コロナで死者が少ない理由か?腐敗菌を恐れた先祖の知恵|神楽坂淳の新「異説まちまち」

そういうことも・・・

 

コロナで死者が少ない理由か?腐敗菌を恐れた先祖の知恵|神楽坂淳の新「異説まちまち」

 コロナの第3波といわれているが、欧米に比べると死者の数は格段に低く抑えられている。医療システム以前に日本人のたゆまぬ努力が実っていると言ってもいいだろう。

 日本人は秩序を守ることにかけては他国よりも優れている部分が多い。そして清潔ということにおいては世界でも例を見ないほどこだわりがある。この習慣を形づくったのは、物が腐りやすいという日本の気候なのではないかと思っている。

 中国の古い物語などを読んでいると、酒で腹を満たすという言葉が出てくる。昔の中国の酒はとにかく度数が低く、1%から5%ぐらいの度数である。日本酒が平均して16%ぐらいのことを考えるとかなり低い。度数が低いから腹を満たすほど飲めたのである。日本で言うなら甘酒に近いような感覚だろうか。

 日本にはそういった低アルコール飲料はなかった。造ろうとすると、発酵ではなくて腐敗してしまうからである。

 例えばモンゴルに比べると、日本の腐敗菌の量は10倍である。なので発酵の時もある程度の度数が必要なのだ。

 日本の歴史は縄文時代から腐敗菌との闘いである。なにかというと物が腐ってしまうというのが日本の文化をつくり上げた。野菜を生で置いておくと腐ってしまうから味噌や塩で漬ける。魚もそのまま保存できないから干物にしたり、塩漬けにしていた。

 寿司にしても、現代においては生魚を食べる方法だが、寿司が生魚に変わっていくのはどちらかというと昭和に入ってからである。

 イカは煮てあったし、マグロは醤油漬けだった。コハダは酢で締めてある。すべてが腐らないための工夫だった。

 雑菌が手につかないように手を洗う。割り箸を使って再利用しない。家族といえども食器を共有しない。

 こういった食中毒対策が、図らずもコロナを防いでいるのではないかと思う。洗うよりは捨てるほうが安全だ。なので日本の割り箸文化は、案外コロナを防いでいるのではないかと思う。

 今年は風邪もインフルエンザも例年より少ない。消毒を徹底しているというのが一番大きな原因だろう。

 腐敗菌を恐れた先祖の感覚が、たまたまつくり上げた清潔社会がコロナの防波堤になっているとしたら、日本人は腐敗菌に感謝すべきなのかもしれない。

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