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メニューインとフルトヴェングラーのメンコン

2024年02月11日 23時59分00秒 | メンデルスゾーン
先週月曜日、いつものように音楽(珍しく鈴木雅明のヨハネ受難曲)聴きながら出勤してました。駅から出たときに、右が聞こえていないことに気が付き、接続を確かめたあと、右耳に触れると、なんとイヤホンがないんです。イヤーピースはあるんですが、ない。どこかで落とした!?と思い、道を捜しながら駅まで戻り、駅構内も見たのですが、それらしきものは、ない。駅や家の近くの交番でも聞きましたが、ない。とほほ、であります。何時どこで落としたか、まったくもってわからない。ゼンハイザーの約17000円でありました…。

ショックもショック、大ショックなんですが、とりあえず気を取り直して…。それで今回はメンデルスゾーン。かの有名なヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64であります。メンデルスゾーンも久々なら、ヴァイオリン協奏曲も2009年11月のチョン・キョンファの演奏を取り上げて以来です。そして、この曲を聴くのも実に久々。聴いてみるとやはり名曲ですねえ。ヴァイオリン協奏曲は、ほんの有名どころしか聴かないような…。いやいや名曲であります。

そんなメンデルスゾーンの協奏曲の演奏ですが、少し古くユーディ・メニューインとウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮BPOによる演奏。1952年5月26日ベルリンでのスタジオ録音であります。フルトヴェングラーはこの曲をメニューインの他に、デ・ヴィートとの共演などがあります。メニューインとは、ベートーヴェンやブラームスなどの協奏曲の録音があることは周知のとおりであります。フルトヴェングラーとメニューインの関わりについてはこれも周知のとおりですね。

このCDは、EMIからのブライトクランク盤です。以前にも申しましたが、フルトヴェングラーのブライトクランク盤は見つけたら買うようにしています。かなり気に入っております。いろいろと意見はありますが、確実に音は良くなっていると思いますからね。このCDは580円でした。ベートーヴェンの協奏曲を買ったつもりでしたが、それにメンデルスゾーンも着いていたというところですね。フルトヴェングラーのいわゆるメンコンは、そんな録音があったんですね、という感じですね。フルトヴェングラーがどんな演奏するか、あまり想像できなかったのでありました。

しかし、やはりフルトヴェングラー、どんな曲でも対応力は素晴らしい。この演奏は、ライブではなくスタジオ録音。それにメンコンの曲の有り様も加わって、細微にまで行き届いた演奏。それでいてフルトヴェングラーらしさも十二分に味わうこともできます。特に、第一楽章での分厚いオケの響き、そして凝縮された音色、他では聴けないような類い希な集中力と鋭さ、重厚さは、やはりこの人の凄みを感じますねえ。そしてメンデルスゾーンのこの曲のイメージとは少し違うようなところもあります。男性的であり、その力強さは、メンコンの新しい感覚を持てるような、それはしっかりとした共感を持てるものであります。

そして、メニューインですが、いろんな評価がある人であります。神童と言われたこととか、成長後の葛藤などもありますが、フルトヴェングラーとの共演は、私はとても好きです。このメンコンも非常に美音で糸を引くような輝かしい、そしてコクのある響きであります。ただ少々美音に頼りすぎているところも感じられますが、充実した演奏を聴かせてくれますねえ。

第1楽章、やはりフルトヴェングラーとBPOの堂々とした演奏に耳が奪われる。美しいメロディーがよく歌われるが、甘美な世界ではなく、骨太で安定した重厚な世界であります。第2楽章、抒情的な世界がメニューインのヴァイオリンで描かれる。実にヴァイオリンの美しさが強調される。フルトヴェングラーももぴたりと寄り添う。第3楽章、非常に安定したオケに呼応するヴァイオリンの調べ。決して急がずでの存在感がとてもいいです。

小澤征爾胃さんが逝去されましたね。謹んでご冥福をお祈りいたします。まさに、巨星墜つであります。
(EMI TOCE-3008 Grandmaster series 1995年)

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