ブッシュ親子の親中姿勢が チャイナを増長させた

米共和党でもこれだったから・・・ 

宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 令和元年(2019)7月12日

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 ▲こんな状況下、アメリカにまだパンダ・ハガーがいた

 他方、香港で開催された「国際経済フォーラム」には、ブッシュ元大統領の息子ネイル・ブッシュが出席し、董建華(初代香港行政長官)らを前に「アメリカは中国と敵対するべきではない。民主主義の定義がそれぞれ異なるのであり、中国を悪魔的に扱うのは間違いである」と北京がとび上がって喜ぶような演説をしていた。

 ブッシュ家は、父親がレーガンの後釜として親中外交を進め、天安門事件では、いたしかたなく中国を制裁したが密かにスコウクラフト補佐官を北京に派遣し、「制裁はポーズだけだ」として、方励之博士の米国亡命の引き換えに日本に圧力をかけて「天皇訪中」を打診し、中国制裁解除の道を開いた。

 日本は中国制裁解除へ一番乗りをはたし、西側から軽蔑されたが、後に銭基深外相(当時)が回想録で「(日本を騙して天皇を訪中させたのは)外交上、あれほどうまくいったことはなかった」と書いたほどだった。

 息子のブッシュは、2001年、NY連続爆破テロに激怒して「テロ戦争」の遂行のためには中国の協力が必要として、「東トルキスタン開放戦線」を「テロリスト」と認定するなど、親中路線には変わりがなかった。
 これにより米国が間接的にでも、中国のウィグル族弾圧に合法性を与えたことにもなった。

 その後、オバマ政権で対中政策の大甘はかわらず、最大の理由は米民主党に巧妙なルートを通じて中国からの大金が「政治献金」として流れ込んでいたからである。
もしヒラリーが選ばれたら、アメリカの対中外交は、依然として大甘であっただろう。

 米中関係をずぶずぶの蜜月として、オバマ時代初期には「G2関係」にまで高めようとした源流がブッシュ親子の親中姿勢にある。ブッシュ父親は初代北京大使(駐在事務所所長)を務め、ジュニアたちは自転車で各地を旅行した。ジュニア大統領の弟のネイルが、したがって中国にいまも幻想を抱くのは無理のないところかもしれない。

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