
 スズメバチをどう出してくるか楽しみだったので、ちょっとだけ残念。
・でも、「バカ女で悪かったね♪」と言いながら比与子を倒すシーンは、不謹慎ながら痛快。
・あと、寺原会長も、間接的とはいえあれだけ人殺したり色々しながら、
 息子が殺されたら途端にああなるのか…と思うと、この業界にいる覚悟が足りん!とかちょっと思う。
・それにしても、寺原会長も合ってた。大御所の貫禄って素晴らしい。

・ラストは原作ではあまり良い方向にはいかないような描写で終わるけど、
 映画は意外にハッピーエンドでびっくり。
・蝉と鯨も何か仲間意識のようなものをもったみたいだし、
 「しじみを見せる」と蝉が言った時の鯨の笑顔を見ると、ようやく解放されたんだな、と感じた。
・…最初は、自分が直接寺原を殺せなかった分、未練が残って成仏できなかったのかと思った(笑)
・原作では蝉が負けて、その後に亡霊となって、同じく亡霊の岩西や、鯨との会話があるんだけど、
 映画は映画で良いな。
・ちょい役の黒猫さんもいい感じでした。
 あれは実は、鯨が昔、父に言われて川に流した猫だったり…?というのは深読みし過ぎかな。
・レンジでチンして解凍した百合子の料理、冷凍とはいえ2年くらい前のだよね…?
 とか思ってしまったのは、野暮ってもんでしょうか(^^;

こんな感じで、書き直したら当初の半分くらいに収まりました(笑)
充分長いですよね…すみません。
個人的には「映画は映画、原作は原作、原作に忠実なだけが映画ではない」という考えなら、
原作好きでも楽しめると思います。
違いを探してこうやって比較してみるのも面白いですし、
原作を読み直すきっかけになったりしますし。

ただ、映画を気に入って原作を読むと、
ハッピーエンドではなさそうなのを始め、
ハードボイルド要素が強く、感動という雰囲気ではないので、
これまた好みが分かれるかな?と思いました。
個人的には、両方読むor観るなら、原作→映画の順の方がいいかと思いました。

邦画なんて何年振りに観たんだろう、という感じでしたが、楽しかったです!
次は来月のスターウォーズだー!…早速洋画に戻りましたね。

では、ここまで読んで下さった方がいましたら、ありがとうございました&お疲れさまでした!


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1 コメント

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今日観てきました! (osafumi)
2015-11-20 22:02:03
ネタバレ気にされる方は見ないでくださいね(笑

私も鯨のイメージ違うなあと思ってました(私のイメージは幽遊白書の戸愚呂!)が、さすが浅野忠信!
映画では大きく見えました。 バッチリです。
ただ、ホテルで幽霊を見た時のうろたえ方はどうかなあ...「ちぇまた見えちまったよ」みたいなイメージだったのに、うろたえまくって仕事失敗しそうになってるし。

蝉はもっとクレイジーかと思っていたら、凄くまともでびっくり。 ジャニーズに遠慮しちゃったのかなあ。
耳のシーン、情報提供ありがとうございました!
私も痛いのに弱いので、下向いてました(笑
でも耳たぶ切ったくらいじゃあ、本当の耳鳴りって消えないんでしょうね。

>鈴木と押し屋は関連があるけど、蝉と鯨が鈴木とあまり関係なかったのは少し残念だったかな。
原作を知らない私の先輩も、同じことを言ってました。「いつ鈴木と鯨が繋がるのかと思ってたら、最後まで関係ないんじゃん!」って。

槿は、私意外と大丈夫でした。 暗喩ばかりで無くもうちょっと直接的に絡んで欲しかったなあとは思いましたが。
吉岡秀隆、いい大人になったよなあ~!
ラストの観覧車での種明かしは余計だったかなあ。

あと、原作ではジュニアがいかにも悪者で、鈴木の復讐も納得出来たのですが、映画の設定ではジュニア結構とばっちりというか悪いのは親父で、本人はそれほど悪い奴ではなかったかなと思えてしまいます...
危険ドラッグの暴走は、昨今の時事を取り入れたアイディアだったのでしょうが、他の人も多数犠牲になっているので、余計鈴木のモチベーションが薄くなってるような気がしますしね。

原作を読んだのが結構前だったので、イメージが違うのが映画との差なのか記憶が飛んでるのか、よく分からない所が悔しいです(笑
原作を再度図書館にリクエストしてますが、話題の作品だけに順番待ち、多いんですよねえ...(たまには買えって?)

でも映画としては楽しめました!
スターウォーズは人が多そうだから、私の次の映画は、「傷物語」かな?
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