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ピノックのハイドン交響曲 2

2024年03月10日 23時58分00秒 | ハイドン
沖縄に行ってきました。斎場御嶽と南部戦跡、今帰仁、中城、勝連、座喜味、浦添などのグスク、そして首里城とその周辺などに行って来ました。まあ、みなさんが行かれるような観光地にはあまり行かなかったんですが、三月になって雨が非常に多く、風もきつく、それが残念でしたが、三日間沖縄を満喫しました。グスクなどは、世界遺産となったことで整備が進み、資料館も併設されたり、カートで運んでくれたり、その分、入場料が必要になりましたが、よかったです。神戸はまだ寒いですが、沖縄はもう半袖でもいいくらい。帰ってから寒さが身にしみます。

ということで、今回はハイドンであります。実は、とまあ襟を正すようなことでもないのですが、近頃トレヴァー・ピノックとイングリッシュ・コンサートの演奏をよく聴くんです。テレマンやヘンデルで、彼らの演奏にけっこう触れることが多く、それまでは、それほど聴いたわけでなかったんですね、などということを2年前にピノックのハイドンを取り上げたときに書いたことあります。また、演奏は正に着よく、正しく、美しく、であるとも。以前の記事を改めて、ほうほうそういうことだね、と妙に納得したのでありました。ピノックのハイドン交響曲19曲を収めた6枚組のBOXからであります。

このピノックのハイドン、いわゆる疾風怒涛期と(“疾風怒濤”(シュトゥルム・ウント・ドランク)とは、これらの交響曲が作曲された当時(1766-73年頃)、ゲーテを中心としてドイツで勃興した文学運動を指し、それまでの啓蒙主義に反して、創作者個人の才能や感情の強さを極度に意識、強調する思想で、転じて主観的な感情表出の激しい当時の音楽にもあてはめられています)言われる交響曲群にあたる19曲が収められています。第26,35,38,39,41-45,47-52,58,59,65番であり、まあ何番から何番までということでもないようです。ピノックのハイドン交響曲は、他に、第6-8番の朝昼晩の三曲の演奏がありますが、他はないようですかね。パリやロンドン交響曲なども録音してもらいたかったですねえ。

このCDは、番号はけっこうバラバラで、今回取り上げるのは4枚目。第43番変ホ長調『マーキュリー』、第51番変ロ長調、第52番ハ短調の三曲が収められています。1989年4月、ロンドンのHenry Woos Hallでの録音です。これらの曲は、1770年代前半あたりに作曲されたようです。オーボエ、ホルン、ファゴット、チェンバロに弦楽の構成。ハイドンの曲って、最初は地味で特徴ないしなあ、って思うのですが、慣れてくるとじわじわとその良さがわかってくる。この三曲もそんな曲ですねえ、私は好きですよ。

ピノックの演奏、非常に端正。曲をしっかり把握して、とてもスキの無い演奏を聴かせてくれます。特に今となれば古楽器の音色がとても引き締まった充実感をもたらしていますね。そして全体的に至極まとまりのよさも感じます。それが曲のよさを存分に伝えてくれます。第43番『マーキュリー』、標題の由来は定かではありません。ハイドンの交響曲のお決まりのパターン。第1楽章アレグロの躍動感。しっとりと語る第2楽章アダージョ。第3楽章の大好きメヌエット。そして第4楽章のみんなでいっしょに終わりましょう的フィナーレ。ピノックのそれぞれの楽章の個性を生かした演奏が、個々の楽章のよさを存分に引き出しています。この曲は非常に親しみやすいですねえ。第51番もそれ以上。全体を通じてホルンが大活躍。特に第2楽章ではオーボエも加わり、ホルン協奏曲みたいで、このホルンの響きはとてもいいですね。それ以上いいのが第3楽章メヌエット。この、メヌエットは極上です。ここでもホルンが活躍。トリオがふたつあり、ふたつめがこれまたいいのです。メヌエット好きにはたまりませんねえ。そして第4楽章、引き締まった弦が渋い響きであります。三曲目の第52番。珍しい短調の曲です。これゆえか、ピノックの演奏が鋭角に心に染み込んでくるのでありました。

ピノックのハイドン、残念なのはこの交響曲集6枚組の発売のあと、これとは別に12枚組でいくつかのミサ曲や協奏曲、そして朝昼晩交響曲とこの疾風怒涛期の交響曲を収めたBOXが発売されていることです。そっちの方が断然よかったですよね。今更、買い直すのもねえ。いやはや、「なんくるないさー」ですかね。少し違ったかな。
(Archiv 463731 2000年 輸入盤) 

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