2013年謹賀新年 モーツァルトです。

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。昨年同様、ボツボツと更新していきたいと思っていますので、ご高覧していただければ幸いであります。

今年の正月、大晦日の夜から家族でかなり酒を飲みまして、元旦もその影響であまり食欲が出ませんでした。いろいろと食料を買っていたのですが、たくさん残ってしまいました。３日には岡山で中学校の恒例の同窓会がありました。それで岡山に行き、きちんとバーゲンにも寄ってお買いものもし、同窓会にも参加し、懐かしいお顔を拝したりと、そこそこなお正月でございました。

そして昨日５日、保科洋先生が中高生の吹奏楽を指導されるところを見させていただく機会を得ました。保科先生が指揮をされると、ガラリと音楽が変わり、技術的なことはともかく、音楽が活き活きとして表情がたいそう豊かになりました。３時間ほど指導されたのですが、生徒さんたちに語りかけるお言葉も興味深く聴かせていただいた次第であります。

さてさて、今年最初の更新になります。モーツァルトです。ディヴェルティメント変ホ長調K.563であります。演奏は、グリュミオー・トリオ。アルテュール・グリュミオー(vn)、ジョルジュ・ヤンツェル(va)、エヴァ・ツァコ(vc)です。1967年6月2～6日の録音。これも、PHILIPSの『ORIGINAL JACKET COLLECTION』に収められている一枚です。以前に、クレメル、マ・カシュカシアンによるＣＤを取り上げました。二度目の登場であります。

この弦楽三重奏によるディヴェルティメント、私はけっこう好きなのですが、楽器の編成にもよるのでしょうか。ＣＤはそれほど多く出ておりませんね。かく言う私もクレメルらの演奏しかもっていないようです。曲は、モーツァルトの晩年の澄み切った美しさに満ちあふれたものと思います。

グリュミオートリオの演奏は、一言で言うなら、非常に暖かい演奏です。暖かいというのは、まずグリュミオーなどの弦の音色が実に穏やかで暖かみのあるのです。そして、ソリストが三人集まっての三重奏とは異なり、いつものメンバーということで、それぞれが競い合うというよりも、グリュミオーを中心に相和した関係での演奏と思われる。そんなところからも安心して、またアットホームな演奏であるのですね。加えて、そんな三人だからこそ、三つの弦楽器の音色も揃ったものになっており、三つの楽器の調和した音色であること。以上のことから、暖かい演奏になったと思います。

第１楽章、まず弦の柔らかい響き。そして非常にうまく重なり合う三つの弦が心に染み込む。ヴァイオリンとチェロの二重奏委による第二主題や展開部でのカノン風の展開でのそれぞれの楽器の協調の様子も安心の響きです。第２楽章アダージョ。チェロによる第一主題に始まり、三つの楽器の展開がおもしろく、たいそう美しい楽章になっています。柔らかい響きが幸福感に誘います。第３楽章メヌエット。落ち着いたメヌエットですが、躍動的なメヌエットと中間部。安定した弦にモーツアルトの音楽が溶け込んでいるようです。第４楽章変奏曲。グリュミオーのヴァイオリンは、響きの艶はもちろん、加えて気品があります。モーツァルトの瑞々しさと相俟っての幸福感が染み込んできます。第５楽章メヌエット。この曲の二つのメヌエットは絶品ですね。ともに控えめな表情の中に、曲の美しさが滲み出てきますねえ。そして終楽章、美しいロンド主題はヴァイオリンで艶っぽく演奏され、他の楽器が活き活きと絡み、愉悦感あふれる演奏。またもやモーツァルトのよさを実感させてくれる演奏でありました。

今年は、初出勤は４日でしたが、明日からは本格的に仕事が始まります。朝、寒い中の早起きが辛いところですねえ…。
（PHILIPS ORIGINAL JACKET COLLECTION 2011年 輸入盤）