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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

バーンスタインとイスラエル・フィルの「大地の歌」

2012年06月24日 18時59分55秒 | マーラー
先週末、職場で飲み会がありました。不便なところで車通勤なので、何時も飲めないのは以前に述べました。しかし、実は今回は飲みました。というのは、行きは近くに同僚が住んでられて、その方に乗せて行ってもらいました。そして帰りは、これまた同僚にJRの駅にまで送ってもらい、そこを22:17の私鉄の電車に乗って、途中で降りまして、そこまで娘に迎えに来てもらいました。そんなわけで、めでたくおいしいビールを飲んで、たいそう機嫌が良く帰宅したのでありました。めでたしめでたし。

そんなわけで、今回はマーラーです。交響曲『大地の歌』であります。この曲、欧米では歌曲の扱いと言われています。実際、マーラーの交響曲全集には、入っていない場合が多いのです。アバド、シャイー、小澤、ギーレンなどは全集を録音した指揮者ですが、大地の歌は録音していません。マゼール、バーンスタイン、ショルティ、クーベリックなどは、全集とは別に録音しています。バーンスタインについては、ニューヨーク・フィルとの全集には含まれていませんが、1966年にVPOとデッカに録音しています。そして、1972年5月18・20日にイスラエルのテルアヴィヴでイスラエル・フィルと録音しており、それが今回のCDであります。これは、CBSにニューヨーク・フィルと録音した全集とは異なるものとして録音されてたのでしょう。バーンスターンは、大地の歌をマーラーの交響曲とは考えていなかったのでしょうね。

さてこの大地の歌、ルネ・コロとクリスタ・ルードヴィッヒによる独唱です。1966年の録音がフィッシャー=ディースカウなどによるもので評判が良かったのに対して、この録音は今イチとよく言われていたのですね。そんなこともあってか、この録音はほとんど聴いたことがありませんでした。大地の歌はたいそう好きで、いろんな演奏を聴いてましたが、なぜかこの演奏はスルーしちゃってたのでした。そして、先日梅田のワルティさんで見つけて買ったのです。630円!。今回初めてじっくり聴きましたが、なかなかの演奏ですねえ。

コロとルードヴィッヒの大地の歌となると、カラヤン盤と同じ組合せですね。カラヤン盤と聴き比べてみると、この演奏の特徴がよくわかりますね。まず、オケはかなり荒削りの音がします。加えて、バーンスタインのねちっこく感情移入の激しい指揮は、ここでも健在で、それにイルラエル・フィルは非常に頑張っています。オケの粗さがささくれ立った感情のように聞こえるところもあります。とはいえ、これがVPOだったらと思うところもあります。そして、バーンスタインですが、おもしろいのは、歌手には負けないぞ、とでも言わんばかりの指揮ぶりです。歌手を引き立てるとかそんなところよりも、対抗するかのようです。それが緊張感ともなっている。
第1楽章からその慟哭のような演奏で、圧倒されるし、第3楽章でも諧謔さを感じることなく、速めのテンポで一気に駆け抜けていくよう。第4楽章での爆発も激しい激しい。そして最後の告別ではここまでの深い表情はなかなか聴けないですね。

歌手なんですが、カラヤン盤に比べると、生真面目さを感じます。カラヤン盤ではリラックスした雰囲気や、表情の豊かさやなどを感じます。しかし、この演奏はそういったところはあまりなく、シリアス一本ってとこでしょうか。それは感動的でもあるのですが、窮屈さを感じるところもありますねえ。コロはカラヤン盤で感じたようなジークフリート的な様子はまったく影を潜め、直球一本的です。美声でバーンスタインの指揮に合わせての歌唱ですね。。とは言え全盛期の輝きに加え、張りのある歌声は、バーンスタインにも負けていません。やはり、テノールではこの人ですねえ。一方のルードヴィッヒ、さすがですね。いろんな人の指揮でこの曲を歌っていますが、それに上手く合わせる技量には脱帽です。ここでもバーンスタインの指揮にまったく違和感のない歌唱。最後の告別では時間を忘れてしまうような、曲の流れに飲み込まれていきます。

このCDは、「The Royal edithon」というシリーズで、英国皇太子が何やら絡んでいます。英語を読めばこのシリーズの意味もわかるんでしょうが、邪魔くさく興味の無いのでいいんですが、できたらオリジナルので欲しかったですねえ。
(SONY SMK47589 THE ROYAL EDITION NO.51 OF 100 1993年 輸入盤)

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