北海道各地の交通表記にロシア語

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)7月4日(月曜日)
          通巻第7392号  

 

 

(読者の声3)政府の最大の任務は「国家、国体を守る」事であり、そのためには如何なる手段、非倫理的、卑怯な非人道的な全ての可能な戦略が許される。
ところが日本には「滅びの美学」という反国家的な価値観が存在し、負けるなら潔く綺麗に汚名を残さず、品格を保ち、見苦しい醜態を晒さずに歴史から消滅しましょうと。終戦間際の「一億総玉砕」集団心中自殺がその例。故三島由紀夫氏はそれを個人で為された。解雇された主人が家人に苦労をかけるよりはと、家族全員で強制心中。
企業においても、負け戦を回避し、自然に衰退、沈没する道を選ぶ豊田章雄氏はトヨタ従業員など140万人と遅延性の自殺を選んだ、らしい。(EVよりは、重たいICEを抱いて、身投げ)


 これに反して、なりふり構わず、とにかく生き残り、敵に阿り迎合し力を蓄え刻を待ち、敵討ちをする。明治維新、戦後の日本はそんな気概があり、国力を上げた。支那、ロシアも同様に、過去の敗戦・屈辱感を抑え、西欧を欺き、兎に角、国の繁栄に全力を注いで西欧の一員、不可欠な信頼できる共同経営者との地位と財力を得た。
今、両国は気が熟したと判断し、敵討ちの次元に入った。これは両国にとってかなり危険な大胆な賭けであり、西欧を過小評価、自国の過大評価、あるいはもはや待てない国内事情などのためかもしれない。


 更に、日本は淡白で「水に流す」のが好きな民族で、過去の辛い出来事をすぐ忘れ、事実を認めずに性善説を信じるという「忘却の特技」を持つ。
これを体現するのが安倍元首相であり、戦後のソ連の筆舌難い日本国民・婦女に対する蛮行を忘れ、プーチン氏を心底から尊敬し執拗に付き纏い5年間に26回も個人的に媚を売り交渉、譲歩し3000億円もの援助を差し上げ、しかもアイヌ法まで公布した。その一連の反国益の行動は、ロシアの工作員、売国奴と認識されるべき。


 いかに野蛮な国であっても、侵略には大義、正当性、歴史的背景、理由付けが必要であり、それ無しには、単なる犯罪、蛮行と国内外で見做されてしまう。侵略ではなく、1。かつての領土であった、2。自国民が被害、差別、略奪を受けている、3。自国民が嘆願し希望し、やむなく彼らを救うために軍事「侵攻」を行い、4。以前の正当な平常状態に戻す。


 ロシアの視点では、アイヌ人は自国民であり、日本政府も先住民として認めており、その悲惨な歴史は日本政府によって建てられた記念館によって証明されているなど「侵攻」の正当性が確立された北海道各地の交通表記にロシア語が加えられた事実は、日本政府が既に、ロシアに「領土権」を認めたと。このような状態は、ウクライナ「侵略」と酷似しており、「侵攻」の準備は整った。


 この親切な「おもてなし・お膳立て」が、最も嘱望され保守と信じられていた自民党安倍首相が行っていた事自体に日本の深い劣化疲弊・内部腐敗が見られる。


その当時も、現在の露ウ戦争中も、この露を信じた「超親露政策の大失敗」についての非難も懺悔も反省も為されない。プーチン氏は、ウクライナの次は北海道という計画に自信を持っただろう。それは支那が台湾を合併する時に合わせるかもしれない。


その際、西欧はウクライナに対した支援と同等な援助を日本に与えるだろうか。陸続きではないので不便でもある。重たい武器を高価な船や空輸となる。
 1919年、西欧の植民地利権・奴隷を公然と非難し侮辱し、非白人奴隷を解放した成り上がり者、西欧が世話をし教育した礼を仇で返した日本とは、異人種、異文化の国であり、「念願の復讐」の対象でもある。
しかも見掛けも支那人と区別できない。

 
7月4日は米国の誕生日だが、近年の国内の深い分裂、対立、は凄まじく、「世界の警察」などの役目は返上した。
(在米のKM生)

 

 

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