加瀬英明
無防備でお人好しのままでは日本の独立と安全は守れない Date : 2019/11/06 (Wed)
「オレオレ詐欺」をはじめとして、電話を使って高齢者を騙す詐欺が、あとを絶たない。
あれほどテレビが注意を促しているというのに、詐欺犯から電話がかかると、警戒心をいだくことがなく、罠にはまってしまう。
これは日本が諸外国と異なって、人々が信用しあう“和の社会”であって、人に対する性善説をとっているからだ。
日本は人口が1億2000万人もあるのに、国民が同質だと信じている国は、他にない。 日本のように外国について、性善説をとっている国も、他にない。
私は外国を訪れるたびに、「子供を学校に送り出す時に、何といいますか?」と、たずねることにしていた。日本では「みんなと仲良くしましょうね」という。
中国では「騙されないようにね!」といって送りだすという答えが、多かった。
ちなみに韓国では「一番になれ!」「負けないで!」と、励ますという。韓国は食うか食われるかの、熾烈(しれつ)な競争社会なのだ。
アメリカが日本に強要した日本国憲法は、日本国民によって“平和憲法”といまでも呼ばれているが、前文で「平和を愛好する諸国民の公正と信義に信頼して」「安全と生存を保持」すると、うたっている。
護憲派の人々は、詐欺の犠牲となる無防備な高齢者に、よく似ている。
かかってくる電話がすべて善意によるのだと、疑うことがない。よい人たちだ。
日本は、中国、北朝鮮、ロシア、韓国のすぐ隣にあるから環境が厳しい。
残念なことだが、人食い虎、狼、ヒグマ、狐によって、囲まれているようなものだ。油断してはなるまい。
これらの国々に対して、お人好しの高齢者のような性善説をとっていても、よいものだろうか?
いったい、憲法は何のために存在しているのだろうか?
公益のためだ。日本の独立と安全を守るのが、公益である。
まさか、日本国民が憲法を守るために、存在しているのではあるまい。
日本が性悪な国々によって囲まれているとしたら、現行憲法によって日本国民の独立と安全を守ることができないことを、覚るべきである。
それとも、“平和憲法”は気休めのためにあるのだろうか。
護憲派の人々が、どのような場合にも、アメリカが守ってくれるはずだから、心配することがないと信じているとすれば、アメリカに甘えすぎている。
もちろん、アメリカは日本を自国だと思っていない。
アメリカには、その時その時のアメリカの都合があるはずだ。
外国であるアメリカに、すべてを預けてよいものだろうか?
“平和憲法”を守らなければならないという主張は、アメリカが日本をどのような場合にも、守ってくれることを前提にしている。
「平和憲法」というより、「甘えの憲法」ではないのだろうか? だが、国際社会ではこのような甘えは通用しない。
もし護憲派の人々が、国防が戦争を招くと信じているとすれば、消防車が火事を招くことになるし、堤防があるから川が氾濫するというのとかわらない。